ラグジュアリーブランドのロゴは、単にデザイン性が優れているだけではありません。実は意外な意味が込められていることもあります。
そこで今回は、ロゴデザインの参考にしたいラグジュアリーブランド業界のロゴをご紹介します。美しいロゴに秘められた思いに触れてみませんか。
※本記事では、比較・検討のため著作権に規定された範囲内で画像を引用しております。そのため、引用画像の権利は著作者に帰属しています。
HERMES
画像引用元:エルメス「公式オンラインブディック」
エルメスは1837年に、パリに開かれた馬具工房からスタートしました。創業者は、ティエリー・エルメス氏です。シルクスカーフ、ネクタイなど、多彩なアイテムを手掛け、プレタポルテコレクションやビューティ部門の創設など、多岐にわたる展開をしています。
ロゴのポイント
エルメスのシンボルマークは、アルフレッド・ド・ドルー氏が描いた「四輪馬車と従者」です。ブランド名の「HERMES」に、創業地である「PARIS」の文字を加えたロゴは、いつまでも初心を忘れない意思を感じさせます。
また、エルメスといえば落ち着いたオレンジ色の「エルメスカラー」で知られています。オレンジ色のロゴも作られており、エルメスのロゴの持つ品格にポジティブなイメージを加えています。
参考:Hermès – エルメス-公式サイト「6代にわたるアルチザン」
LOUIS VUITTON
画像引用元:ルイ・ヴィトン 公式サイト – M41180「ネヴァーフル GM モノグラム」
創業者のルイ・ヴィトンは、1837年のパリで、16歳にしてトランク職人の道を歩みはじめました。マレシャル氏のアトリエで17年間働いあと、ヌーヴ・デ・カプシーヌ通り4番地に自分のアトリエを開きました。
ルイ・ヴィトンのダミエ柄は、市松模様がルーツとされています。また、画像で紹介しているモノグラムは、2代目ジョルジュ・ヴィトンによって1896年発表されましたが当時流行していたジャポニスム(日本趣味)の影響を受け、日本の家紋からインスピレーションを受けたとか。日本のテイストを取り入れた柄が、世界的に人気を集めているのは嬉しいですね。
ロゴマーク作成のポイント
LOUIS VUITTONの頭文字である「LV」を重ねたロゴは、シンプルではありますがオリジナリティが高いデザインです。頭文字をロゴにする場合には、ルイ・ヴィトンのように配置にこだわるとオリジナリティをより高めることができます。
参考:コトバンク「LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンとは」
VERSACE(ヴェルサーチェ)
画像引用元:ヴェルサーチェ 公式サイト「ウェア&ファッションアクセサリー」
ヴェルサーチェは、1978年にジャンニ・ヴェルサーチェ氏によって設立されたブランドです。メデューサのロゴがシグネチャーで、ウェアやアクセサリーだけではなく、ホームコレクションにホテル事業など、幅広い展開を行っています。
ロゴマーク作成のポイント
サシャリー ハリソン氏の「ロゴの研究」によると、ブランドのロゴでもあるヴェルサーチェのメデューサヘッドは、ヴェルサーチェのビジョンを表現しています。メデューサは、伝統と古典を感じされるだけではなく、輝きやオリジナリティがあり「目を見張るようなデザインで観客を驚かせたい」という彼の願望を包含しているとか。確かにメデューサのロゴはインパクトがありますよね。
神話や民話といったモチーフは、古くから親しまれているものです。既存のモチーフを起用することで、親しみや共感をそのまま受け継ぐことができます。しかし、オリジナリティを高めるためには、誰もが親しんできた英雄や女神ではなく、メデューサのように個性的でインパクトのあるモチーフを選定するのがオススメです。
注意したいのが、インパクトだけを重視してしまうとターゲットに受け入れられないことがある点です。ターゲットにしっかりと向き合い、マッチするモチーフを選ぶように心がけましょう。
おわりに
ラグジュアリーブランドのロゴをご紹介しました。他にもラグジュアリーブランドには、オリジナリティの高いロゴが多くありますので、競合との差別化にお悩みの方はぜひご注目ください。
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