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ロゴの歴史に見る変化~ネスレ編~

ロゴの歴史に見る変化~ネスレ編~

日本には歴史のある企業が多く、時代にあわせてロゴのリニューアルやリデザインを行ってきた企業も沢山あります。そこで今回は、ネスレ日本の「ネスレのロゴの歴史」他を参考に、ネスレのロゴの変遷(へんせん)とデザイン変化のポイントを見ていきましょう。

ロゴのリニューアルやロゴ作成をお考えの方はぜひご一読ください。

※本記事では、比較・検討のため著作権に規定された範囲内で画像を引用しております。そのため、引用画像の権利は著作者に帰属しています。

1868年のロゴ

世界中のネスレ製品につけられている親鳥がひなを見守る姿は、ネスレを創業したアンリ・ネスレが家紋をアレンジして考案したもの。子どもを育む親の愛を描いたロゴは、世界中で言葉や文化の壁を越え親しまれているのです。「ネスレ」はドイツ語で「巣」を意味しています。

1868年に考案されたこのロゴは、「自ら開発した乳児用シリアルを偽物から守る」という意味が込められています。アンリ・ネスレは、栄養不足による乳幼児の死亡率の高さに心を痛めており、スイスで乳児用乳製品の開発をきっかけにネスレを立ちあげたからです。

ロゴというとシンプルなイメージが浮かびますが、初期のネスレのロゴは丁寧に描かれた鳥の親子の姿でした。また、ネスレのレタリング(文字)はなく、イラストのみのロゴでした。こうした複雑な絵柄はロゴに起用されるケースは少なくなったので、今同じようにイラストを主体にしたロゴを作るとインパクトがあるかもしれませんね。

1938年と1966年のロゴ

鳥の巣のロゴとネスレのレタリングが組み合わさったお馴染みのロゴに近いものです。多彩なネスレ製品に使われる、統一した識別マークになりました。

鳥の巣の親子のイラストは健在ですが、ネスレのレタリングが引き立つようにかなりシンプルに変更されています。

1966年には、スイスでの創業から100周年を迎え、より現代的なデザインに変更されました。

形状がよりシンプルになり、線が少なくなっている反面、濃淡がハッキリとしています。ネスレのレタリングが目立つように、文字がイラストに重なる部分では境目が白く縁取りされています。

1988年のロゴ

                                                                                                                ネスレグループの子会社が「ネスレ」という統一社名になったのを機にロゴもリニューアルされました。ひなは3羽から2羽になり、レタリングがイラストの上ではなく下部に配置されました。現在のロゴに近い雛形ができあがったのです。

細かくみていくと、今までは親鳥が口に餌をくわえていましたが、新しいロゴでは口には何もくわえいません。ひなも2羽になったことで、少し配置が変更されています。巣のデザインもかなりシンプルになりました。

こうして少しずつそぎ落としていくことで、よりスタイリッシュで現代的なデザインに近づいて行ったのです。

1995年と2015年のロゴ

1995年には、さらにイラストが簡略化され、よりシンプルなデザインへと生まれ変わりました。ネスレのレタリングも目立つように色が付けられています。

2015年には、スマートフォンなどのデジタル機器での閲覧に配慮し、よりソフトなデザインに変更されました。

全体的に線がよりシンプルに、かつ太くなり力強い印象を受けますね。スマートフォンやタブレット端末などのデジタル機器は画面が小さいものも多いので、このくらいの力強さがある方が目立って良いかもしれません。

2020年のロゴ

logo evolution 2020

基本色がオーク色に変更になり、レタリングに商標登録マークが付きました。「Good food,Good life」のキャッチコピーがレタリングの下部に記載され、企業姿勢をより鮮明に伝えるロゴになりました。色が変更されたことにより、以前のロゴよりもソフトで温かみのある印象を受けます。

創業者アンリ・ネスレの想いを体現するためにネスレは、「生活の質を高め、健康な未来づくりに貢献します」を存在意義としています。世界187カ国で展開しているネスレは、単に食を届けるだけではなく、子どもたちの健やかな成長や人々の生活向上の支援、事業活動における環境負荷ゼロを目指す取り組みなど多彩な活動に取り組んでいます。

ネスレのコーポレートロゴには、創業者アンリ・ネスレの想いだけではなく、ネスレが実現していく未来への想いも込められているのです。ロゴの変貌の歴史の根底にこうした変わらない想いがあることで、世界中の人に愛されるブランドとして成長を遂げたネスレ。ロゴマークの大切さを改めて実感しますね。

※本記事内の画像引用および参照は全て「ネスレのロゴの歴史」および「知ってる?おなじみの鳥の巣マークに込められた想い」から行っています。

おわりに

「ロゴの歴史に見る変化~ネスレ編~」をご紹介しました。ロゴデザインを時代によって変化させてきたネスレではありますが、根底には創業当時からの変わらぬ想いがあります。

強い想いを体現するロゴを作るためにも。ネスレの取り組みや歴史を参考になさってください。

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