(画像引用元:コマツ・ロゴタイプ マニュアル)
さまざまな企業・商品のロゴマークの由来やこだわりなどを紹介する「独断!粋なロゴマーク」。
今回は、建築機械メーカーとして世界的に知られる「小松製作所」、通称コマツのロゴタイプを取り上げます!
1.コマツのロゴマークの歴史と由来
社名である「コマツ」の由来は創業の地にあります。現在は東京都に本社をおいているコマツですが、元々は石川県小松市にルーツを持つ企業。1917年に、この地にあった「竹内鉱業」という企業の中の、機械生産部門「小松鉄工所」として生まれた現在のコマツは、1921年に竹内鉱業から独立し、「小松製作所」に社名を変更します。その後、ブルドーザーやトラクターなどの製造を通し、国内の一大企業へと成長していきます。
1950年代からは積極的な海外展開を行っており、2015年5月時点で米国やヨーロッパ、東南アジアなど、世界各国に拠点を持っています。
そんなグローバル企業・コマツのロゴタイプといえば、Tの時に特徴のある下記デザインですよね。
(画像引用元:コマツ・ロゴタイプ マニュアル)
このロゴタイプが作られた1991年にはCIも導入されており、コマツがブランディングに本格的に力を入れはじめた年とも言えます。
変形したTは、グローバルに活躍するコマツの挑戦、そして企業としてのさらなる飛躍を表していると同時に、コマツの強い技術力も表現しています。太めの書体は安心感や信頼感、そして力強さを表現しているそうです。
また「グロリアルブルー」という、コマツ独自の配色を採用しているのもポイント。信頼感や栄光、真摯さを表す青と、高級感や想像力を表す紫を組み合わせ、ロゴタイプを上手く引き立てています。
2.正しくロゴタイプを使用してもらうために
1991年に制定されて以降、20年以上形を変えずに使用されているこのロゴタイプは、今やコマツを代表するシンボルマークとして成長。企業のブランドを代表するのにふさわしいものとなりました。
しかし、長年使用されているからこそ、時には意図しない使われ方をされることもあります。こうした状況を改善するため、2009年には「コマツ・ロゴタイプ マニュアル」、いわゆるロゴガイドラインを作成し、使い方や配色などについての細かな取り決めを公開しています。
企業が有名になればなるほど、ロゴマークやロゴタイプはひとり歩きしてしまいがち。知らない間に、意図しない形で使用されてしまうこともあるかもしれません。
ロゴマークを通して企業が伝えたいメッセージを、できるだけ多くの人に正しく伝えるために、ロゴガイドラインの存在は欠かせません。しかし、どんな内容にすればいいのか、何を定めるべきかというのは、普段デザイン業に携わっていない人にはわかりにくいものです。「コマツ・ロゴタイプ マニュアル」は、必要な情報がしっかりと掲載されている、まさにロゴガイドラインの鏡のような素晴らしい資料に仕上がっていますから、今後ロゴマークやロゴタイプを作成する際にはぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
※参考サイト
コマツ・ロゴタイプ マニュアル