1.はじめに
ロゴマークの中には、時にレトロさを感じさせるものを見かけることがあります。本当に長年変わらずに使用されてきたものもあれば、企業の方向性や戦略などにより、あえてレトロにデザインされているものもあります。
そこで今回は、不思議な魅力を持つレトロなロゴマークをご紹介します。
Point:レトロロゴマークの不思議な魅力とは
2.長く愛され続けるレトロなロゴマーク
レトロなロゴマークと言われて、筆者が最初に思い浮かんだのが仁丹のロゴマークでした。
(画像引用元:京橋経済新聞)
仁丹は1936年に創立した森下仁丹を代表する商品。森下仁丹自体は、もともとは1893年に創業者・森下博が立ち上げた森下南陽堂に端を発します。
100年以上の歴史を持つ森下仁丹にロゴマークが誕生したのは1963年のこと。実はこの頃から、ロゴマークの原型はほとんど変わっていません。このロゴマークは「大礼服マーク」と呼ばれ、森下仁丹の歴史の象徴として現在も使用されています。
ちなみに、一見軍人に見える「大礼服マーク」の人物ですが、実は外交官がモデルになっているそうです。
ロゴマークができた1963年には、すでに海外向け商品も販売されていた仁丹。将来的に世界中で愛用されることを目指していたからこそ、世界中で働く外交官というモデルを採用したのかもしれません。
また、歴史あるレトロなロゴマークといえば、資生堂の花椿マークも有名ですね。
(画像引用元:資生堂グループ)
今でも化粧品メーカー大手として輝きを放ち続ける資生堂ですが、その創立は1872年にまでさかのぼります。
初めは鷹の姿を描いたシンボルマークが採用されていましたが、1915年に人気を博していた商品「香油花つばき」の名前にちなみ、新たに資生堂の顔として生まれたのが花椿マークでした。
1915年以降、ほとんど形を変えずに使われている花椿マークは、誕生から100年立った今でもおしゃれさを感じさせるデザインとなっています。歴史とともに、そのデザイン性に感嘆する、素晴らしいレトロロゴマークだと言えます。
Point:長い歴史のあるレトロなロゴマークであっても、デザインが良ければその良さは衰えない
3.企業の方向性や戦略に沿ったレトロロゴマーク
一方、企業の主力商品や戦略に合わせて、レトロデザインを採用しているものもあります。
例えば着物リメイクを行うカナタツ商店のロゴマークには、着物をミシンでリメイクする女性の姿があしらわれた、レトロなデザインが採用されています。
(画像引用元:着物リメイク実例集【着物リメイク達人への道byカナタツ商店】)
ロゴマークを一目見ただけで、着物リメイクのお店だということがイメージしやすいロゴマークとなっています。また、機械的に作業を行うのではなく、思い出のこもった着物を一つ一つていねいにリメイクしていくという、企業の気持ちや理念もうまく表現されていますね。
また、以前「ちょっと一息つきたくなるカフェロゴマーク2選」で紹介した、喫茶とおりみちのロゴマークも、愛着を感じさせるレトロなロゴマークの一つ。
(画像引用元:喫茶 通り道 | Facebook)
度々流行するレトロなロゴマークですが、単に流行りという魅力だけではない、どこか愛着や親しみやすさを感じさせる力を持っているのかもしれません。
レトロなロゴマークを作成したいなら、こうした点も押さえておきたいですね。
Point:レトロ感のあるロゴマークは親しみやすさを感じる
4.まとめ
■レトロなロゴマークの中には、長い歴史があるもの、そして企業の方向性や戦略などにより採用されたものの2つがある ■歴史あるレトロなロゴマークには、年を経ても衰えない魅力がある ■レトロロゴマークには、親しみやすさや愛着を感じさせる力がある? |