ロゴは「会社・お店・サービスの顔」です。名刺、Web、SNS、看板、ユニフォームなど、あらゆる場所に出るので、適当に作ると後でずっと困ります。逆に言うと、手順さえ守れば、デザイン未経験でもちゃんと“使えるロゴ”に近づけられます。
この記事では、Adobe IllustratorやCanvaを触ったことがない初心者でも、ゼロからロゴを作れるように「考え方→作り方→チェック→書き出し→運用」までを1本にまとめます。自作と外注の判断基準も、相場感も、最後にテンプレも付けています。
Contents
この記事でわかること
- ロゴの種類と、初心者が迷いがちな選び方
- ロゴ作りの正しい順番(最短で失敗しにくい手順)
- フォント・色・形の“プロっぽく見える”具体的な工夫
- 自作と外注の比較、費用感、依頼前に準備するもの
- 最終チェックリストと、すぐ使えるヒアリングシート
ロゴとは何か?
ロゴは「飾り」ではなく、「このブランドは何者か」を一瞬で伝えるための記号です。見た目がオシャレでも、事業内容や雰囲気とズレると“中身がない”印象になります。ここで大事なのは、ロゴの正解は「アートとして美しい」ではなく、「使われ続けて、覚えられて、間違われない」です。
ロゴの種類
ロゴには代表的なタイプがあり、どれが正解というより「目的に合う型」を選ぶのがコツです。
1) シンボル(アイコン型)
単一のマークで認知させるタイプです。浸透すると文字がなくても伝わります。
向いている:SNSアイコンを強くしたい、グッズ展開したい
2) ワードマーク(文字だけ型)
ブランド名をフォントで魅せるタイプです。読みやすさと個性のバランスが要です。
向いている:店名を覚えてほしい、短い名前、サービス名が強い
3) レターマーク(頭文字型)
頭文字(イニシャル)でシンプルに見せるタイプです。
向いている:社名が長い、英字の略称がある
4) コンビネーション(マーク+文字)
初心者にいちばんおすすめです。マークも文字もあるので、認知と説明を両立しやすいです。
5) エンブレム(紋章・バッジ型)
シールや紋章っぽい形で、デザイン内に社名が入るタイプです。
向いている:スポーツチーム、クラフト感、伝統・信頼を出したい
ロゴ作りで最初にやるべきこと
初心者が一番ハマるのが「いきなりツールを開く」ことです。最初の勝負はデザインではなく、調査と整理です。
まず決める3点セット
- 誰に(ターゲット)
- 何を(提供価値)
- どう思われたいか(印象の方向性)
さらに「他社と何が違うか」も言語化しておくと、ロゴに芯が通ります(POD=差別化ポイント)。
初心者でもできるロゴ作成7ステップ
ステップ0:用途を先に洗い出す
ロゴはネットだけでなく、名刺、封筒、看板、車体、印刷物などに使われます。用途によって「線の太さ」や「色数」が制限されることもあります。
【最低限、想定しておく用途】
- Web(サイト、SNS、アイコン)
- 印刷(名刺、チラシ、封筒)
- 大サイズ(看板、のぼり)
- 小サイズ(アプリアイコン、ファビコン)
ステップ1:競合と業界を調べる
「同業がよく使う形・色・雰囲気」を把握すると、寄せる/外すの判断ができます。徹底的に調査するのが最初のステップだとされています。
ステップ2:ヒアリングシートを作る
自分用でもOKです。ポイントは、ふわっとした形容詞を避けることです。「かっこいい」ではなく「このロゴの雰囲気」みたいに具体例に落とします。
ステップ3:ラフ案を手書きで量産する
最初から丁寧に描く必要はありません。手を動かして案を増やすと、頭の中だけより具体化しやすいです。
ステップ4:ロゴの型を決める
「ロゴ(文字)」「マーク(シンボル)」「ロゴマーク(両方)」は別物なので、必要な形を明確にします。
ステップ5:色を決める(少なく、強く)
色は少ないほど運用がラクです。一般には4色以内が良いとされます。
初心者の現実的なおすすめはこのどれかです。
- 1色(黒1色から始める)
- 2色(ベース1+アクセント1)
- 3色(ベース+アクセント+補助)
ステップ6:フォントを決める(見た目よりも「読める」を優先)
フォントは印象を大きく変えます。複数のフォントを試して比較します。さらに重要なのが、フォントによっては商用利用できない場合があるので、権利回りを調べて選ぶことです。
ステップ7:最終チェック→書き出し→バリエーション作成
ロゴはカラーだけでなく、白黒印刷でも成立するか、縮小・拡大しても認識できるかをテストします。また、用途に合わせて複数バージョン(例:横組み、縦組み、アイコン用)を用意しておくと運用が一気に楽になります。
まずは無料で作るなら?初心者向けの現実的な進め方
いきなり高機能ソフトに行くより、最初は「形を固める」ことを優先すると失敗しにくいです。
無料での最短ルート(おすすめ)
- 紙にラフ10案(3分×10)
- その中から良い3案に絞る
- 無料のデザインツールで整える(テンプレを使ってもOK)
- 白黒・小サイズで読めるか確認
- 使う場所に合わせたサイズと形式で保存
Canvaはテンプレからのカスタマイズで制作時間を短縮できる、という考え方が紹介されています。
プロっぽく見える3つの工夫
1) 形を「意味のあるシンプル」に寄せる
装飾が増えるほど、縮小したときに潰れます。シンプルなのに“意味が通る”状態を狙うのが近道です。
2) 色数は絞って、印刷コストも意識する
色を増やすと、印刷コストや運用が増えます。4色以内が一般的とされています。
3) モノクロと極小サイズで崩れないかを必ず見る
ロゴは白黒の書類で使われることも多いので、モノクロ印刷で同じイメージで認識できるかをチェックします。縮小・拡大で印象が変わらないかもテストします。
自作と外注、どっちがいい?(比較表で判断)
初心者が「作れるか不安」なときは、目的とリスクで決めるのが一番です。
| 判断軸 | 自作が向く | 外注が向く |
|---|---|---|
| 目的 | まず形にしたい、検証したい | 早く“ブランドの核”を固めたい |
| 予算 | 0〜数千円で試したい | 数万円以上を投資できる |
| 時間 | 学びながら進めたい | 社内の工数を減らしたい |
| リスク | 多少の粗さは許容できる | 商標・類似・展開まで事故りたく |
外注費の目安として、ロゴ制作は2万円〜30万円程度という幅の記載もあります(依頼先や内容で変動します)。また、PC操作が苦手なら業者に依頼するのが良い、という方向性も紹介されています。
納品データ・保存形式で困らないために
ロゴは「見た目」より「データ」が大事です。使うたびに困らないように、最初から揃えておくのがおすすめです。
最低限そろえたい形式
- PNG(背景透過で使いやすい)
- JPG(軽い、写真に合う)
- SVG(拡大しても劣化しにくい)
- 必要ならPDF(入稿用)
複数のファイル形式(JPEG / PNG / SVGなど)で保存しておくと良い、という整理もあります。
最終チェックリスト
完成後にここだけは確認しておくと、後悔が減ります。
- ロゴに意味がある(コンセプトを一言で説明できる)
- 白黒でも成立する(印刷・FAXでも読める)
- 小さくしても判別できる(SNSアイコンで潰れない)
- 色数が多すぎない(運用・印刷が破綻しない)
- フォントの商用利用を確認した(後から事故らない)
- 似たロゴが業界にない(被ると弱いし危ない)
- 用途に合わせたバリエーションがある(横・縦・アイコン用)
実務テンプレ:ロゴ用ヒアリングシート
そのままコピペして、空欄を埋めてください。
1) 基本情報
- ブランド名(正式表記):
- 読み方:
- 事業内容(1文):
- 提供価値(お客様の得):
- ターゲット(年齢・性別・職業・地域など):
2) 目指す印象(3つまで)
- 例:信頼感/親しみ/高級感/スピード感/安心感
- 実際に選ぶ言葉:
3) 競合と差別化(POD)
- 競合(3社):
- 同業がよく使う色・形:
- 自分たちが外したい要素:
- 自分たちの強み(1文):
4) ロゴの型
- 文字だけ(ワードマーク)/マークだけ(シンボル)/両方(コンビネーション)
- 希望:
5) 使用場所
- Web(サイト/SNS/アプリ):
- 印刷(名刺/チラシ/封筒):
- 看板/車体/ユニフォーム:
FAQ
Q1. ロゴは何色が正解ですか?
正解はありませんが、初心者は少ない色数から始めるのが安全です。一般には4色以内が良いとされています。
Q2. 文字だけのロゴでも大丈夫ですか?
大丈夫です。ワードマーク(文字だけ)は王道です。ただし「読めること」と「雰囲気が合うこと」が最優先です。
Q3. フォントは無料なら何でも使っていいですか?
無料でも商用利用が禁止のものがあります。フォントは権利確認をしてから使うのが前提です。
Q4. 作ったロゴが「それっぽい」けど不安です。何を確認すればいいですか?
モノクロで成立するか、小さくしても判別できるか、長く使っても古く見えないかを先に見てください。
Q5. 外注するとき、最低限なにを渡せばいいですか?
この記事の「ヒアリングシート」を埋めて渡せば十分強いです。特に用途とターゲット、差別化ポイントがあるとズレが激減します。
まとめ
ロゴ作りは、センスより順番が大事です。いきなりツールを触るより、調査→言語化→ラフ→整える→テスト→書き出し、の流れを守るだけで完成度が上がります。
今日からできる最短の一歩はこれです。
- 競合ロゴを30個集めて傾向を見る
- ターゲットと印象を3語で決める(PODも)
- 紙に10案描いて、3案に絞る
- 色は2色以内で仮決め、白黒でも確認する
- PNG/SVGなど複数形式で保存して運用に備える
ここまでできると、「初心者の自作」でも十分に実務で戦える土台になります。次に、もし「ロゴの方向性は固まったけど、最後の仕上げだけプロに任せたい」なら、外注に切り替える判断もすごく合理的です。







