企業ロゴがリデザインやリニューアルするケースは数多くありますが、季節やイベントによってロゴを一時的に変更している企業があることをご存じでしょうか。
今回は、6月によくみられる「レインボーロゴ」についてご紹介します。ロゴマーク作成のポイントを探りながら、企業が6月にレインボーロゴを用いる理由に触れるとともに、共感したらぜひ活動にも参加してみてください。
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どうして6月にレインボーロゴを使うの?
LGBT+の活動の象徴として知られる「レインボーフラッグ」。これを作ったのが、美術家のギルバート・ベイカー氏です。
ギルバート・ベイカーの誕生月である6月は、1969年6月28日にアメリカ・ニューヨークのゲイバー「ストーンウォール・イン」に警官が踏み込み、性的少数者たちが警官に反撃を加えた「ストーンウォールの反乱」が起きた月でもあります。この反乱は3日間続き、ゲイ解放運動が盛り上がる大きなきっかけとなりました。
ストーンウォールの反乱を記念し、6月はLGBT+の「Pride Month(プライド月間)」になりました。つまり、レインボーロゴは、LGBT+の象徴であるレインボーフラッグからきており、LGBT+への理解やサポートを示すものなのです。
参考:GQ Japan『LGBTQ+を読みとく vol.1 | なぜ6月は「プライド月間」と呼ばれるのか?──』
各企業のレインボーロゴ
それでは実際に、各企業のレインボーロゴをみていきましょう。
GAP
画像引用元:ap Japan公式ニュース「今年もレインボーロゴとともにLGBTへのサポートを表明」
GAPはレインボーロゴを掲げながら、自社のホームページの中で、セクシュアル・マイノリティへのサポートを表明しています。カスタマー、そして従業員の個性と多様性を尊重する姿勢を示すだけではなく、ダイバーシティに対し公平かつ平等であることを掲げているのです。
さらに顧客だけではなく従業員に対しても、「公正さと尊厳、そして敬意を持って接することは、ブランドのコアバリューのひとつです」と明記しています。
また、実際に各団体とのパートナーシップを通じてLGBTコミュニティへのサポートを実施していることにも触れています。
GAPのレインボーロゴ
GAPのレインボーロゴは、企業名のロゴの色を変えるのではなく、背景色をレインボーカラーにしたものです。7色は水彩絵の具で塗られたように濃淡があり、画一的ではありません。
同じ色で塗りつぶされるのではなく、同じ色であっても濃淡があることで、多様性を示しているのは素敵ですね。
参考:Gap Japan公式ニュース「今年もレインボーロゴとともにLGBTへのサポートを表明」
楽天
画像引用元:楽天グループ株式会社「Walk Together with Pride」
楽天では、公式ホームページの「ダイバーシティ」のなかで、LGBT従業員のサポートを明文化しています。社内規定上の配偶者の定義を改定して、日本の法律婚だけではなく同性パートナーも配偶者とし、福利厚生の用範囲を拡大しています。
さらに、LGBT+ネットワークと連携を行い、社内の当事者や理解者のために情報共有やサポート体制を提供するなど多彩な活動に取り組んでいます。そのうえで、2021年にはLGBTQ+に関する理解促進を目的として「Walk Together with Pride」を実施しています。
楽天のレインボーロゴ
楽天のレインボーロゴは、企業ロゴにレインボーカラーを加えたタイプです。しかし、ロゴを見てわかるように、楽天もGAP同様に単一色ではなく多彩な色を使っています。
色んな色が混ざり合う様子は、まさにダイバーシティを体現しているといえます。
参考:楽天グループ株式会社「Walk Together with Pride」
おわりに
ダイバーシティへの取り組みは、多彩な企業で行われているものの、目にする機会が少ないという方も多いかもしれません。しかし、企業がマイノリティーへの支持を明確に打ち出し、多様性を認める役割を担うと表明することで、少しずつ熱が広がっていくことでしょう。
コーポレートサイトに記載するだけではなく、レインボーロゴを用いることで、より明確にアピールをすることができます。興味をお持ちの方はぜひ、レインボーカラーを用いたロゴを作成し、LGBT+プライド月間に参加してみてはいかがでしょうか。