1.はじめに
日本国内だけでなく、世界的にも高い評価を得ている帆布バッグ。
一澤信三郎帆布など、多くの有名帆布バッグメーカーがしのぎを削る市場ですが、この帆布バッグをよく見てみると、多くのメーカーが商品にロゴマークを付けているのが確認できます。
もちろん帆布バッグ以外にも、ロゴマークを付けているバッグメーカーは多数ありますが、これほど分かりやすく、かつほとんどのメーカーが同じような形でロゴマークを付けている業界も珍しいのではないでしょうか。
そこで今回は、日本の帆布バッグメーカーはなぜロゴマークを付けるのか、またその付け方から見るロゴマークの重要性について考えていきます。
Point:帆布バッグメーカーはなぜロゴマークを付けるのか
2.帆布バッグメーカーがロゴマークを付ける理由
まずは、帆布バッグメーカーがロゴマークを付ける理由について考えていきます。
帆布バッグのロゴマークを考えるためには、その歴史を紐解く必要があります。今では日本の商品というイメージも強い帆布ですが、もともとは古代エジプトで亜麻の帆布が生まれたことが始まりだと言われています。
日本に帆布が伝わったのは、それから遙かな時を経た室町時代。その後、織り方や作り方が改良・開発され、より耐久性や通気性に優れたものが登場するようになります。明治には帆布が大量生産されるようになり、人々の生活に欠かせないものとなっていきます。
つまり明治には、帆布は生活必需品とされており、今よりも多くのメーカーが乱立していたのではないかと考えられます。
帆布バッグの多くは比較的シンプルな形をしており、メーカーごとにそこまで大きな違いがあるわけではありません。しかし、メーカーが増えていくとなると、どこでメーカーの色を出すのかというのが大きな問題になります。もちろん技術力やデザイン性で差別化を図ろうとしても、帆布バッグには限界があります。こうした背景もあり、他のバッグよりも分かりやすくロゴマークを付けるようになったのではないかというのが、あくまでも筆者の考えです。
つまり帆布バッグにとってロゴマークは、職人(メーカー)を示すための重要なシンボルだったのではないでしょうか。
Point:形やデザインで差別化を計りにくい帆布バッグにとって、ロゴマークは職人を示す重要なシンボル(サイン)だったのでは
3.帆布バッグメーカーに見るロゴマークの重要性
こうして考えると、帆布バッグにとって、いかにロゴマークが重要だったかがわかりますよね。
もし本来とは別のメーカーのロゴマークが帆布バッグについていたとしても、おそらく多くの方が何の違和感も抱かないのではないでしょうか。
もちろん長く使い続けていれば、触り心地や使い心地、耐久性や強度の観点から「あれ?」と疑問を持つ方もいらっしゃるかもしれません。しかし、一目見ただけでは、その違いはなかなかわからないもの。
だからこそ、ロゴマークで違いを表すことが重要なのではないでしょうか。
ロゴマークの重要性は、帆布バッグにかかわらず、すべての商品に言えることです。ロゴマークは企業の象徴であり、企業の想いが詰まったものでもありますが、同時に企業のサインでもあります。
商材にもよりますが、これから何かしらの商品を販売する場合は、商品にロゴマークという形でサインをし、他社との差別化を図ると同時に、企業の認知度を高めてみてはいかがでしょうか。
Point:ロゴマークは企業のサイン。ロゴマークという形で商品にサインをして他社との差別化を図ってみては?
4.まとめ
■デザインや色で素人目に差別化を図りにくい帆布バッグにとって、ロゴマークは職人を示す重要なサインの一つでは ■他社との差別化を図ると同時に、企業の認知度を高めるために、商品にロゴマークをつけてみては |