1.はじめに
さまざまなサービスが多様化する昨今、これまでブランディングや他社との差別化に、あまり重きを置いていなかった企業や団体が、ロゴマークを作成したり、サービスの向上に力を入れ始めています。その中の一つが病院です。
一昔前までは、多くの病院がブランディングや差別化に、あまり力を入れていませんでした。しかし、医療サービスの多様化や人口ピラミッドの変化、一般病院や無床一般診療所の増加などにより、多くの病院がサービスの差別化や病院の特色を出さなければ生き残れない状況となっており、結果としてマーケティングやブランディングに力を入れています。
これは地域に根づいた一般診療所や大病院でも例外ではなく、人口の変化などにより、患者数が激減している病院もあるといいます。こうした背景から、医学とともにマーケティングを学ぶ医大生も増えているのだとか。
そこで今回は、病院のロゴマークの傾向と事例についてご紹介します。
Point:ブランディングや差別化を図る病院が増えている
2.病院のロゴマークの傾向
まずは病院のロゴマークの傾向について調べてみました。
結果、2人以上の「ひと」をモチーフにしたものが多い傾向にあることがわかりました。
ただ、形については多種多様で、助け合うように寄り添っているものや、ハートを胸に抱えたものや、人がハートを作っているもの、病院の頭文字がさり気なくデザインされているものなどが見られました。
他にも、地域に密着した病院というイメージを出すために、山々や花を描くなど、立地に由来したロゴマークを採用しているところや、十字をかたどったもの、病院の頭文字をアレンジしたものなども多く見受けられました。
色の傾向としては、人をモチーフにした場合はピンクや青、黄色または緑を使用しているところが多いようです。立地に由来したものの場合は、緑または青が多いという傾向にありました。
病院のロゴマークというと、圧倒的に十字が多いのでは?と思っていた方も多いかもしれませんが、最近では人と人とのふれあいや支えあいと言ったテーマをロゴマークに込める病院が多いようですね。
Point:人をモチーフにしたロゴマークが多い傾向。色はピンク・青・緑がよく使われている
3.病院のロゴマーク参考事例
では、実際にどのようなロゴマークが採用されているのか、その事例をご紹介します。
香川県にある高松市民病院では、ハートをモチーフにしたロゴマークが採用されています。
(画像引用元:高松市民病院)
これは、「生きる力を応援します」という病院の基本理念が込められており、色も暖色系の多い、温かみのあるデザインが特徴的です。
この病院では、2014年3月からロゴマークの刺繍を入れた白衣の着用が開始されており、基本理念を病院関係者間で共有できる仕組みづくりが行われています。
病院を訪れる患者の目にも入りやすいため、病院を印象づけやすいという効果も期待できそうですね。
ロゴマークの作り方だけでなく、その活用方法についてもぜひ参考にしたい事例の一つです。
また、同じく香川県にある香川県立中央病院では、ホスピタルカラーとしてオリーブグリーンとオリーブリーフグリーンを採用しており、ロゴマークにもその色彩が十分に使用されています。
(画像引用元:香川県立中央病院)
このロゴマークにはさまざまな思いが込められているほか、イニシャルなどもしっかり盛り込まれており、メッセージ性の高いロゴマークとなっています。こちらもぜひ参考にした素晴らしいロゴマークですね。
Point:ロゴマークは形だけでなく、活用事例やどのようなメッセージが込められているかなども参考にしたい
特色や患者に伝えたいメッセージ、地域性などが元となって作られている病院のロゴマーク。作成の際の参考になれば幸いです。
4.まとめ
■ブランディングや差別化を図る病院が増えている中で、ロゴマークの需要は高まっている ■病院のロゴマークの傾向としては、人をモチーフにしたロゴマークが多い。色はピンク・青・緑がよく使われている ■ロゴマークの活用事例なども参考にしながら、ロゴマークを作成してみよう |