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消費者に愛されなかったロゴマーク | GAP(ギャップ)

0116GAPロゴマーク

(画像引用元:Wikipedia

さまざまな企業・商品のロゴマークの由来やこだわりなどを紹介する「独断!粋なロゴマーク」。
今回は、今や世界的なアパレルブランドとして知られる「GAP(ギャップ)」のロゴマークについて取り上げます!

1.GAP(ギャップ)のロゴマークの歴史と由来

ギャップが米国で誕生したのは1969年のこと。創業当初からロゴマークはありましたが、今とはフォントも形も異なりました。GAPといえば、紺色の四角形をイメージされる方も多いと思いますが、創業当時はこの図形がなく、代わりに「the」の文字が入っていました。また、文字も大文字ではなく小文字が使われており、今のGAPのロゴマークを知る人が見ると、一瞬それとは気づかないかもしれません。

紺色の四角形が登場するのは、創業から15年後の1984年。フォントが変わり、小文字から大文字に変化、「the」の文字もなくなり、シンプルかつ洗練されたイメージへと変身します。

0116GAPロゴマーク
(画像引用元:Wikipedia

このGAPのロゴマークは世界中に浸透し、人々の中に「GAPといえば紺色の四角形」という認識が生まれることとなります。これはロゴマークの標準化という意味では、素晴らしい成功事例の一つだといえるでしょう。

2.わずか数日の命だった「幻のGAPロゴマーク」

しかし、GAPのロゴマークの歴史は、その後奇妙な道をたどります。紺色の四角形ロゴマークが生まれた26年後の2010年、GAPは新たなロゴマークを発表します。それが以下のロゴマークです。

0116GAP旧ロゴマーク
(画像引用元:BBC News

GAPのロゴマークの象徴だった紺色の四角形はなりを潜め、Spire Regularだったフォントは太めのHelveticaへと変化しました。ここから新たなGAPがスタート…となるはずでしたが、それを許さない存在がいたのです。他でもない、GAPファンたちでした。
GAPファンから総スカンを食らった新ロゴマークは、なんと発表からたった数日で、旧ロゴマークにバトンを渡すことになりました。

このロゴマークを今回はじめて見るという方もいらっしゃると思います。実は切り替わった当初、ロゴマークの切り替えは米国店舗から順次行われていたため、このニュースは日本ではあまり知られていませんでした。裏を返せば、それほど短命だったということにもなります。

人々に浸透したロゴマークが新しいものに切り変わる際、ユーザーから否定的な声が挙がるというのは、特段珍しいことではありません。しかし、その声を受けてわずか数日で以前のロゴマークに変わるというのは前代未聞。GAPはロゴマークの歴史上、特出すべき成功事例を出しただけでなく、奇妙な失敗事例をも輩出した企業となってしまったのです。

ロゴマークは企業の思いや提供したいサービスなどを抽象化したもの。これまで人々に愛されてきたロゴマークを変更する場合は、たとえそこに企業としての意義があったとしても、それなりの理由と覚悟が必要だということなのかもしれません。

※参考書籍
ロゴライフ 有名ロゴ100の変遷(著:ロン・ファン・デル・フルーフト)

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