(画像引用元:BAYER | バイエル)
さまざまな企業・商品のロゴマークの由来やこだわりなどを紹介する「独断!粋なロゴマーク」。
今回は、信頼の証ともなっている「バイエル・クロス」でおなじみの製薬会社「BAYER(バイエル)」のロゴマークを取り上げます!
1.BAYER(バイエル)のロゴマークの歴史と由来
バイエルというと、あまりピンと来ない方もいらっしゃるかもしれませんが、アスピリンという薬の存在は、多くの方がご存知のことと思います。アスピリンはアセチルサリチル酸とも呼ばれ、解熱鎮痛剤として世界中で使用されている医薬品の一つ。今ではさまざまなところで使われているアスピリンという名前ですが、元々はバイエルが発売したもので、今でもバイエルといえばアスピリンというイメージを強くお持ちの方は、世界中にたくさんいらっしゃいます。
そんなバイエルのロゴマークといえば、アスピリン錠にも刻印されている「バイエル・クロス」が有名。バイエルを知らない方でも、このロゴマークを見たことのある方は多いのでは。
(画像引用元:BAYER | バイエル)
しかし、実は創業時のバイエルのロゴマークは、「バイエル・クロス」とは全く異なるデザインでした。もともとは本社が置かれていた市の紋章をベースに作られた、焼き網を持つ吠えるライオンだったのです。
(画像引用元:BAYER | バイエル)
このロゴマークは、世界進出とともに焼き網が地球に変わり、世界進出の成功を示すものへと変化していきましたが、1900年頃まで大きなロゴマークの変更はありませんでした。
2.信頼の証「バイエル・クロス」 誕生のきっかけは落書きだった!?
しかし、1900年頃、バイエルのロゴマークは突如「バイエル・クロス」へと変化します。
その変化のきっかけは、なんと当時の従業員ハンス・シュナイダーのいたずら書きだったといいます。いたずら書きをしていて「バイエル・クロス」を思いついたハンス・シュナイダー。それを役員に見せたことがきっかけで、今日の「バイエル・クロス」が誕生したそうです。
ちなみにバイエル公式サイトによると、バイエルグループを知っている方のほとんどが「バイエル・クロス」を思い浮かべるのだそうです。まさにロゴマークの標準化が図られている、素晴らしい事例ではないでしょうか。さらに、「バイエル・クロス」から顧客からの信頼や研究開発などを思い浮かべる方も多く、往々にしてそのイメージはプラスのものが多いのだとか。
はじめは従業員の落書きがきっかけだった「バイエル・クロス」。そんなロゴマークを標準化させ、世界を代表するロゴマークに成長させたのは、役員や従業員の真摯な姿勢と、商品にロゴマークを刻印するという、徹底した戦略にあったのかもしれません。
※参考サイト
新生バイエルの顔 バイエル・クロスがお化粧直し(バイエル)
※参考書籍
ロゴライフ 有名ロゴ100の変遷(著:ロン・ファン・デル・フルーフト)