会社を起こすためにはいろいろな準備が必要です。会社名を考えたり、名刺も用意する必要があります。
その準備の中で、会社のロゴマークを決めることも重要となってくるでしょう。その際はぜひ、ブランドステートメントも一緒に考えてみることをお勧めします。
ブランドステートメントというのは、その会社のコンセプトや目指したい姿を一言で表したメッセージのことです。
ブランドステートメントが会社にとってどういう意味があるのかをお伝えします。
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ブランドステートメントとは?
ブランドステートメントとは、「ブランドスローガン」とも呼ばれる、会社の存在価値を高めるキャッチコピーのようなものをいいます。ロゴ化されクリエイティブに使用されるものから、文字だけのものまでいろいろなタイプのものがあります。
共通して言えるのは、その会社の企業理念といえるものをわかりやすく簡潔に表現したものだということです。
企業理念は会社が「どのように在るべきか」を示すものであり、社会に何を提供できるかといったことを掲げたものです。それを端的に表現されたものがブランドステートメントといえます。
広告などの宣伝・広報で広く使用されるのはもちろん、名刺に記載されたりパッケージに利用されたりといった、あらゆる営業・販促活動に活用されるものです。さらに、全社員に共有される指針とされ、会社の価値を高めるものでもあります。
ブランドステートメントがロゴマーク作成に必要な理由
ブランドステートメントは、ロゴマークとセットで使われることが多いものです。ロゴマークだけでは伝えきれない会社の思いを届けることができます。そのためロゴマーク作成の際に一緒に作る企業も多いようです。
ロゴマークを作成するときには、「何を伝えたいのか」「何が目的なのか」といった明確な会社のコンセプトをもとに、デザインを仕上げていきます。それと同じく、ブランドステートメントもロゴマークも伝えるべき内容は同じであるといえます。
そのためにはまず、会社のビジョンやミッションを明確にする必要があります。それによってぶれのない経営方針がたてられるからです。
そこが曖昧なまま、なんとなく作られたブランドステートメントの場合、効果が期待できないだけではなく、本来伝えたい会社のイメージも損なうおそれがあります。
もしまだブランドステートメントがない場合は、ロゴと一緒に作ることで、ターゲットに伝える内容を明確にでき、ユーザーにしっかりとした会社のイメージを与えることができるようになります。
ブランドステートメントを作る際に注意すべきこと
ブランドステートメントを作るときに注意すべきポイントは3つにまとめることができます。
1.顧客目線であること
どのような顧客をターゲットとする場合でも、誰にでも伝わるわかりやすい言葉で表現しましょう。
自分の思いを込めすぎ、興味を引いてもらいたいと思うあまりに、難しい言葉やわかりにくい言い回しなどになってしまっては顧客に伝わりません。
2.ターゲットをしっかり定めること
自分の会社の方向性を考えてみましょう。おのずとターゲットが確定するはずです。
どのような客層のお客様に訴えかけていくのか。どのような言葉が伝わりやすいのか。実際に思いを届けたい相手を想定して考えてみましょう。
3.会社のビジョンがイメージしやすいこと
会社のビジョンや目指すものを伝えるものがブランドステートメントです。そのためにも、まずはビジョンを明確にして、会社の考えをしっかりと持つことが大切です。
会社のビジョンはむやみに変わるものではなく、時代によらず普遍であるといえます。けれども、それを表現するブランドステートメントは、会社の規模の変化や社会の変容によって見直しが必要な場合もあります。
実際に大企業といわれるところも、時代の変化や会社の変革によってブランドスローガンを柔軟に変えている事例があります。
参考にしたいブランドステートメント事例
身近な存在であるコンビニエンスストアのブランドステートメントの事例を、3社あげてみましょう。
セブンイレブン
「近くて便利」
セブン‐イレブンが掲げる「近くて便利」、その「近い」はいつでも気軽に頼りにされるこころの近さ。
「便利」とは欲しかったモノが期待以上の品質でお客様の手に届くこと。
日本の暮らしにとけ込んで、新しいおいしさ、うれしさを次々提供していく…
そう!私たちは
近くて便利、セブン‐イレブンです。
まずは、セブン&アイ・ホールディングスの、セブンイレブンです。
「近くて便利」は、コンビニの特徴をシンプルに伝えており、誰にでもわかりやすいブランドステートメントといえます。また、コンビニエンスストアの普遍のビジョンを一言で言い表しており、難しい言葉を使わなくてもよいことが、よくわかる例です。
ファミリーマート
「あなたとコンビにファミリーマート」
私たちが大切にする3つのこと
・地域に寄り添う
・お客さま一人ひとりに
・家族のように
コマーシャルなどでおなじみの、ファミリーマートのブランドステートメントです。
広告・宣伝で最大限に利用され、大人から子どもまで誰もが口ずさめる一言になっています。親しみやすさを感じることができ、営業・販促活動にどのように、活用してけばよいのかが参考になる例です。
ローソン
「マチのほっとステーション」
「圧倒的な美味しさ」「人への優しさ」「地球(マチ)への優しさ」。それが私たちの3つの約束。
皆さまが日頃から感じている社会の課題や、多様に変化する価値観をいち早くキャッチし、イノベーションや商品サービス強化でスピード感をもって応えていくことで、笑顔が集まり、誰もが「ほっ」とできる、「マチのほっとステーション」の実現を目指します。
引用元:https://www.lawson.co.jp/company/ir/library/annual_report/2019/ar01.html
ローソンのブランドステートメントは、もともと「マチのほっとステーション」でしたが、一時期「マチの健康ステーション」になりました。そしてまた「マチのほっとステーション」に戻ったのですが、これも健康志向への意識変化によって変わったものです。
このように、時代の変化によってブランドステートメントを変えていった例は多数あり、固執することなく柔軟に変化していくものであるという例です。
まとめ
会社を起こそうとしたときにはぜひ、ロゴと一緒にブランドステートメントをセットで作ってみてください。
もし会社のビジョンが明確で、ブランドスローガンがすでにあるという場合は、それに則ってロゴマークを作ってみましょう。ロゴマークもブランドスローガンもこれから考えるという場合は、同じイメージで一緒に作ることがお勧めです。
けれどもそれらを自社だけで考えるのは大変です。そういう時は、知識を持っている専門家であるデザイナーに相談すべきです。経験豊富なデザイナーなら、ブランドスローガンの大切さをよく理解しています。会社のビジョンや理念をしっかりヒアリングし、納得いくブランドスローガンを作ってくれるでしょう。
会社の価値を高め、クリエイティブにも活用されるロゴとブランドスローガンをしっかりと考えてみてください。