(画像引用元:F1-Gate.com)
世界中のロゴマークに関するニュースを特集する「ロゴマーク最新情報!」。
今回は、かつて壮絶なライバル対決を繰り広げたフェラーリとアルファロメオが、奇跡のコラボレーションを実現したというニュースをご紹介します。
フェラーリはイタリアに拠点を置く、高級スポーツカーやF1マシンを主な商品とする自動車メーカーです。一方アルファロメオは「100年愛されるロゴマーク | Alfa Romeo(アルファロメオ)」でもご紹介したとおり、1910年に設立したイタリアの自動車メーカーで、フェラーリよりも35年以上前に設立している企業。
一見、設立地が同じであること以外、共通点がないように思われがちですが、実はフェラーリの前身は、もともとアルファロメオのセミワークス「ソシエタ・アノニーマ・スクーデリア・フェラーリ」でした。
アルファロメオと袂を分かつきっかけとなったのは、同社が「ソシエタ・アノニーマ・スクーデリア・フェラーリ」の活動を休止したこと。その後、一旦はアルファ・コルセに吸収合併されますが、チームの設立者の1人であるエンツォ・フェラーリが経営陣と対立。独立後、のちにフェラーリの前身となる「スクーデリア・フェラーリ」を立ち上げます。
この「スクーデリア・フェラーリ」というチームの資金調達のために作られたのが、フェラーリ社でした。
レースのために自動車メーカーを立ち上げるというのは、何とも珍しい話ではありますが、その後フェラーリは自動車メーカーとしても、そして「スクーデリア・フェラーリ」というチームとしても世界に通用する成長を遂げます。
そんなフェラーリがアルファロメオとレース場で相対し話題を呼んだのが、1950年に開始されたF1の舞台でした。
アルファロメオは当初、出走した全てのグランプリで勝利を収めていましたが、1951年、ついにフェラーリはアルファロメオを破り、初勝利を獲得します。この時エンツォ・フェラーリは「私は母親を殺してしまった」と、その複雑な心境を語っています。
翌年、アルファロメオはF1から撤退。長くフェラーリ一強の時代が訪れますが、その後、フェラーリ社の経営が苦しくなったことから、1969フェラーリはフィアット傘下に収まります。
それから13年後の1986年、なんとフェラーリの古巣であるアルファロメオも、フィアットの傘下に入ることとなり、フェラーリとアルファロメオは再び一つの傘の中に収まることとなります。
そんな歴史を持つフェラーリとアルファロメオが再びコラボすることになったのが、2015年F1マシンとしてフェラーリから発表された『SF15-T』。このマシンのサイドポッド後部には、なんとアルファロメオのロゴマークが描かれています。
というのも、今回「スクーデリア・フェラーリ」のスポンサーになっているのは、かつて同チームが生まれたアルファロメオ。一時は分裂した2つのチームが、ひとつのマシンに思いを託してF1を駆け抜けることになります。
ロゴマークは企業の想いが込められたもの。さまざまな想いを乗せて走る『SF15-T』、ぜひ一度見てみたいですね。