(画像引用元:Mercedes-Benz 600 S Pullman (Built:1966) by Pedro Ribeiro Simões | Frickr )
さまざまな企業・商品のロゴマークの由来やこだわりなどを紹介する「独断!粋なロゴマーク」。
今回は、「スリーポインテッド・スター」が有名な「Mercedes-Benz(メルセデス・ベンツ)」のロゴマークを取り上げます!
1.Mercedes-Benz(メルセデス・ベンツ)のロゴマークの歴史と由来
Mercedes-Benz(メルセデス・ベンツ)はもともと、ベンツ&シー社とダイムラー・モーター社という2つの自動車メーカーが合併した企業です。どちらも1890年までに創業されており、自動車メーカーの黎明期を作り上げ、自動車の普及に大いに貢献した企業として知られています。
日本では高級車の代名詞ともなっているメルセデス・ベンツのスリーポインテッド・スターのロゴマークは、もともとダイムラー・モーター社が使用していたものでした。といっても創業当初のロゴマークは、スリーポインテッド・スターとは全く異なる、ロゴタイプだけのものでした。
その後2度の変更を経て、1909年に現在のスリーポインテッド・スターの原型となるシンボルマークが生まれます。
このロゴマークが示す3点は、それぞれ「陸・海・空」を表しており、各分野での事業の繁栄を表しているそうです。当時のダイムラー・モーター社の高い志が感じられるロゴマークですね。
(画像引用元:CarMe)
2.父の夢を受け継いで生まれたロゴマーク
このマークを考案したのは、ダイムラー・モーター社を立ち上げたゴットリープ・ダイムラーと言われていますが、スリーポインテッド・スターがダイムラー・モーター社のロゴマークに採用された時、残念ながら彼はこの世にはいませんでした。
「スリーポインテッド・スターをロゴマークに」と社内に提案したのは、当時取締役に就任していた二人の息子たち。
実はゴットリープ・ダイムラーは生前、スリーポインテッド・スターについて「自分の工場を持つようになったら、このマークを掲げたい」と妻に漏らしていたそうです。その想いを聞いた息子たちは、亡き父の夢のためにと、スリーポインテッド・スターをロゴマークに提案。見事ダイムラー・モーター社のロゴマーク、そしてエンブレムとして採用されることとなります。
その後ダイムラー・モーター社は、ベンツ&シー社との合併や、合併後の社名変更などを数度行っていますが、スリーポインテッド・スターだけは、変わることなく現在も輝き続けています。
日本では高級車のエンブレムという印象が強いスリーポインテッド・スターですが、その成り立ちには父と子の熱い想いが関わっていたのですね。
※参考書籍
ロゴライフ 有名ロゴ100の変遷(著:ロン・ファン・デル・フルーフト)