(画像引用元:文化庁)
世界中のロゴマークに関するニュースを特集する「ロゴマーク最新情報!」。
今回は、日本遺産のロゴマークが決定したというニュースをご紹介します。
世界遺産と勘違いしてしまいそうな名前ですが、日本遺産は日本の文化庁が認定するもので、正式名称は「日本遺産魅力発信推進事業」といいます。有形・無形にかかわらず、日本各地に点在する文化財を、ストーリーを作ることでパッケージ化し、「面」で押し出すことによって、これまでよりも強く日本を世界にアピールするのが主な狙いとなっています。
日本遺産が認定されるのは、2015年度の今回が初めてで、群馬県の「近世日本の教育遺産群-学ぶ心・礼節の本源」や『「信長公のおもてなし」が息づく戦国城下町・岐阜』など、全18件が認定されています。
そんな日本遺産のロゴマークがこちら。
(画像引用元:文化庁)
日本を象徴する日の丸の下には、格子状のデザインが施されています。実はこの部分には「Japan Heritage(日本遺産)」と書かれており、点在する日本の文化遺産が、ストーリーによって線でつながり、さらに面となってその魅力を世界へ伝えていく、という意味が込められているそうです。まさに日本遺産が理想とする「面で日本をアピールする」という意図にぴったりのロゴマークではないでしょうか。
線が入り組み、繊細に文字を形作っているというところも、日本の繊細な文化を象徴しているように見えます。
ちなみにこちらのロゴデザインを担当したのは、グラフィックデザイナーの佐藤卓氏。ロッテキシリトールガムのパッケージデザインや、NHK Eテレの「にほんごであそぼ」のアートディレクション、「全国高等学校野球選手権大会」の大会エンブレムなどを手がけていらっしゃる方です。
このロゴマークは今後、日本遺産を紹介するパンフレットなどに掲載され、日本遺産とともに、世界に日本の文化を広く伝えるためのツールとして活用される予定です。
面で押し出す、というのはよく云われることですが、それをいざロゴマークで表そうとすると、内容が抽象的なので、どういうデザインがいいのか迷ってしまいそうです。そんな時にはこのロゴマークを思い出し、どんなデザインならロゴマークを作る人々の意図を捉えられるか、考えてみてもいいかもしれません。