(画像引用元:丸亀市合併10周年記念事業)
世界中のロゴマークに関するニュースを特集する「ロゴマーク最新情報!」。
今回は伊予市が合併10周年シンボルマークを作成したというニュースから、地域活性ロゴマークのポイントをご紹介します。
これまで「松竹120周年で記念ロゴマーク作成!記念ロゴマークのポイントは?」では、企業や商品の記念ロゴマーク作成のポイントを、「観光地PRの記念ロゴ作成 そのコツは?大町温泉郷50周年ロゴ決定」では、観光地PRのための記念ロゴマーク作成についてのポイントをご紹介してまいりましたが、今回は地域活性というテーマから、ロゴマークについて考えます。
2005年に旧丸亀市と綾歌町、そして飯山町の3市町が対等合併し、誕生した丸亀市。2015年は合併から10年に当たる年ということで、記念事業を盛り上げるためのシンボルマークを市民から公募していました。
今回選ばれたシンボルマークには、10年という節目が亀のイラストをモチーフに描かれており、10週年であること、丸亀市のシンボルマークであることがわかりやすいものとなっています。このシンボルマークの素晴らしいところは、それだけではありません。甲羅部分に描かれた石は、丸亀市内にある丸亀城の石垣を見立てて描かれたもの。その石を10個描くことで、「合併10年の歴史の礎」を表しています。また、地域の益々の発展を亀の向きで表す(右上を向く=右肩上がり)など、さまざまな意味が盛り込まれた、素晴らしい事例の一つだと言えます。
主に、他地域の方へ向けて作られる、観光地PRのための記念ロゴマークとは異なり、地域活性のロゴマークは、その地域に住む人にもわかりやすく、かつ他地域の方に対して、地域の良さをアピールするものでなくてはなりません。
すでに該当の地域に住んでいる人々に対しては、地域の歴史を振り返るとともに、これまでの感謝の気持ちや、今後も安心して暮らしていける地域であり続けることをアピールするロゴマークであることが必要です。
一方、まだその地域に住んでいない人々には、ロゴマークを通して、住みよいまちであること、観光名所が多いことなど地域の魅力を発信し、最終的には企業・住民の誘致を促すための販促物として使えるロゴマークであることが望ましいと、筆者は考えています。
そこまで意味を追求するのはやり過ぎでは?と思われるかもしれません。しかし、「地域活性」というテーマが今後ますます重要になることがわかっている今、少しでもお金を掛けてロゴマークを作るなら、そこまで考えて作っておいたほうが、後々さまざまなPRに使いやすくなります。
ロゴマークは、その地域の歴史や、今後に掛ける地方自治体や住民たちの思いを抽象化して伝えることができるツールの一つです。地域活性のための記念ロゴマークを作成する際は、今回ご紹介した丸亀市のロゴマークのように、地域性がよく分かるもの、かつ、印象に残りやすいものを作成するのが良いのではないでしょうか。
※参考サイト
丸亀市合併10周年記念事業