ポジショニングマップは、競合他社との差別化を図り、優位な立ち位置を確立する際に活用される手法です。市場における自社の立ち位置を明確にし、ターゲットを絞り込んだマーケティングを実践する際に使われます。
効果的なポジショニングは企業の戦略を練りやすくし、顧客に自社製品を選んでもらえる可能性を高めます。
マーケティング戦略において重要な役割を担うポジショニングについて理解し、ロゴの作成に活かしましょう。
Contents
そもそもポジショニングとは?
ポジショニングとは、自社製品のターゲットとなる顧客に、意図したイメージを持ってもらえるよう、仕組みや仕掛けを作ることです。「どれだけ他社と差別化された、独自の製品であるか」を顧客に認知してもらうことを目指します。
自社製品の強みを活かして良いポジションを築ければ、競合他社の製品に対して優位に立てます。さらに、競合がいない独自のポジションを確立できれば、他社と争うことなく成果を出すことも可能です。
反対に、ポジショニングに失敗すると、他社との激しい競争に巻き込まれて、結果を出せずに消耗してしまいます。
ロゴ作成でポジショニングが重要な理由
市場における自社のポジショニングは、ロゴデザインの方向性に影響します。
たとえば、同じ電化製品を販売する企業でも、ハイエンド(最上クラス)ユーザーを対象にする場合と、機能よりも価格を重視するユーザーを対象にする場合では、デザインに表現すべき内容が異なりますよね。
高級感が欲しいなら品格が求められ、リーズナブルさを押し出すなら親しみやすさが重視されるはずです。
ロゴとポジショニングの関係も同じです。
ポジショニングを明確にすることで、競合他社に対しての自社の強みや独自性を知ることができます。それをロゴに反映することが、ブランディングや差別化につながるのです。
ポジショニングを明確にすることは、ロゴ作成の成功に直結するといえます。
逆に、ポジショニングをしっかりと定めなければ、競合における自社の強みや独自性の把握が難しくなります。市場における自社の立ち位置がわからない不安定な状態です。
そのような状態でロゴを作成することは、競合ひしめく市場に飛び込んだり、強みや独自性のない部分で勝負したりするような、他社と差別化できないものが出来上がってしまう可能性があるのです。
ポジショニングマップの重要性と作り方
市場のどこに自社製品をポジショニングするかを、縦横の2軸で図に示したものがポジショニングマップです。
ポジショニングマップを作ることで、自社の立ち位置が視覚的に理解しやすくなります。
以下に、ポジショニングマップ作成の手順について解説します。
▼1.ターゲット層の購買決定要因(KBF)を把握する
購買決定要因(Key Buying Factor、KBF)とは、顧客が製品やサービスを選択する決め手となる要素のことです。
たとえば、飲食店の場合だと、「食材の鮮度」「おしゃれな外観」「価格の安さ」などの要素が購買決定に大きく影響を与えるはずです。
まずは自社のターゲット層のKBFとなる要素を洗い出しましょう。
2.KBFを絞り込む
KBFが洗い出せたら、ターゲット層が特に重視するであろう要素を絞り込みます。
先ほど例に挙げた飲食店のターゲットが「女性」だったとすると、「価格の安さ」よりも「おしゃれな外観」が重視されるかもしれません。
KBFの重要度を決めていくことで、ポジショニングマップを作成した時にどの要素を軸とするか、適切に判断できるようになるのです。
3.製品やサービスのKBFについて、自社と競合他社を比較する
KBFが絞り込めたら、自社と競合他社の立ち位置を明確にします。
飲食店を例にすると、自社は「外観のおしゃれさ」で他社より優れているが、「価格の安さ」では劣っているなどです。
自社と他者を比較することで、自社が持つ強みや独自性が見えてきます。
ここから情報をよりシンプルに確認できるよう、分析した結果を図に落とし込みます。
4.ポジショニングマップを作成する
KBFについて比較したデータをもとにポジショニングマップを作成します。
ポジショニングマップの軸には、絞り込んだKBFと自社が優位に立てる要素の2つを置くことが一般的です。
また、軸の選定においては「顧客目線」で軸を選定することを意識しましょう。
せっかく市場の「空白地帯」を見つけても、そこに顧客の需要がなければ成果を挙げられないからです。
まとめ
ロゴを作成する際は、まずはポジショニングマップを活用することが大切です。
作成したポジショニングマップから「競合他社と比べて自社が持つ強みは何か」や「差別化を図れるポイントはどこか」を把握できます。
ロゴは、企業を表すシンボルです。人々の目に触れる機会も多いことから、ロゴが持つブランドイメージは顧客へダイレクトに伝わります。
上手にポジショニングマップを利用して、自社の強みを押し出した、オリジナリティの高いロゴを作りましょう。