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標準化を体現したロゴマーク | スターバックス

標準化を体現したロゴマーク | スターバックス

(画像引用元:Starbucks Coffee – Google+

さまざまな企業・商品のロゴマークの由来やこだわりなどを紹介する「独断!粋なロゴマーク」。
今回は、日本でも大人気のコーヒーチェーン店「スターバックス」のロゴマークを取り上げます!

1.スターバックスの歴史とロゴマークの由来

スターバックスが創業したのは1971年のことですが、現在のコーヒーバーテイストが生まれたのは1984年のこと。後のCEOとなるハワード・シュルツ氏の案によって、シアトルに出されたコーヒーバーテイストの店舗が爆発的な人気を得、現在へと引き継がれています。

スターバックスのロゴマークといえば、メインカラーのグリーンと女性のほほえみが印象的ですが、1971年に作られたロゴマークは、今とはかなり違った印象のものでした。

標準化を体現したロゴマーク | スターバックス
(画像引用元:John K’s Stick It! Pictures

メインカラーにはコーヒーらしい色合いが使われており、中央には謎の女性らしき絵が描かれています。これはセイレーンと呼ばれる海の怪物。美しい歌声で船乗りたちを惑わせ、多くの船を難破させたという伝説を持つ、架空の生き物です。
この話だけを聞くと、なぜセイレーンをロゴマークに採用したのか疑問に感じてしまいそうですが、セイレーンが船や航海を連想させるモチーフだというところにヒントがあります。

当時コーヒー豆の主な輸送手段が船であったこと、そして、多くの船乗りたちが惑わされてしまうほどの魅力を持つセイレーンにあやかり、多くの人々を魅了するコーヒーを提供したいという想いから、このロゴマークが生まれたそうです。
ちなみに「スターバックス」という名前自体も、航海に関係する名前の一つ。有名な小説『白鯨』に登場する航海士・スターバックスからつけられたと言われています。

その後、ロゴマークは1987年に刷新され、リアルに描かれていたセイレーンはより抽象的に、あらわだった胸は髪で隠されるようになりました。メインカラーもブラウンから現在のグリーン、そしてブラックに変更されています。
この年は、ハワード・シュルツ氏が設立したイル・ジョルナーレ社が、スターバックス社の資産を買収し、新生スターバックスとして再スタートを切った年に当たります。ロゴマークを刷新することで、新たなスターバックスの船出を印象づけたかったのかもしれません。

このロゴマークは1992年に変更が加えられ、よりセイレーンがアップで描かれるようになりました。
創業40周年となる2011年には、セイレーンの周りに描かれていた「STARBUCKS COFFEE」の文字が消え、よりセイレーンがクローズアップされたものが採用されています。
コーヒー以外のものも販売していくことから、ロゴマークの「COFFEE」の部分を抜いたとされていますが、社名を抜いても世界各地で「このロゴマークはスターバックスのものだ」と認知されるというのは、実はとても偉大なこと。スターバックスのロゴマークが世界基準で標準化されたことを表していると言えます。
まさに、多くのデザイナーや企業が目指すロゴマークのあり方が、そこにはあるのかもしれません。

※参考サイト
沿革(スターバックス コーヒー ジャパン)

※参考書籍
ロゴライフ 有名ロゴ100の変遷(著:ロン・ファン・デル・フルーフト)

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