1.はじめに
新商品開発や起業の際にはブランディングが大切だというのは、よく耳にしますよね。では、ロゴマークを作成する際に、ロゴガイドラインが必要だという話はご存じですか?
「ロゴガイドライン」という言葉を初めて耳にした方もいらっしゃるかもしれません。もし、まだロゴマークを作る前なら、それはとてもラッキーなタイミング。既にロゴマークを作ってしまったなら、作成したデザイナーと相談して、急いで設定したほうがよいでしょう。
ロゴガイドラインは、ロゴマークだけでなく、商品や企業のブランディングを考える上で、なくてはならないものです。何かが起こった後「作っておけばよかった…」なんて後悔しないためにも、ロゴガイドラインについて学んでおきましょう。
Point:企業や商品のブランディングを考える上で、ロゴマークにはロゴガイドラインを設定しておこう
2.ロゴガイドラインとは?
ロゴガイドラインとは、その名の通り「ロゴマークのガイドライン」を表すもので、ブランドガイドラインと呼ぶこともあります。
良いロゴマークというのは、一目見ただけで「あ、あのマークだ」とわかるようなものを言います。例えばAppleのりんごがかじられたロゴマークを見れば、ほとんどの方が「あれはAppleのロゴマークだ」といいます。そのロゴマークが付いているからこそ、手に入れたいと感じる商品もあるでしょう。
このように、ロゴマークを見ただけで誰にでも認知されるもの、ひとつの商品や企業を連想させるものこそ、良いロゴマークなのです。
しかし、もしロゴマークごとに違ったところが欠けていたり、大きさや比率の違うりんごのロゴマークが、Macそっくりのパソコンについていたら、あなたはどう思いますか?おそらく「Appleのまがい物だ」「Appleに似ているけど、なんか違う」「アレンジしたもの?」と感じるのではないでしょうか。
あのAppleのマークですら、少し形や大きさが変わるだけで、「Appleのものではない何か」「よく似た何か」「少し変わった何か」として認識されてしまうのです。
つまり、ロゴマークに大切なのは「標準化」です。
ロゴマークを使用するのが一人なら、標準化はさほど難しくはないでしょう。しかし、たくさんの人がロゴマークを扱うなら、ある程度の決まり事を作っておく必要があります。その決まり事をまとめたものこそ「ロゴガイドライン」なのです。
※2021年2月15日更新情報※
ロゴガイドラインの作成には時間がかかります。これは、ロゴガイドラインが「会社(ブランド)として、どうユーザーにメッセージを伝えるか」「会社の顔をどう作り上げていくか」を考えることに繋がるからです。「数日でできるもの」という認識ではなく「時間を掛けて検討していくもの」と考えておいたほうが、スケジュールに余裕ができるだけでなく、会社やブランドにとっても良いものができるでしょう。
ちなみに、ロゴマークやその他のデザインに統一感を持たせることで、社会全体に企業や商品のイメージを標準化しようとする企業施策のことをCI(コーポレート・アイデンティティ)と言います。中でも商品やロゴマークなど、特にヴィジュアルに関係するものをVI(ビジュアル・アイデンティティ)と言います。
つまり、VIはCIの中の要素の一つであり、ブランドの指針を表すもの。なかでもロゴマーク使用に関する部分の取り決めをロゴガイドラインと言います。
▼ロゴガイドラインとCI、VIとの関係性
Point:ロゴマークに大切なのは標準化
3.実例!ロゴガイドラインを公開している企業
ロゴガイドラインを掲げている企業のほとんどは、ブランディング戦略がしっかりしており、ロゴマークを見てひと目で「あのロゴマークだ」と認識できるところが多いと感じます。
逆に言えば、ロゴガイドラインを敷き、ロゴマークを大切にしているからこそ、人々に認知されているといえるのかもしれません。
企業やブランドの中には、ロゴガイドラインを公開しているところもあります。
ここでは、その一部をご紹介します。
1.LINE
(画像引用元:LINEロゴ利用ガイドライン)
日本国内だけで5,000万人以上のユーザーを抱えるLINE。大人から子どもまで、幅広い年代に利用されているこのメッセージアプリのロゴマークは、社名が入ったとてもわかりやすいデザインです。
LINEでは「LINEロゴ利用ガイドライン」として、ロゴマーク使用の際の注意や権利などについてまとめています。
2.YouTube
(画像引用元:YouTube ロゴの使用)
動画サイト大手のYouTubeでも、ロゴガイドラインが定められています。
YouTubeのロゴガイドライン上では、間違った使用例なども挙げられています。改変されてしまうと、どうしても企業のイメージが変わってしまうので、使用時の改変については、しっかり記しておいたほうがよいでしょう。
3.サイボウズ
(画像引用元:コーポレートロゴガイドライン)
グループウェアシステムなどを販売しているサイボウズのロゴガイドラインでは、「サイボウズカラー」と称した色のみをロゴマークに使うよう求めています。
色の設定について書かれていますが、この色が表現できない場合は、黒または白抜きで表示するということも決められています。
サイボウズのように、色の指定をしている企業は少なくありません。
さまざまなロゴガイドラインをご紹介しましたが、いずれもロゴマークを企業のシンボルとして、大切に使用していることがわかります。
ロゴマークはブランディング戦略の一環として、とても大切なものです。ロゴガイドラインをしっかりと作成し、広く認知してもらえるロゴマークを目指しましょう。
Point:ロゴガイドラインを定めている企業ほど、ブランディングが成功しているといえる
4.まとめ
■ロゴガイドラインは、ロゴマークを標準化して使用するために定めるもの ■ロゴマークを標準化することで、社会全体に統一したブランドイメージを持ってもらうことができる ■ロゴガイドラインをしっかり定めている企業ほど、ブランディング戦略がしっかりしている ■ロゴガイドラインを公開している企業は多いので、わからないことはこうした企業のガイドラインを参考にすると良い |