さまざまな企業・商品のロゴマークの由来やこだわりなどを紹介する「独断!粋なロゴマーク」。
今回は、日本を代表する自動車メーカーの一つ「MAZDA(マツダ)」のロゴマークを取り上げます!
1.MAZDA(マツダ)のロゴマークの歴史と由来
今では日本有数の自動車メーカーとして知られるマツダですが、1920年の創業時には、コルクの代用品を製造する会社「東洋コルク工業株式会社」として、ワインのコルク栓などを作っていました。その7年後には社名を「東洋工業株式会社」に変更し、創業から11年後の1931年に「マツダ号」という名前の3輪トラックの販売をはじめます。
実はこの時、MAZDA(マツダ)と言う名前はあくまでブランド名の一つでしかありませんでした。
MAZDA(マツダ)ブランド初のロゴマークを発表したのは、1934年のこと。当時のロゴマークは今のロゴマークとはかなり異なる、モダンデザインのフォントが採用されていました。
(画像引用元:list25.com)
その後何度かロゴマークが変更された後、現在のロゴタイプとなったのが1975年のこと。マツダ株式会社に社名が変更される9年前から、現在もお馴染みのロゴマークが使われていたんですね。
2.イニシャルだけじゃない!MAZDA(マツダ)のロゴマークがもつ意味
MAZDA(マツダ)と言えば、Mをかたどったエンブレムが印象的ですよね。このエンブレム、実質の創業者と言われる松田重次郎の苗字にちなんだもの…と思われがちですが、実は他にもさまざまな意味を持っていたのです。その意味を知るためには、MAZDA(マツダ)という社名の意味を知る必要があります。
MAZDA(マツダ)という名前には、実質の創業者・松田重次郎の苗字以外に、アフラ・マズダー (Ahura Mazdā)という神にちなんで付けられたものだとされています。このアフラ・マズダーとは、古代ペルシアを起源とする宗教・ゾロアスター教の最高神で、叡智・理性・調和の3つを司ると言われています。この神のように、自動車業界のトップを走る企業でありたいという想いから、この名前が付けられたそうです。
よく見てみると、MAZDA(マツダ)とマズダー(Mazdā)の綴りが似ていますね。
こうした理由からか、エンブレムにも飛翔や将来への希望などが込められています。「フライング・M」と呼ばれるこのエンブレムには、マツダのMだけでなく、翼をモチーフに作られており、企業のさらなる発展やスピード感、常に変化することをやめずに革新的に進んでいくという想いが込められています。
また、発祥の地・広島の市章もモチーフになっているそうです。
一見シンプルに見えるロゴマークほど、深い意味が隠されているのかもしれませんね。
※参考書籍
ロゴライフ 有名ロゴ100の変遷(著:ロン・ファン・デル・フルーフト)