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はじめに
2021年は新しい可能性を求めてスタートアップする企業や新規事業をはじめる企業などが増えるのではないかという声が聞かれています。
新しいことが始まるときは新しいロゴが生まれるときでもありますね!
2021年は厳しい制約がありながらも、ニュースタイルのビジネスの勃興にともなう、新しいロゴマークのトレンドが誕生しています。そこで2021年注目のロゴスタイルをご紹介します。
引き続き人気のシンプル&ミニマリズムなロゴ
ミニマリズムとは「最小限」や「装飾をそぎ落とす」などの意味で、ロゴデザインの世界では近年大きなトレンドとなっています。
ほんの数年の間に自動車メーカー各社が立体的だったものから平面的でシンプルなデザインのロゴにリニューアルしたり、InstagramやGoogleのロゴもシンプルになりました。
これはブラウザよりもスマホのアプリに親近感を持つユーザーに対して、アプリでの可視性を高めるという企業側の意識が高まったためです。シンプル&ミニマリズムなロゴの流れは、2021年も続いていくと思われます。
BMWの歴代エンブレム。20年ぶりに更新されました。
画像出典:intennsive911
Toyota Motor Europeは、よりシンプルでデジタル対応なロゴへ
画像出典:Toyota Motor Europe
ニッサンのロゴも2次元的に変更
画像出典:日産
3Dロゴの登場
2021年はロゴだけではなく、さまざまなデザインのシーンで3Dを取り入れた作品が一気に増加するといわれています。
グラフィックデザインでもFigmaやDimensionCCなどの新しいツールの登場によって、手軽に3Dロゴやアイコンの作成が可能になり、ロゴデザインにもその波が広がっています。
画像出典:LOTUS Design
オリジナルフォント(ワードマーク、ロゴタイプ)
多くのロゴデザインは文字(フォント)とデザイン(図案)によって構成されていますが、2021年に注目されるのは、文字(フォント)のみで表されたロゴ。
もともと企業ロゴの世界では、既存フォントの一部にオリジナルのデザインを加えて、企業の個性を表すことがほとんどです。
2021年に特筆されるのはバラバラのフォントで文字のバランスをあえて崩したり、文字の一部が欠けているなどの斬新なスタイルフォント。
以前なら読みにくくてロゴには不似合いだとされたようなフォントで、あえて作られたオリジナルフォントロゴは今年のトレンドになること間違いないでしょう。
一部が欠けた文字
グラデーション
ロゴデザインのカラーリングにおいて、グラデーションを使用するのは冒険心にあふれる挑戦でした。
しかし2020年から2021年にかけては、3D技術の向上にも影響を受けて、果敢にグラデーションデザインに挑戦する企業がたくさん出現しました。
特徴としては、異なる色調ではなく同系色による穏やかなグラデーションを用いて、奥行きや深みを表しているところです。
ただしグラデーションを使用した際は、カラーがうまく印刷されないケースがあるので、最終的にしっかりと確認する作業が必要になります。
ホワイトスペース
ホワイトスペースやネガティブスペースといわれる、いわゆるロゴデザインの中にある「空白」です。
デザインの世界ではこの「空白」は見た人が自由に、そしてさまざまな想像を呼び起こすスイッチとしてとても愛されている技法。ロゴデザインでも近年、このホワイトスペースを上手に利用した作品が誕生しています。
ただの白い空白を見た人のイマジネーションをかき立てるようなデザインに仕上げていて、どれを見てもとても秀逸ですね。
幾何学的デザイン
これまで続いてきたミニマルで極限まで装飾をそぎ落としてきたロゴのトレンドですが、そこに突如として逆行するような幾何学的なデザインが、ニューノーマルなアート作品として、2021年のトレンドを席巻するのではないかといわれています。
パーツを組み合わせたり離したり、さまざまなアイデアを活かすことができる幾何学的デザインは、クリエイターにとっても思い切ったチャレンジが可能になります。
また多くのメッセージを届けることができるので、制約の多い時代の中ではかえって、幾何学的なものが生き生きとして見えるのかもしれません。
発展型①UI・UXを意識したデザイン
2021年のデザインシーンでは間違いなくUI(ユーザーインターフェース)とUX(ユーザーエクスペリエンス)の要素が必須になるといわれています。
具体的にはUIとはユーザーにとって、優れたデザインであるだけではなく、操作性の高いサービスや視認性の良いサイト、知りたい情報に素早くアクセスできる性能の高さなど、ユーザーにとって「使いやすい」と感じること。
UXはUIを実装したうえで、すべてのサービスや技術によってユーザーが得られる体験のことをいいます。
2021年はUIとUXを意識したロゴが数多く誕生するのではないでしょうか。
画像出典:メルカリ
2018年に発表されたメルカリのリブランディング。フリマアプリとして登場したメルカリですが、急成長した陰で統一されたロゴやコーポレートカラーやフォントがありませんでした。
そこでリブランディングをきっかけに、プロダクトにおけるデザインのルールなどを決めるためのDesign Systemを導入して、メルペイなどすべてのアプリのカラーなどを統一。視認性も確保して、ユーザーにやさしいロゴが完成しました。
またメルカリのように今後強く意識されることは、webよりもアプリやスマホツールとしてのロゴのUXの向上です。
スマホの画面で見たときのロゴの見やすさや操作性などが、重要視されていくと思われます。
発展型②動くアニメーション
TVCMなどの最後にアニメーション化された動く企業のロゴが登場することがあります。
これが今注目の「モーションロゴ=動くロゴ」。
ロゴが動くと静止画に比べてはるかに人の目にとまりやすく、ユーザーに強い印象を与えることができるため、導入を計画する企業が増加しているのです。
例えば任天堂のNintendo Swicthのロゴ。これは一度は見たことがある人が多いのではないでしょうか。
出典:YOUTUBE
Nintendo Swicthには2つのコントローラーがあり、それぞれ2人で使うこともできますし、ふたつを合わせてひとつのコントローラーとしても使用することができます。
モーションロゴでは2つで1つのコントローラーということを表していて、最後の1つに戻る際にカチッという音がするところも、モーションロゴならではの印象的な演出ですね。
まとめ
2021年はさまざまな新しいアイデアによるロゴのデザインが生まれる年になりそうです。
特に注目されるポイントはロゴの使用目的としてのスマホユーザーのUXの追求という点です。小さなモニターに映し出される小さなロゴを、いかに視認性を高めて、ユーザーに負荷をかけないようにするかは、これからのロゴデザインの必須条件となっていくでしょう。
またロゴの3D化やアニメーション化、特に動くロゴ=モーションロゴは、本格的に導入される機会が増えていくと思われます。
ロゴは企業や団体、サービスなどを表すだけのものではなく、いかにしてその理念や技術、便利さなどをユーザーに伝えることができ、ユーザーにとって満足度の高いものにできるかということが、今後のテーマになっていくものと思われます。
2021年もおもしろいロゴがたくさん生まれてきそうですね。