1.はじめに
マーケティングの一環として、または企業の理念を社内外に伝える手段として、多くの企業が掲げるロゴマーク。しかし世の中には、「企業を代表するロゴマーク」という使い方以外にも、さまざまなものにロゴマークが使われています。
その一例として、商品ロゴマークが挙げられます。商品ロゴマークとは、その名の通り、ある商品やシリーズだけにつけられたロゴマークのこと。スーパーに陳列されている商品をよく見てみると、企業のロゴマークとは別に、ある商品またはあるシリーズだけに使われているロゴマークを見たことはありませんが?それがいわゆる商品ロゴマークです。なぜ企業だけでなく、商品ごとにロゴマークが必要なのでしょうか。今回は、商品ロゴマークの効果やその活用事例についてご紹介します。
Point:ロゴマークは企業以外にも、商品やシリーズごとに、効果的に使われている
2.商品ロゴマークの効果とは?
商品ロゴマークも企業ロゴマークも、基本的な役割は変わりません。ロゴマークは文章よりも目につきやすく、また印象に残りやすいもの。企業名は覚えていなくとも、ロゴマークは印象に残っている、という企業というのは、皆さんにも1社や2社はあるでしょう。ロゴマークは企業または商品を、デザインを通して世の中に印象づけるためのツールの一つなのです。
※関連記事:ロゴマークとは何か、改めてじっくり考えてみました。
企業のロゴマークとして使われる場合は、「世の中にどう思われたいか」「将来的にどういう企業にしていきたいか」「ユーザーにどんなサービスを提供していきたいか」などを見るものにイメージさせ、企業としてのブランディングを高める効果がありましたが、商品の場合は、これとは少し異なります。
商品にロゴマークをつけることで、他社商品との差別化を図るだけでなく、自社商品の中でもターゲットユーザーを差別化するという効果や、商品の効果をわかりやすくユーザーに伝えるという効果も持っています。
シャンプーなどがわかりやすい例の一つ。同じ企業から販売されている商品でも、ファミリーをターゲットにしているのか、美意識の高い女性なのか、はたまた抜け毛の気になる男性なのかによって、ブランディング戦略が変わりますよね。こうした商品の差別化を図るために、商品にロゴマークをつけることで、視覚的に差別化を図ることができるのです。
他にも、シリーズ化された商品がどれなのかを明確にユーザーに示したり、プレミア感を出すことで、ユーザーの購買意識を高める効果もあります。
商品ロゴマークは、企業ロゴマーク以上にユーザーの目を集める、商品ブランディングに欠かせないものなのです。
Point:商品ロゴマークは、ターゲットユーザーの差別化を図ったり、商品効果をユーザーにイメージさせることができるなど、さまざまな効果がある
3.商品ロゴマークの活用事例
実際に、どんな商品ロゴマークが活用されているのでしょうか。まずは、先ほど例にも挙げた、シャンプーの商品ロゴマークの事例をご紹介します。
例えば資生堂の女性向けシャンプーを見てみると、商品シリーズごとにロゴマークが作られています。
マシェリは2006年に資生堂から発売された、女性向け高付加価値シャンプーブランドです。
ロゴマークには、上質で洗練された大人の女性をイメージさせるような、黒とゴールドのロゴマークが使われています。
(画像引用元:資生堂 MACHERIE(マシェリ)公式サイト)
一方、同じく資生堂から発売されている女性向けシャンプー「TSUBAKI」は、マシェリと同じ2006年に発売されたヘアケアブランドの一つですが、マシェリとは違い、「日本女性の黒髪の美しさ」や「上質な和」のイメージを強く打ち出している商品です。
ロゴマークが作られているマシェリとは異なり、ロゴタイプで洗練されたイメージを醸し出しています。
(画像引用元:資生堂TSUBAKI(ツバキ)の公式ウェブサイト)
また、花王の洗剤も、シリーズごとにロゴマークが作られています。
1987年以降、ロングセラー商品となっている「アタック」は、洗濯物を白く洗いあげることを重点に置いており、ロゴマークも洗濯物らしい、日光の色や光らしい線が用いられています。一方、一旦製造が中止されたものの、1999年に発売が再開された「ニュービーズ」は、白さだけでなく香りにも重点を置いたアイテム。ビーズという名前らしい丸い形と、香りを連想させる「Fragrance」の文字や色使いなどで、他の洗剤との差別化を図っていることがイメージできます。
(画像引用元:アタック(花王))
(画像引用元:ニュービーズ(花王))
Point:商品を使うことでどういった効果が得られるのか、どんなユーザーに使用して欲しいのかがわかりやすく反映されているのが商品ロゴマーク
4.商品ロゴマーク作成に必要なこと
活用事例を見ると、商品ロゴマーク作成の際には、ターゲットを明確にすること、商品特徴や、商品を使って得られる効果をイメージさせるデザインを採用することが、大きなポイントになるようです。
今回は日用品、そしてヘアケア用品を例に挙げてご紹介しましたが、他の多くの商品でもロゴマークが効果的に使われています。
企業内の商品ブランドの差別化を図るために、そしてターゲットユーザーにより的確にイメージを伝えるために、商品ロゴマークを採用してみてはいかがでしょうか。
5.まとめ
■商品ロゴマークは、ターゲットユーザーの差別化を図ったり、使用後のイメージをユーザーに伝える効果を持っている ■他にもプレミアム感を出したり、購買意欲を高める効果も ■商品ロゴマークを作成する際は、ターゲットを明確にすること、商品特徴や、商品を使って得られる効果をイメージさせるデザインを採用することが、大きなポイントになる |