日本ではニワトリというと、小学校で飼育していて子供たちが餌やりなどで面倒を見ていたり、あるいはお祭の出店で販売されているヒヨコを買ったことがある大人たちもいるかもしれません。
または食用のイメージでしょうか。
一方「雄鶏」と言うと海外では高貴なものや、威勢のよさから戦いの準備や覚悟ができている様子などとされ、日本とはだいぶ違ったイメージがあるようです(もちろん食用のニワトリもいますが)。
特にフランスのシンボルは雄鶏です。
これはフランス人の起源がガリア人とされ、つづりが雄鶏とまったく同じ「Gallus」というラテン語から来ているそうです。
そんなフランスと深い関わりのある出版社・白水社のロゴマークも雄鶏です。
以前そんな意味があったのか!と唸る出版社のロゴ2選をご紹介いたしましたが、今回はリニューアルされた白水社のロゴマークについてご紹介致します。
大正時代から日本に多くのフランス文学を紹介し続けている白水社
1914年(大正4年)に創業した白水社。
社名は「白水は崑崙の山に出で、これを飲めば死せず」という中国の伝説・神泉からとったものだそうです。
1921年に刊行した「模範仏和大辞典」で、フランス政府から「レジオンドヌール勲章」を授与され、本格的にフランス文学を紹介する事業を展開し始めます。
ところが関東大震災で社屋などすべてが灰となり、1925年に新社屋へ移転し雑誌「ラ・スムーズ」(後の「ふらんす」)を創刊しました。
一方で海外文芸書の出版も本格的に開始し、第一弾はコクトーの「恐るべき子供たち」でした。その後もルナールの「にんじん」などがスマッシュヒット。
1950年代には「新劇」を創刊し、後に新潮社の岸田演劇賞を吸収して「新劇」岸田戯曲賞として主催。これは1970年代に「岸田国士戯曲賞」と改名されます。
繊細なタッチだった旧ロゴから大胆に現代風にリアレンジされた雄鶏のロゴマーク
画像提供元:白水社
こちらは白水社の創業100周年を記念して2015年に新たに作られたロゴマークです。
デザインは刈谷悠三さんです。ちょうど100周年の年には、このロゴマークの下に同じフォントの100という文字が入ったものも使用していました。
また、白水社と言えばニワトリ=雄鶏と言う人もいるほど、実は以前のロゴマークにも雄鶏が登場していたんです。
それがこちらです。
画像引用元:東方書店東京支店(神田神保町)ツイッター
非常に写実的な雄鶏のロゴマーク。
長い年月愛用されてきたこのロゴマークを、創業100周年を記念して、現代的なデザイン性の高い雄鶏のロゴマークにリニューアル。
旧ロゴもとても味があってステキですね。
同じモチーフでもデザインによってこんなに変わっちゃうんですね。
1世紀もの間、日本国内に海外の文学を紹介し続けてきた白水社ですが、これからは本格的なグローバル時代ですから、白水社の書籍とともに、新しいロゴマークもますます注目されます。
参考サイト
白水社
白水社百年の歩み出版物総目録
白水社ツイッター
東方書店東京支店(神田神保町)ツイッター