(画像引用元:Hong Kong Umbrella Revolution(Pasu Au Yeung | Flickr))
さまざまな企業・商品のロゴマークの由来やこだわりなどを紹介する「独断!粋なロゴマーク」。
今回は、世界的スポーツブランドとして名高い「NIKE(ナイキ)」のロゴマークを取り上げます!
1.NIKE(ナイキ)のロゴマークの歴史と由来
今ではオリジナルアイテムの販売が主流となっているNIKEですが、1964年の創業当時は、なんとアシックス(当時はオニツカタイガーと言いました)のシューズを輸入販売するスポーツ用品販売店の一つに過ぎませんでした。その後、自社開発でスポーツシューズの製造・販売を始めると同時に、NIKEブランドを立ち上げます。
NIKEというブランド名の由来は、当時社員の1人だったジェフ・ジョンソンの夢に出てきた勝利の女神「ニーケ」が由来となっています。今ではNIKEのロゴマークとして揺るぎない地位を築いている「スウィッシュ」というロゴマークもまた、この夢の影響を大いに受けています。
「スウィッシュ」はニーケの翼をモチーフにしているだけでなく、スポーツには欠かせない躍動感やスピード感などを表すロゴマークとして作られました。
2.時間を掛けて「愛されるロゴマーク」に成長したNIKE(ナイキ)のロゴマーク
「勝利の女神」「躍動感」「スピード感」という、スポーツ用品メーカーのロゴマークとしてメッセージ性の高いロゴマークを提案されたにもかかわらず、創業者の一人であるフィル・ナイトは、簡単にはこのロゴマークにOKを出しませんでした。それは、彼のビジネスに掛ける思いの強さもあったのでしょう。
最終的に「スウィッシュ」にOKが出たのは、シューズの生産に間に合うギリギリのタイミング。実は、フィル・ナイトは「スウィッシュ」が出来上がった当初、心から「このロゴマークは当社にピッタリだ!」とは思っておらず、生産に間に合わせるために仕方なく「スウィッシュ」を採用したのでした。
その時彼は「いずれ好きになるだろう」という言葉を残していますが、その言葉は長い年月を経て現実のものとなりました。2014年現在、NIKEは世界的なスポーツ用品ブランドとして歴史にその名を刻んでおり、今や世界中の多くの方がNIKEのロゴマークに愛着を感じています。
1995年以降、NIKEのロゴマークからは「NIKE」の文字が消え、「スウィッシュ」だけが残っています。節目とともにロゴマークを変えることも一つの方法ですが、愛されるまで一つのロゴマークを長く使い続けることも、大切だと感じる事例ではないでしょうか。
※参考書籍
ロゴライフ 有名ロゴ100の変遷(著:ロン・ファン・デル・フルーフト)