自社のイメージを伝えるロゴマークを作成する際には、競合他社がどんなロゴマークを作っているかを調べ、「ポジショニングマップ」を作成することが必要です。それによって自社の目指す方向性が確認でき、業界の中での立ち位置を確立することができます。
ここではポジショニングマップの説明や作成の仕方、活用する際のポイントや注意点を紹介します。ロゴマークを作るためだけではなく、起業後の営業活動にも役立つので、ぜひ参考にしてみてください。
ポジショニングマップとは?
ポジショニングマップとは、競合他社と比較しながら自社の差別化を明確にできる、マーケティング戦略に使われる手法の一つです。
縦軸と横軸に相対する二つのキーワードで軸を取り、4つのスペースを作ります。そこに自社と競合他社を入れ込み比較することで、業界でのポジションを確認し、自社の強みを一目で理解することができます。
マーケティング戦略では、ターゲットのニーズを見つけ出し、競合他社との違いを確認しながら、自社の強みを生かすことが必要です。この作業に役立つ手法がポジショニングマップであり、うまく活用することで、優位な立ち位置を見つけることができます。
顧客に選んでもらえる商品やサービスを考え、競合他社にないオリジナリティのある強みを見つけるのにおすすめです。
さまざまなポジショニングマップの作り方
ポジショニングマップで見えてくるものは一つではありません。視点を変えることによって、さまざまなポジショニングマップを作ることができます。ポジショニングマップを作るときのキーワードの選び方を、そのポイントと合わせて紹介します。
・印象で分ける
ロゴマークが与える印象ごとにポジショニングマップを作成する方法です。競合にはどんな印象のロゴマークが多いのか、またユーザーにどんな印象を与えたいかを検討する際に有効です。
例えば軸の一つを「シンプル」だとしたら、その対立軸には「ゴージャス」を設定します。そしてもう一つの軸を「カジュアル」だとしたら、「クラシック」といった対立軸を設定します。
この作業によってできたポジショニングマップに、競合他社のロゴマークを当てはめていきましょう。
ここでポイントになるのは、顧客目線で見た印象によってポジションを決めるということです。「シンプルでクラシックなイメージを受ける」と感じたならば、その通りに当てはめます。
・フォントごとに分ける
同じ文字でもフォントによって大きくイメージが変わります。
「太め」のフォントは力強く、「細め」の場合は繊細なイメージを持ちます。また「斜体」であるか「立体」であるかもイメージが異なるポイントのひとつとなります。。
例えば、縦線と横線の幅が異なる「セリフ」といわれるフォントと、縦線・横線の幅が均等な「サンセリフ」は、印象が異なるフォントとして有名です。。「セリフ」は装飾性があり、格調高く伝統的な雰囲気があり、「サンセリフ」はシンプルで親しみやすくカジュアルな印象を受けます。
・色で分ける
色が人に与える印象もさまざまです。赤みのある「暖色」は、エネルギーを感じさせ、青みのある「寒色」は誠実で冷静なイメージを与えます。
一方、色の明度の高低も、印象に影響を与える要因の一つです。明度の高い色は柔らかい印象を、明度が低い色は重厚さを表現できます。
色から受けるイメージは大きく、会社のイメージを決めることもあります。他社のイメージカラーとかぶらないようにするためにも、ポジショニングマップを作成する必要があります。
・業態で分ける
自社と同じ商品やサービスを扱っていても、業態が異なることもあります。業態というのは売り方で分類されたものです。
「店舗」で提供しているか、「ネット」で販売しているかにも分けられますし、「訪問サービス」なのか「オンラインサービス」なのかといった分け方もできます。
新しい生活様式は顧客のニーズを変化させ、求められる業態も変わっていきます。そのためにも、常に社会へのアンテナを立てておくことが必要でしょう。
ポジショニングマップを作る時の注意点
ポジショニングマップを作るときには、顧客がメリットになるキーワードを軸に設定するよう注意しましょう。
ターゲットとする顧客が、どういったニーズを持っているかを調べ、「高級感がある」「楽しい」「気持ちがよい」「簡単そう」など、ロゴマークを見てどう感じてもらいたいかを軸にします。
自社の強みを軸にしてポジショニングマップを作ることは、競合他社との差別化になり、優位性が持てるのですが、それが消費者のニーズに合っているのかを確認しなければいけません。
あまりにも自社のオリジナリティにこだわりすぎると、顧客が求めているものからかけ離れてしまうことも。ポジショニングマップの軸がそういった軸になっていないか注意します。
また、「価格と品質」のように相関性が高いキーワードも避けてください。これらを軸にしても、「低い価格なら低い品質、高い価格なら高い品質」といった傾向が表れるだけです。軸にするキーワードはできるだけ独立した関係であるものを選びましょう。
まとめ
複数のポジショニングマップを作成すると、多角的な視点からロゴマークを検討することができます。顧客のニーズを調べ、自社は何を求められているかを確認しながら、オリジナリティのあるロゴマークを作りましょう。
しっかりと調査され、イメージを共有して作成されたロゴマークは、見る人に会社のビジョンを伝えることができます。会社の価値を高められるようなロゴマークを作成するためにも、注意点に気を付けながら、ポジショニングマップを活用してみましょう。