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パクリの線引は?「札幌国際芸術祭2014」ロゴマークパクリ疑惑

パクリの線引は?「札幌国際芸術祭2014」ロゴマークパクリ疑惑

(画像引用元:札幌国際芸術祭2014

世界中のロゴマークに関するニュースを特集する「ロゴマーク最新情報!」。
今回は、いわゆる「パクリ」疑惑に関するニュースから、「パクリ」とは一体何なのかを考えていきます。

このニュースは2014年10月22日に夕刊フジから発信されたもので、2014年7月から9月まで札幌で行われていた「札幌国際芸術祭2014」のロゴマークが、とある製薬・ヘルスケアメーカーが販売している美容液のロゴマークにそっくりだという内容でした。
発見者は美容液を販売していたメーカーではなく、たまたまロゴマークを見たという一般市民でした。このロゴマークは公募で決まったそうですが、選考の段階では誰もその事実に気づかなかったということです。
実際にロゴマークを作成した本人も、美容液のロゴマークはおろか、その商品についても知らなかったとコメントしています。メーカー側も「判断できないのでコメントできない」と回答しているとのこと。

2014年12月現在、このロゴマークは今も「札幌国際芸術祭2014」のロゴマークとして使用されているので、おそらくは「パクリ」という扱いではなく、たまたま似たもの、という認識で使用していると見られます。

インターネットによって、今や知らない土地のストリートスナップすらも見ることができる昨今。ロゴマークだけでなく、音楽や文章においても、盗作や剽窃といった、いわゆる「パクリ」が起こったり、疑われることが多くなりました。
「パクリ」とは、一般的に「盗作」や「剽窃」と置き換えることができます。これらをgoo辞書の国語辞典で調べてみると、以下のように表示されます。

盗撮 ー 他人の作品の全部または一部を、そのまま自分のものとして無断で使うこと。また、その作品。

剽窃 ー 他人の作品や論文を盗んで、自分のものとして発表すること。

(引用元:goo辞書

どちらも「故意的に」「相手に隠して利用している」というところが共通しています。
オマージュやパロディとは異なり、元の制作者に許可を得ないで、あたかも自分のもののように発表することが「パクリ」に当たるようです。

ちなみに、アイデアについては著作権とは認められていません。そのため、たとえアイデアの内容が明文化されていても、それを利用することは厳密には「パクリ」とは言えません(ただし、どこまでがアイデアに当たるかという線引も、これまたガイドラインがなく、難しいところなのですが…)。

話を戻しますが、今回の事例のように、ロゴマークがたまたま似てしまった…ということは、例え故意であろうとなかろうと、つらいものですよね。もちろん故意でのパクリは許されるものではありませんし、後々大きな問題に発展する可能性もありますから、選定する側もしっかりとチェックする必要がありますが、チェックにも限界があります。世界中に存在する全てのロゴマークを一つ一つ探してチェックする…なんてことは現実的ではありません。

ロゴマークのパクリ疑惑を避けるためには、ロゴマーク作成・選定の際に、万全を期してチェックを行うこと。それでも万一パクリ疑惑が出てしまった場合は、制作者とパクられたとみられる企業からの話を聞いた上で、弁護士などを交えて対応を考慮するほうがよいでしょう。

※参考記事
坂本龍一氏が選考のロゴにパクリ疑惑 作者男性「見たことない」 札幌国際芸術祭
※参考文献
インターネットビジネスの著作権とルール(著作権情報センター/福井 健策(編・著)、池村 聡、杉本 誠司、増田 雅史(著))

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