日本各地の自治体では、特産物や観光地のPRをはじめ多種多様な取り組みが行われています。今回は東北地方の自治体が行っている活動と、そのロゴマークをいくつかご紹介します。
※本記事では、比較・検討のため著作権に規定された範囲内で画像を引用しております。そのため、引用画像の権利は著作者に帰属しています。
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「Aターン」認知にロゴマークを活用―秋田県
画像引用元:「Aターンロゴマーク」の制定について | 美の国あきたネット
「Aターン」という言葉を知っていますか?
地方への移住や就職に関する用語に「Uターン・Iターン・Jターン」がありますが、「Aターン」はそれらを指す秋田県ならではの造語です。県出身者もそうでない人も、どんな人でもみんな秋田に来てほしい、住んでほしいという願いを込めた「All Turn」の“A”と「Akita」のイニシャル“A”をかけています。
秋田県ではこの「Aターン」という言葉を広めようと、Aターンロゴマークを作成しました。
ロゴマークのデザインは、秋田公立美術大学の学生による応募の中から選定し、専門デザイナーの補作を経て決定されたそうです。
Aターン就職促進月間をつくったり、お盆の帰省時期にあわせて開催されるAターン就職相談会を開催するなど、広報に力を入れているのが伝わります。
参考:「Aターンロゴマーク」の制定について | 美の国あきたネット
盛岡ブランド「もりおか暮らし物語」――岩手県盛岡市
画像引用元:盛岡市総合トップページ|盛岡市公式ホームページ
盛岡では “盛岡ブランド”として、「もりおか暮らし物語」というキャッチコピーをつくりました。これは「盛岡のさまざまな価値・魅力は脈々と続く暮らしの中から生まれている」という考えが基になっています。
盛岡の象徴である岩手山や盛岡城跡と、市内を流れる多くの川をモチーフに、自然と文化に育まれた水と緑の文化都市として人と人の交流をも表しているそうです。
ロゴマークは2パターンあり、上図左手のマークは白抜きによって岩手山の雪の白さや、清流の輝きを表現しています。パターン違いでもそれぞれに別の意味があるというのは、おもしろいですね。
デザインには盛岡市出身の2名のグラフィックデザイナーが関わっています。
シティプロモーションへの取組み――岩手県雫石町
雫石町では、町民や町外の人に向けて、「町や町民が大事にしてきたこと、これから大事にしたいこと」をブランドメッセージとして発信しています。
2018年には学生を含めた町民たちを交え、「虹の似合うまち 雫石町」というキャッチコピーを設定し、翌年にこのコピーを基調とするロゴマークを作成しました。現在もこのロゴマークを用いてシティプロモーションを推進しています。
公式ホームページでは、このロゴマークに描かれる桜並木や山などのモチーフがどのような意味を持っているかがストーリー形式で描かれているので、ぜひチェックしてみてください。
新潟開港を祝う3種のロゴマーク――新潟県新潟市
画像引用元:ロゴマークを活用して、新潟をアピールしよう!
縦長デザインが新鮮な、新潟の開港150周年を記念して作成されたロゴマークです。
この節目を新しい新潟を切り拓くスタート(Starting port)と位置付け、新潟の魅力を国内外へ広く発信していこうという取り組みのもと誕生しました。
黄色いリボンにも見えるモチーフは灯台のサーチライトを表しており、「未来を照らし、人々を導くフラッグ」である役割に加え、ヒト、モノ、情報の出会いの場として新しさを生み出し、更新され広がっていくようにとの願いが込められています。
またよく見るとモチーフを縁取るように「N」の文字が浮かびあがっていますが、これはNiigata(新潟)やNew(新しい)の頭文字となっています。
その他にも港らしさを表す碇マークや、新潟を代表する信濃川、阿賀野川、日本海を表す水色の三本線をあしらうことで、新潟らしさと港らしさの調和のとれた、さわやかなロゴマークに仕上がっています。
上記2種の他に、「What‘s NiiGATA」のロゴも用意されています。
画像引用元:ロゴマークを活用して、新潟をアピールしよう!
「新潟といえば…何だろう?」という問いかけに対し、市民一人ひとりが考え、より良い新潟の実現に向け行動してもらいたいという願いが込められたメッセージです。
いずれも新潟港150周年の節目を機に、更なる飛躍を目指す新潟市の姿勢が窺えます。
彩鮮やかな魅力が満載!――福島県福島市
画像引用元:福島市ロゴマークの使用について – 福島市
豊かな自然と四季折々のフルーツが魅力な福島市では、「実・湧・満・彩」というキャッチフレーズとともにカラフルなロゴマークを展開しています。
デザインの意図としては、キャッチフレーズ4文字を特産物などで装飾された縁で囲むことで、福島市が持つたくさんの魅力を、いろんな角度から見られるようにしているそうです。また手書きのようなラフさのある文字とカラフルな色使いによって、福島市のにぎわいの様子を表しています。
ちなみに、文字を擬人化したバージョンもありました。
画像引用元:福島市ロゴマークの使用について – 福島市
どちらもにぎやかで楽しいイメージが伝わってきますね。
親しみやすさと地元愛が伝わるロゴマーク
今回は東北地方の自治体が展開する取組みとロゴマークを紹介しました。地域独自の取り組みや地元の人たちの想いなど、説明が難しいものがロゴマークとして形になることで、誰にでもわかりやすく伝わるようになっていると感じました。
みなさんのお住いの地域でも何か取組みがあった際には、ロゴマークが使われているか、またどんなロゴマークなのか、ぜひチェックしてみてください。