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ノンデザイナーのためのタイポグラフィ基本の「キ」

ノンデザイナーのためのタイポグラフィ基本の「キ」

「ロゴ」とは、シンボルマークである「ロゴマーク」と、デザインされた文字である「ロゴタイプ」から構成されているものが一般的です。中にはロゴマークだけ、ロゴタイプだけという場合もあります。

その「ロゴタイプ」を作成する際に、デザイナーではなくても知っておくべきことの1つが、タイポグラフィです。

タイポグラフィは、ロゴマークの印象を左右する重要な要素になります。今回はタイポグラフィとは何か、どうしてタイポグラフィが重要なのかということを説明します。

タイポグラフィとは?

タイポグラフィとはもともと、印刷をするときに使われる、凸型の字型である活字を用いた印刷術のことをいいます。

今では「タイポグラフィ」という言葉には2つの意味があります。

1つはフォントの種類や字体の大きさ、文字や行の間隔などを、美しく読みやすいように整えることです。TPOに応じて選択された適切なフォントで、文章や単語のイメージに応じた文字で表現します。一番の目的は、「読みやすく文章を整えること」といえます。

2つ目は文字そのものをデザインの要素であると考え、アートとして表現することです。デザイナーに求めるのはこちら側の方が多いでしょう。

フォントや色、大きさ、字体の太さなど、同じ文字でも表現の方法は数え切れないほどさまざまです。見る人の印象に残るように作るとともに、そのデザインは「華やか」「穏やか」など、何らかのイメージを与える必要があります。

以下にタイポグラフィの2つの意味を詳しく説明していきます。

1.美しく読みやすくなるよう文字の体裁を整える

同じ書類でも、読みやすい文章もあれば、なぜか読みにくい文章もあります。それは、フォントの選び方や大きさ、文字のそろえ方に問題があるのかもしれません。

フォントはそれぞれ異なったイメージを持っています。それは和文フォントにも欧文フォントにもあり、どれを選ぶのかは、その場にふさわしい書類を作るための重要な選択になります。

例えば、明朝体は堅実さや信頼感といったイメージを持っています。一方、ゴシック体は親しみやすさやカジュアルな雰囲気を感じさせます。

また、一枚の書類の中でフォントに変化を与えることも、効果的なフォントの使い方です。見出しを太めにするなど強弱をつけると、中身の文章との対比で見やすくなります。

ただ気を付けたいのは、1つの書類に複数のフォントを使いすぎないようにすることです。どこを強調させたいのか、伝えたいことが何なのかがわかりにくくなってしまうからです。

行や文字の間隔も、あまりにも幅が狭いと見えにくいものになります。またフォントの選び方によっては、同じ文字でも余白が違い、読みにくくなることがあるので注意が必要です。

文字を揃えることも読みやすさの要因になります。文字を左寄せにし、文頭を揃えることですっきりした文章を作ることができます。さらに文字の下のベースラインを揃えると、美しさが整います。

2.文字自体をデザイン要素として取り入れる

文字をデザインとして扱うタイポグラフィは、デザインされた形でもあり、文字として情報を与えることもできます。さらに写真やイラストと組み合わせることで、芸術性を高めることも、さらに深い情報を与えることも可能です。

具体的に、文字をデザインとする基本的なテクニックをいくつか紹介します。

手軽にデザインできる素材として「数字」があります。数字は簡単な装飾をつけたり、フォントを変えて配置を工夫するだけで、デザイン性を感じることができます。

「アルファベット」も、形が対称的なものが多く、デザインしたときに美しい文字になります。

写真やイラストの上に文字をのせる時は、背景色に消されないように色や文字の太さで工夫する必要があります。文字の形に写真を切り抜く方法もあり、インパクトのある印象を与えます。

曲線や何かの形にそって文字を並べる表現も、それ自体に目がいきやすくなり、多くの情報を与えることができます。

これらのように、少しのアイデアで工夫されたタイポグラフィは、フォントや大きさ、色などで自由に表現できる楽しさがあります。デザインされた文字で、見る人に何らかのイメージを印象付けることができれば、「ロゴタイプ」としての役割を果たすことができるでしょう。

ロゴマークでタイポグラフィが重要な理由

ユニクロやセブンイレブンのロゴを作成したデザイナーの佐藤 可士和氏によると、ロゴマークにおいてタイポグラフィを変えることは、話し方や伝わり方を変化させることだと言います。実際の彼の言葉を引用します。

<blockquote>「行間の広いものはゆったりした、狭いものは緊張感を与える。そのためロゴでどのようなイメージを伝えたいのかによってタイポグラフィを変えることが大切である。」</blockquote>

これは自社のイメージをゆったりとしたものとするのか、緊張感を持ったものとするのかによって、タイポグラフィを変える必要があるということです。それを理解しておけば、ロゴを作成する際、自社のイメージを的確に反映させることができるでしょう。

タイポグラフィをよく理解せずにロゴを作ると、自社が提供したいイメージと違った印象を与えてしまうかもしれません。まずは自社の企業理念やコンセプトを明確にし、それを的確に伝えられるようにしましょう。

まとめ

デザイナーでなくても、ロゴを作る時にはタイポグラフィを知っておいた方がいいという説明をしてきました。

タイポグラフィを知っておけば、デザインの仕事に関わる時だけではなく、書類や資料を作成する際など、あらゆるシーンで役立ちます。

自社のアピールポイントをより効果的に宣伝するためにも、字体から伝わる情報を的確に伝えられるようにしましょう。

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