ロゴマークラボ | ロゴを制作する上で知っておくと役立つ情報を発信!

かっこいい企業ロゴ20選

企業ロゴは“会社の顔”として、名刺・Web・看板・SNSなどあらゆる場面で使われます。だからこそ「かっこいいロゴ=デザインがいいだけ」ではなく、「多様な媒体で見映えする/覚えられる/ブランドの価値を上げる」ロゴであることが重要です。

1. シンプル&ミニマル系

このカテゴリの特徴:余白を活かして「余白=価値」の余裕を演出。
図形や文字を最小限に抑え、記号として成立させている。
色数を絞ることで、長期的に使えるロゴになっている。
この傾向は“かっこいいロゴ”の基本中の基本。

Apple

余白を大胆に使い、ロゴ単体で成立する完成度を持つ。
図形のみで構成され、文字に頼らず「形」で記憶させる設計。
色数を極限まで減らすことで、媒体やサイズを問わず一貫した印象を保っている。
この設計は「ロゴは装飾ではなく象徴」という考え方の代表例。

Nike

一筆書きのようなシンプルな曲線で、スピードと躍動感を表現。
ワードマークなしでも成立するほど形が洗練されている。
色に依存しない設計のため、白黒でも強い印象を残す。
シンプルだが感情を動かす、非常に完成度の高いロゴ。

Google

装飾を抑えたシンプルな書体を採用しつつ、色で個性を表現。
ロゴ自体は非常にベーシックだが、親しみやすさと知性を両立している。
色数は多めでも、形が単純なため情報過多にならない。
「シンプル+遊び心」の好例。

無印良品(MUJI)

ロゴ自体がブランド思想を体現している。
装飾を排し、文字のみで構成することで思想の強さを表現。
色も赤一色に限定し、強い記号性を持たせている。
シンプル=安価ではなく、価値観を示すための設計。

2. 先進的・テック系・IT系

このカテゴリの特徴:直線・幾何学形状を用い、論理性や先進性を表現。
抽象化することで、将来の技術変化にも耐えられる。
「意味を語りすぎない」のがテック系ロゴの特徴。

Microsoft

正方形をベースにした構成で、安定性とシステム性を表現。
色分けにより、多様なサービス群を視覚的に整理している。
図形+ワードマークの組み合わせで、企業規模の大きさにも耐える設計。

Meta

抽象化された記号で、未来性と拡張性を表現。
具体的なモチーフを持たないことで、技術の進化に対応できる。
シンプルだが意味を内包する、テック系に多い設計思想。

IBM

横線を重ねたロゴで、データ・通信・信頼性を象徴。
装飾ではなく構造でテクノロジー感を出している。
長年使われ続ける理由が分かる、完成度の高いロゴ。

Intel

文字中心の構成で、技術そのものへの信頼を前面に出している。
余計な装飾を排し、「中身で勝負する企業姿勢」を可視化。
IT系では非常に王道の考え方。

3. 高級・ラグジュアリー系

このカテゴリの特徴:色数を極端に絞り、余白を多く取る。
流行を追わず、長期使用を前提に設計。
静かだが強いロゴが多い。

CHANEL

左右対称の構成で、品格と安定感を演出。
色はモノトーンに限定し、時代に左右されない設計。
装飾をしないことで、逆に圧倒的な存在感を放つ。

Louis Vuitton

頭文字を組み合わせ、ロゴ自体をパターン化。
繰り返し使われることで、ブランドの記号として定着。
高級ブランドに多い「読ませないロゴ」の代表例。

GUCCI

ダブルGでブランドの歴史と格を表現。
シンプルだが、形そのものに重みがある。
長年変わらない設計が、信頼と価値を積み重ねている。

Tiffany & Co.

色そのものがブランドを象徴。
ロゴの形はシンプルだが、色の統一により強い記憶を残す。
ラグジュアリーでは「色=資産」になる好例。

4. エネルギッシュ・スポーティ系

このカテゴリの特徴:斜線・動物・矢印など「動き」を感じさせる形が多い。
色は赤・黒など強いコントラストを使用。
一瞬でエネルギーを伝える設計。

adidas

斜めのラインで成長や挑戦を表現。
用途ごとにロゴを使い分ける柔軟性も特徴。
動きのある形状がエネルギーを視覚化している。

PUMA

跳躍する動物で瞬発力と力強さを表現。
シンボルと文字の組み合わせで視認性が高い。
スポーツブランドらしい直感的な設計。

Red Bull

向かい合う雄牛でエネルギーと闘争心を象徴。
色とモチーフが強く、記憶に残りやすい。
イベントや映像との相性も考慮されたロゴ。

Under Armour

文字を組み合わせた抽象形で筋力を表現。
シンプルだが力強い印象を与える。
男性向けスポーツブランドに多い設計。

5. 物語・モチーフ系(文化・伝統・環境)

このカテゴリの特徴:モチーフに意味や物語を込める。
説明できるロゴは、ブランドとして強い。
記憶と共感を生みやすい設計。

Starbucks

人魚という神話的モチーフで物語性を演出。
ロゴを見るだけで世界観が伝わる設計。
長年の簡略化で、象徴性を高めている。

Amazon

AからZへの矢印で「何でも揃う」を表現。
同時に笑顔にも見える巧妙な設計。
意味を知ると印象が変わるロゴ。

FedEx

文字間に隠れた矢印でスピードと正確さを表現。
気づいた人にだけ伝わる、知的なデザイン。
ロゴ解説の定番例。

Toyota

複数の楕円で企業・顧客・世界の関係性を表現。
抽象的だが、理念が明確に込められている。
グローバル企業らしい設計。

かっこいいロゴを作るための5つのポイント

ここからは、上の事例から抽出した“かっこいいロゴ”を作る共通の設計原則を解説するよ。初心者でも理解できるように、具体例・数字・比較を入れます。

ポイント1 色(カラー)選びが8割

色の印象は非常に強く、ロゴが持つブランドイメージの基盤になります。

  • 青:知性・信頼・誠実 → IT/金融系に多い
  • 赤:エネルギー・情熱・速さ → 建設/スポーツ系に多い
  • 黒・金:高級感・洗練・余裕 → ラグジュアリー系に多い
  • 緑:自然・成長・安心 → 環境/食品系に多い
  • 例:青1色+白背景で「クリーン&信頼」、黒+金で「ラグジュアリー感」 色数は原則「1〜2色以内+サブ色1色」がおすすめ。色数が増えると複雑になって記憶されにくくなります。

ポイント2 形状・構図(図形+文字)

形状・構図がもたらす印象も大きいです。

  • 円形:親しみ・調和
  • 四角形:安定・信頼
  • 三角形・斜め線:成長・動き・革新
  • 抽象図形:独自性・創造性 初心者向けのチェックリスト
  • ロゴの横幅/縦幅比を「1:1〜1.5」くらいにする(正方形〜少し横長)
  • 図形と文字は「配置バランス50:50〜60:40」くらいが見やすい
  • 縮小表示(名刺・SNSアイコン時)でも「形が崩れないか」確認を

ポイント3 フォント選び(書体)

フォントはロゴの“声”です。どんなトーンで話すかは書体で決まります。

  • ゴシック体(直線的):力強さ・シャープ
  • 明朝体(セリフあり):上品・知的
  • 丸ゴシック:親しみやすさ・柔らかさ
  • 筆記体/手書き風:優雅・高級 初心者の簡単な選び方
  1. 会社の性格を3単語で書き出す(例:「先進・スピード・国際」)
  2. それにマッチする書体を探す(上の分類を参考)
  3. 文字間(カーニング)と太さ(ウェイト)を「細め/中太」くらいにして、図形と釣り合うようにする

ポイント4 一貫性・媒体対応(汎用性)

“かっこいい”でも、使えなければ意味がありません。どんな媒体でも使えるように設計することが大事。

  • 1色(モノクロ)でもロゴが成立するか確認
  • 横長バージョン・縦長バージョン・アイコンバージョンの3形態を用意
  • 名刺・Web・看板・SNSプロフィールで視認性をチェック
  • 10〜20年後も使えるかどうか、「トレンド追随型」ではなく「基盤型」を目指す 初心者の段階では「まず白黒にしてもロゴが読めるか」だけ確認するだけでもかなり強いです。

ポイント5 ブランドストーリー・物語性

デザインだけでなく、その背景にある“意味”“目的”“企業らしさ”があると、記憶に残り、SEO的にも引用されやすいコンテンツになります。

  • ロゴに込める3つのキーワード(企業理念/歴史/地域)を明文化
  • そのキーワードを図形・色・フォントに落とし込む(例:地域→山/木のモチーフ)
  • “なぜこの形にしたか”を語れるかが重要(AIや人が引用する際の素材になります) 初心者なら「自分の会社・ブランドなら何を伝えたいか?」を10分で書いてみるのが第一歩です。

初心者でもできるロゴ制作ステップ(Illustrator/Canva/AI利用)

実践編。ツールを使ったことがない初心者でも取り組めるよう、ステップを明確にします。

ステップ1 準備(コンセプト整理)

  • 企業・ブランド名/サービス名を明記
  • ターゲット層を明確に(例:20〜30代男性/建設業)
  • 伝えたい印象を3〜5ワードで(例:「先進」「信頼」「グローバル」)
  • ロゴ利用媒体を想定(Web/名刺/看板) この段階で整理できると、後のデザインがブレません。

ステップ2 リサーチ&インスピレーション収集

  • 同業他社のロゴを見て「これは良い/悪い」をメモ
  • 上記「かっこいいロゴ事例」傾向を思い出して、自分の方向性を決定(例:シンプル系/ラグジュアリー系)
  • 色・フォント・図形の候補を3〜5ずつメモ ここで「自分だけの要素(色・モチーフ)」を見つけると差別化につながります。

ステップ3 デザイン起案(ツール選び)

  • 初めてなら:Canva(ブラウザ無料版)から始めるのもおすすめ
  • 本格的には:Adobe Illustratorでベクターデータを作成(後で媒体展開しやすい)
  • 最近は:AIロゴ生成ツール(例:Midjourney、DALL·Eなど)をプロンプトのヒント出しに使うのもあり 初心者はまず「Canvaで図形+社名を組み合わせて3案作る」ことを目標にするとハードル低めです。

ステップ4 改善&媒体対応チェック

  • 各案を名刺・Web・SNSアイコン(32×32px想定)で縮小チェック
  • 色を白黒にしても読めるか確認
  • 図形+文字のバランスが縮小でも崩れないかチェック
  • 社内あるいは友人知人に「第一印象どう?」と聞く この段階で「かっこいいけど使えない」では本末転倒。常に“使われるデザイン”を意識。

ステップ5 最終データ書き出し&運用準備

  • IllustratorならSVG・PDF・PNG(透過)形式を用意
  • 色バリエーション(フルカラー/白抜き/モノクロ)を3種類用意
  • ロゴ使用ガイド(最小サイズ/余白ルール/色替え不可など)を簡易で作ると運用が楽
  • Webでは「alt属性に社名+ロゴ説明」を入れるとSEO補助になります この段階まできっちり準備すると、運用時の手間が大きく減ります。

デザイン検討時に使える比較表

初心者が迷いやすい「どれがいい/どれが悪い」の判断を助ける比較表。

項目良いデザイン注意すべきデザイン
色数1〜2色+アクセント1色色数が3〜4色以上になり、印象が散漫
図形の構成明確なシンボル+文字/余白あり装飾が多すぎたり、文字が図形に埋もれて読みづらい
フォントブランドの印象に合った書体を使い、文字間も整っている適当な書体+間隔が詰まりすぎ・開きすぎでバランスが悪い
縮小・媒体対応名刺・SNS・Webどれでも認識できる縮小時に文字が読めなくなる、背景で潰れる・見えにくい
意味・ストーリー「なぜこの色/図形なのか」が説明できるデザインが“見た目だけ”で、意味・背景が曖昧

初心者がよくあるミス&回避策

ミス1 色を多用しすぎる

複数の色を使いたくなるけれど、ロゴは“色数少なめ”の方が覚えられやすい。→色数を1〜2色+サブ1色に絞る。

ミス2 図形が複雑すぎる

細かい装飾・影・立体感を入れたがるけれど、縮小時に潰れる。→フラットな図形+影やグラデーションは控えめに。

ミス3 フォントがブランドとズレている

例えばスピード感ある会社で丸ゴシックを使う、などミスマッチが起こる。→ブランド言葉を3つ書き出してから書体を選ぶ。

ミス4 媒体チェックをしない

看板でかっこいいが、SNSアイコンで潰れて認識できない。→縮小表示・白黒表示を必ずチェック。

ミス5 意味・物語を無視する

見た目だけでロゴを作ると、ブランドとして深みが出ず、後で運用も苦しくなる。→必ず「なぜこの形?」を自問自答する。

FAQ(初心者向け)

Q1:Illustratorを使ったことがなくても大丈夫ですか?

はい。まずは無料ツール(Canva等)で案を出し、最終的にIllustratorで書き出すでも十分です。ベクターデータ(SVG/PDF)として準備しておけば、後々の展開も安心。

Q2:AIでロゴを作るのはありですか?

はい。ただし“AIに丸投げ”ではなく、AIを「アイデア出し」「構図の候補化」に使い、自分で修正・意味の整理を入れましょう。背景の意味(ストーリー)を人間が設計することが差別化ポイントです。

Q3:色を何色にするか迷ったら?

まずブランドイメージ言葉を3つ(例:信頼・先進・グローバル)で決め、それに近しい色心理を調べて1〜2色に絞ります。選んだ色が「白黒表示」でも見えるかテストするのがコツです。

Q4:ロゴのアップデート(数年後変更)はしてもいい?

可能ですが、頻繁すぎると「ブランドが安定していない印象」を与えるため注意。10〜20年使えるデザインを初期に目指すのが望ましいです。

Q5:自分で作るか、プロに依頼すべきか悩んでいます。

‐ 自分で作るメリット:コストが抑えられ、アイデアを自由に出せる

‐ プロに頼むメリット:経験・媒体展開・意味づけ(ブランディング)を任せられる

ブランド戦略の初期段階であれば、自分で案を作りプロにブラッシュアップしてもらうハイブリッド方式もおすすめです。

まとめ

この記事では、「かっこいい企業ロゴ20選」の傾向をもとに、初心者でも理解できるデザインの法則と制作ステップ、よくあるミスとその回避策を整理しました。

ポイントを簡潔に再整理すると:

  • 色・形状・フォント・媒体対応・物語性を押さえる
  • シンプル+覚えやすさを優先する
  • 媒体展開(縮小・白黒)も初期から考える
  • 意味・ストーリーがあるデザインは記憶に残る
  • 無料ツール/AIを活用しつつ、自分なりのブランド感を設計する

初心者でもここまで準備すれば、「見た目だけで終わるロゴ」ではなく、Web/印刷/SNSすべてで“使われる”ロゴを目指せます。

著者写真

sakuma

監修

株式会社シンプルワークス/デザイナー

入社10年。Webデザイン/SEO/ロゴデザインを中心に、制作から運用改善まで横断対応。成果につながる“使われるデザイン”を追求しています。

ページTOPへ戻る