(画像引用元:Mobil by Mike Mozart | Frickr)
さまざまな企業・商品のロゴマークの由来やこだわりなどを紹介する「独断!粋なロゴマーク」。
今回は、赤いペガサスのイラストが特徴的な「Mobil(モービル)」のロゴマークを取り上げます!
1.Mobil(モービル)のロゴマークの歴史と由来
Mobil(モービル)のロゴマークの歴史をたどるためには、その少々ややこしい成り立ちを知っていただく必要があります。
Mobil(モービル)は、米エクソンモービル社が持つ潤滑油ブランドの一つで、Essoやゼネラルなども、このエクソンモービル社が所有する潤滑油ブランドです。
エクソンモービル社は1999年にエクソン社とモービル社という2つの会社が合併してできた会社であり、ペガサスのロゴマークを持っていたのはモービル社でした。
そのモービル社も、実はバキュームオイル社とソコニーという2つの会社が合併してできたもの。当時はどちらもガーゴイル、そしてペガサスのロゴマークを持っていました。
ただし、ソコニーが掲げていたペガサスのロゴマークは今のモービルのそれとは異なり、色は黒色一色、形も若干異なっています。一方、バキュームオイル社が掲げていたロゴマークは、「ガーゴイルモービルオイル」というブランド名通り、赤いガーゴイルが描かれたものでした。
(画像引用元:アメリカ雑貨通販キャンディタワー)
1931年、両社は合併し、ソコニー・バキューム社となります。この時に生まれたのが、今のMobilのロゴマークの原型となる、赤いペガサスのロゴマークです。
(画像引用元:JIM BURROW (ジムバロウ))
画像には「Mobilgas」と書かれていますが、「Mobiloil」と書かれたものもありました。
その後、1966年には社名を「モービル・オイル」に変更し、現在のロゴマークが生まれることとなります。
(画像引用元:Mobil by Mike Mozart | Frickr)
ロゴマークにペガサスを選んだのは、ペガサス自体が力とスピードの象徴だったからという意見が一般的なようです。
2.ガーゴイルはどこに生きている?
Mobil(モービル)のロゴマークの流れを追うと、どうしても気になるのが、あのインパクトの強いガーゴイルロゴマークです。
1931年のバキュームオイル社とソコニーとの合併から、ロゴマークにその姿を見せることはありませんでした。
ガーゴイルマークが採用されなかった詳細な理由については分かっていませんが、合併時にそれぞれのロゴマークから一部を取り出し、合併後のロゴマークをつくったフシが見受けられます。ソコニーからはペガサスのイラストを、そしてバキュームオイル社からは「Mobiloil」というロゴタイプが採用されており、ガーゴイルロゴマークの歴史はここで幕引きされているようです。
合併して新たな道を歩みソコニー・バキューム社にとっては、ガーゴイルよりもペガサスのほうが会社のイメージに合っていると判断されたのでしょう。
どれだけ考えに考え抜いたロゴマークも、場合によってはガーゴイルロゴマークのように、消えゆくこともあります。
それならロゴマークを一生懸命考えるのは、時間的にもったいないのでは?と思われるかもしれませんが、それは大きな間違い。
事実、ガーゴイルロゴマークは一部のファンに今でも愛され続けています。
ロゴマークの歴史は企業の歴史。ロゴマークを新しいものに刷新するときには、それなりの理由が必要です。GAPのように新しいロゴマークが受け入れられない事例もありますから、ロゴマークを大幅に変更する場合は、十分考慮した上で刷新することをおすすめします。
※参考サイト
※参考書籍
ロゴライフ 有名ロゴ100の変遷(著:ロン・ファン・デル・フルーフト)