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会社の歴史を物語るロゴマーク |Audi(アウディ)

会社の歴史を物語るロゴマーク |Audi(アウディ)

(画像引用元:Wikipedia

さまざまな企業・商品のロゴマークの由来やこだわりなどを紹介する「独断!粋なロゴマーク」。
今回は、日本でも高い人気を誇る、ドイツの自動車メーカー「Audi(アウディ)」のロゴマークを取り上げます!

1.Audi(アウディ)のロゴマークの歴史と由来

アウグスト・ホルヒがAudiという名前で自動車メーカーを創設したのは1909年のこと。もともとはホルヒという社名で自動車製造会社を興していましたが、経営に頓着なことからホルヒを追放されてしまい、新しく興したのがAudiでした。
創業当初のAudiのロゴタイプは、全て小文字で統一されていました。ロゴマークは、「audi」の文字の周りを実線と点線の2つの楕円で囲んだもので、花をモチーフにデザインされていました。

1919年には楕円の中を黒で塗りつぶし、ロゴタイプのイニシャルAを大文字にしたロゴマークを新たに採用。この時採用したロゴタイプは、その後2009年まで継続して使用されることとなります。一方シンボルマークは、その後会社の歴史とともに、その形を大きく変えていくことになります。

1923年にはロゴマークを公募。その結果、黒塗りの三角形の上に、まるでトロフィーのように「1」という数字が描かれた、Audiのロゴマークが誕生します。
しかし、そのわずか10年後の1932年には、当時世界中を震撼させていた世界恐慌の影響により、ホルヒを始めとした自動車メーカー3社と合併することが決まります。合併に伴い、新たにロゴマークが作られることとなりますが、ここで登場するのが「フォーリングス」という名前でおなじみの、Audiのロゴマークです。
実はAudiのロゴマークにあしらわれた4つの円は、当時合併したAudiとホルヒ、DKWとヴァンダラーという、4つの自動車メーカーを表していたのです。

2.ロゴマークが会社の歴史に

新会社「アウトウニオン」として新たなスタートを切ったAudi。合併後、しばらくはAudiブランドの自動車を作り続けていましたが、第二次世界大戦の影響もあり、ついに1940年、Audiブランドの自動車製造を中止することとなります。
その後、戦火から何とか生き残ったAudiは、1965年にフォルクスワーゲングループの傘下に入り、再びAudiブランドの自動車製造を開始します。その際、Audiのロゴマークとしてフォーリングスとともに使われたのは、1919年に作られたあのロゴタイプでした。

Audiのロゴマークはその後、一時はフォーリングスのないロゴマークを掲げていた時期もありましたが、1994年にフォーリングスは再度復活。2009年には90年に渡り使い続けたロゴタイプを変更し、よりスマートな印象のあるロゴタイプへと変化を遂げています。

企業の契機とともに、ロゴマークを変えるというのはよくあることですが、これほど企業の歴史を刻み、変化したロゴマークも少ないのではないでしょうか。まさに、ロゴマークが企業とともに歩みを進めた、素敵な事例の一つだと言えますね。

※参考書籍
ロゴライフ 有名ロゴ100の変遷(著:ロン・ファン・デル・フルーフト)

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