(画像引用元:Wikipedia)
さまざまな企業・商品のロゴマークの由来やこだわりなどを紹介する「独断!粋なロゴマーク」。
今回は、カメラやプリンタ、最近では医療機器の開発や製造も手がけている「Canon(キヤノン)」のロゴマークを取り上げます!
1. Canon(キヤノン)のロゴマークの歴史と由来
Canon(キヤノン)の前身である精機光学研究所が創業したのは1933年のこと。小さい頃からカメラをいじることが大好きだった吉田五郎と、義弟の内田三郎によって立ち上げられました。
Canonという名前は、1934年に同社が発売した国内初のカメラの試作機「KWANON」(カンノン)から来ています。「KWANON」とはその響きの通り、観音様の名前をモチーフに作られたもの。観音様のご慈悲にあやかりたいと言う想いから名付けられたそうです。ちなみに「KWANON」に搭載されたレンズの名前は「KASYAPA」(カシャパ)という商品名がついていますが、こちらも実は仏教に関連する用語の一つ。「大迦葉(マーハ・カサーパ)」という釈迦の弟子の名前から取ったものだそうです。
その頃作られたロゴマークは、まさに名前の通り観音様をモチーフにしたデザインとなっています。
(画像引用元:キヤノン)
今のキヤノンのロゴマークとは全く異なりますが、その由来を聞くとなるほどと頷いてしまいますね。
その後、世界進出を視野に入れ、1935年には「Canon」をブランド名として採用し、商標として登録。1947年には社名をキヤノンカメラ株式会社に変更し、現在に至ります。
Canonが会社名として選ばれた理由、それは「KWANON」(カンノン)に響きが似ていたこともありますが、Canonという単語の持つ「聖典」や「規範」、「標準」といった意味が、精密機器を製造する会社名としてふさわしいと考えられたからだそうです。
2.Canon(キヤノン)ロゴタイプは誰が作ったの?
Canonのロゴマークは、未公開のものも合わせると合わせると、2015年までに数度変更されていますが、「Canon」というロゴタイプのみの表記となって以降は、常に頭文字の「C」の上部分が折れ曲がったデザインとなっています。
(画像引用元:キヤノン)
これは「Canon」となって初めて制作されたロゴマークの独特なスタイルを継承しているもので、そのままCanon自身の独創性を表した形となっています。
実は初代ロゴマークを作成したのは、当時の広告担当者。彼(彼女?)が作った先端の折れた「C」のロゴマークは、そのまま企業のスタイルとして受け入れられ、現在まで続いています。
このように数度ロゴマークが変更されたとしても、ある部分だけは変わらないロゴマークというのは、企業の創業時からの想いが変わっていないことを示すのにうってつけのアイデアだと言えます。
ロゴマークを変更するなら、企業の繁栄や変わらない想いを後世に残すために、あえて変えない部分を作るというのもひとつの方法ではないでしょうか。
※参考サイト
キヤノン
※参考書籍
ロゴライフ 有名ロゴ100の変遷(著:ロン・ファン・デル・フルーフト)