ウクライナへの軍事侵攻や安倍元首相銃殺事件、新型コロナウィルスに振り回され、旅行や外食も制限される中、円安による倒産も相次いだ2022年。企業が存続するということが、いかに難しいかを感じた1年でもありました。そんな不況などの苦難を乗り越え、2023年に全国で周年記念を迎える企業は50周年は2万8476社、100周年だと2649社、100年超になると4万2966社もあるんです。業歴が1000年を超える企業も7社あるということで、その歴史に圧倒されてしまいます。さて、そんな中で今回は2023年に周年記念を迎える企業の周年記念ロゴマークにについてピックアップしていきたいと思います。
参考サイト:東京商工リサーチ
東京都水道局
画像引用元:東京都水道局
いつも我々がお世話になっている水道局(東京)も125周年を迎えます。東京水道局は1898 年に淀橋浄水場から給水を開始しました。「125th」文字の背景には流動的な水流をデザインしたような2つのラインと先端の球体のマークは水滴を表しているようにも見えます。青のカラーが水をイメージしたデザインで横長の四角い図柄は『水道の魅力や水の大切さを世界に発信していくことを狙うデザイン』だそうです。ステッカーにも映えるようなロゴマークですね。
大成建設グループ
画像引用元:大成建設グループ150周年特設サイト
150周年を迎える大成建設グループは日本で初めての会社組織による建設業法人を作った企業であります。今では数多の企業が参入する建設業界ですが、1887年に大倉組商会の土木建築部門をもとに作られた「有限責任日本土木会社」が日本初の建設業法人でした。こちらが大成建設の前身であり、大成建設グループは建設業の他にも電力事業、毛織物業、ビール醸造業、製材・製紙業、ホテル業、教育事業などなど数多くの事業を手掛けています。有名な建造物としては明治の社交場とされた「鹿鳴館」や「帝国ホテル初代本館」、最近だと「新旧国立競技場」の建設にも設計・施工で携わっています。
150周年記念のロゴマークは社員から公募し、190作品の名からアンケートによって決定したロゴマークになります。大成建設の前身である大倉組の社章であった「五階菱」をモチーフとしたデザインで、150thの文字を建物に見立て、上空から斜めに見下ろしたように作られる図法「鳥瞰図」のようなイメージでシンボリックに描かれています。「五階菱」をモチーフとしたロゴマークには『先人たちへの努力・功績への敬意、事業への情熱、大成建設グループの発展への願い』が込められているそうです。大切にしている社章のデザインを取り入れたり、業種である建築に関わる鳥瞰図の技法を取り入れたロゴマークからは自社愛が存分に伝わってきます。
壽屋
画像引用元:壽屋
70周年を迎えるのは年商約100億円ともいわれるグローバルな企業である壽屋。1947年に立川市でおもちゃ屋さんからスタートし、1953年に法人化されました。現在ではプラモデルやフィギャア等の製造もされています。日本のアニメは世界にも絶大な人気がありますので年商100億と聞いても納得です。70周年記念のロゴマークは社内デザイナーによるコンペで決められたそうです。シンプルな70の文字にserif体で書かれたKOTOBUKIYAの文字が美しいデザインですね。カラフルなグラデーションからは「挑戦」や「多様性」「未来」のメッセージが感じられるロゴマークです。
制作者の方は『創立70周年を機に「これまでとは違うことにトライする。できる。」という、さらなる未来へ挑戦する壽屋の想いを、シックな印象で表現。「70」の数字は“固定概念にとらわれない多様性と柔軟さ”を象徴するグラデーションで表現し、様々な困難を乗り越え培ってきた「コトブキヤらしさ」をさらに発展し、変化を恐れず前進する決意が込められています。』と述べられています。
大森機械工業株式会社
画像引用元:大森機械工業
大森機械工業は包装用機械の製造・販売をしている会社で2022年で75周年を迎えます。ロゴマークの中に配置された「Thanks to all」の文字には、これまでの感謝の気持ちが込められています。75の数字を囲む輪はOMORIの頭文字「O」からくるものだそうです。75の数字が「O」の文字をくぐり抜けていくイメージは、企業が新たなステージへと突き進んでいく姿を現したもので、さらなる進化と発展への決意が込められた力強いデザインです。また、「O」のかたちは輪の形でもあり「永遠」や「循環」という意味も併せ持っているロゴマークです。ピンクの部分が3本のラインとなっているのも、「過去」「現在」「未来」などの「道」をイメージしているのかもしれません。コーポレートカラーのブルーとピンクのカラーを組み合わせた、温もりの感じられるロゴマークに仕上がっていますね。
パーソナルテンプスタッフ
画像引用元:PRTIME
50周年の節目を迎えるのは人材派遣やアウトソージング事業を手掛ける総合人材サービスのパーソルテンプスタッフです。社員投票によって決められたロゴマークはカラフルなパステルカラーの優しく、柔らかい印象のデザインです。こちらは長野オリンピックのロゴマークも手掛けられた、クリエイティブディレクター篠塚正典氏がデザインされたもので昨今、加速する多様性を支援するパーソルテンプスタッフの想いが表現されているそうです。無数の輪が集まり「50」を形成しているデザインが一人ひとりの多様な働き方・生き方を応援するパーソナルテンプスタッフの想いを象徴するもので、多様な価値観を持つ人々を表現した無数の輪と社会が結びつくことで、その人の価値を生かす明るい未来社会を創造していく姿を表現。カラフルなレインボーカラーには多様性と可能性の意味も込められているそうです。輪には「繋がり」や「縁」を象徴する意味合いもあるので人と社会を繋ぐ企業にピッタリの周年記念ロゴマークですね。
大同舗装
画像引用元:大同舗装50周年特設サイト
1960年に岩田建設株式会社の道路部としてスタートし、1973年に設立された大同舗道株式会社も50周年を迎える企業の1つです。創業以来舗装事業を通して公共工事はもちろん、民間工事にも携わってきた企業です。50の文字の横棒の部分に既存のロゴマークを繋げた、ロゴマーク+周年記念ロゴマークの一体化したデザインです。長さを増した横棒は大同舗道が携わってきた道路にも見えてくきます。長きに渡り地域の暮らしづくりや環境づくりに貢献してきた大同舗道ならではの周年記念ロゴマークと言えるでしょう。カラーはコーポレートカラーと同じブルーを使用することで統一感のあるロゴマークに仕上がっていますね。
日本電産株式会(ニデック株式会社)
画像引用元:日本電産株式会社
1973年の創業で50周年となる日本電産株式会社は世界中にグループ企業約300社を擁する、世界No.1の総合モーターメーカーです。50周年を迎えるにあたり2023年4月1日より社名も「ニデック株式会社」へ変更となるそうです。周年記念の節目にリブランディングやロゴマークを変更している企業はよく見かけますが、社名自体を変更なさる会社は少ないかもしれませんね。こちらはグローバルグループ一体経営を更に進化させるためのようで、新たなロゴマークはベーシックなデザインで50年間の信頼を表し、縦の揃ったラインが正確無比な技術力を表現しているとのことです。
周年記念ロゴマークについては、コーポレートカラーの緑で描かれた大きな「50」の文字が印象的なデザインです。5と0の文字の重なりは社員同士の腕組をイメージしており、グループシナジーの創出、ひいては“One Nidec”の希求を表現しているそうです。数字の重なりの部分にグラデーションの効果を用いて前後の立体感が出ている事で高級感がの感じられる上品なロゴマークに仕上がっていますね。
まとめ
それぞれの企業の特色やカラーを活かした、周年記念のロゴマークは見応えがありました。同じ数字のロゴマークでも、アピールしたい内容や業種によっても違いが出てくるからロゴマークは面白いですね。周年記念のロゴマークにお悩みのみなさまは是非参考になさって下さい。
他にも過去記事「2022年に50周年を迎えた企業の周年記念ロゴマーク」や「2022年に100周年を迎えた企業の周年記念ロゴ5選」で周年記念に関するロゴマークをご紹介しておりますので、是非そちらもご覧になってみて下さい。FS