1.はじめに
日本経済が新たな局面を迎えている昨今、これまで無駄が多いと言われてきた公共施設の在り方も変わろうとしています。
2015年5月には、公共施設の空きスペースなどをリノベーションし、民間企業に安価で提供するという新たな取り組みが総務省から発表されました。使われていない公共施設の有効活用を推進するとともに、起業者を後押しするのが主な狙いのようです。
公共施設の形が変わるということは、新たな事業が生まれるということ。これは民間企業だけでなく、公共事業についても同じことが言えます。今回の決定は、ただただ民間事業への切り売りを待つのではなく、公共施設としても再出発を図りたいという想いが込められているのかもしれません。
そこで今回は、全国の公共施設の中から、ロゴマークがステキな施設を2つご紹介します。
Point:ステキな公共施設のロゴマークとは
2.コンセプトを重視したロゴマーク
ロゴマークはその施設が何に使われるのか、事業がどうあるべきか、将来的にどうあってほしいのかを表したもの。つまり、施設のコンセプトを相手に伝えることが、ロゴマークの指名とも言えます。
とはいえ、デザインを通して、コンセプトを広く伝えるというのはなかなか難しいものです。
そんなコンセプトをうまく表現しているのが、練馬区が運営する練馬区立美術館のロゴマークです。
(画像引用元:練馬区立美術館)
「ときめきの美 いま 練馬から」というキャッチコピーをベースに作られたこちらのロゴマークは、誕生を感じさせる植物の種子、そして双葉をモチーフに作られています。練馬の地に根付いた美術が「ときめきの美」として成長していく様子を表しているそうですが、これから広く飛び立っていくような躍動感や期待感も感じられますよね。
事業は作ることありきではなく、コンセプトがあってはじめて形ができていくものです。そのコンセプトをロゴマークという形で多くの人に伝えることが、今後の公共施設には欠かせないのかもしれません。
Point:コンセプトをうまく伝えられるロゴマークを作成しよう
3.足を運びたくなるロゴマーク
公共施設が使われなくなる原因の一つに、なんとなく足を向けたくなるような、魅力的な部分が見えづらいことが挙げられます。
そういった観点では、人が自然と足を運びたくなるような、明るいロゴマークが必要なのかもしれません。
苫小牧市が建設した高齢者複合施設テナント棟「cocotoma(ココトマ)」のロゴマークは、こうした点にもしっかり着目して作られたものの一つ。
(画像引用元:苫小牧市)
利用者が心ときめかせるような、ワクワク感を感じられる明るいロゴマークに仕上がっています。カフェや読書ができる空間などがあるということで、ロゴマーク内には本やカップの絵柄もデザインされているのもポイント。なんとなく楽しそうな施設を連想させますよね。
公共施設は「ハコモノ」と揶揄されることもありますが、箱があるだけでは人は足を運びませんし、テナントとして入る企業も少ないでしょう。何かコンセプトがあり、そのコンセプトに共感したり、メリットを感じた企業や人が足を運んでくれることで、初めて事業として成り立ちます。
そのコンセプトを対外的に伝える手段として、ロゴマークは有効かもしれません。一度作成を検討してみてはいかがでしょうか。
Point:
4.まとめ
■公共施設のロゴマークに大切なのは、見るものにコンセプトや、足を運びたくなるメリットやワクワク感を感じさせること ■まずはコンセプト作りをしっかり行い、その後コンセプトが伝わるロゴマークを作成してみては ■人々が足を運びたくなる明るいロゴマークが必要かも? |