画像引用元:TIGERヒストリー
オフィスや学校、スポーツ、アウトドアなどでも大活躍のマイボトル。節約やエコを意識した今では当たり前のアイテムとなりましたよね。デザイン性や機能も年々進化しているマイボトルですが、魔法瓶や水筒という名でも呼ばれています。今回は、誰もが知っているタイガー魔法瓶のロゴマークについてのご紹介です。
タイガーの歴史
画像引用元:タイガーヒストリー (1978年本社社屋増築(第3号館)工事完成)
1923年に創業者である菊池武範によって、虎印魔法瓶製造卸菊池製作所が創設されたのがタイガー魔法瓶のはじまりで日本国内に向けて「虎」が目印の魔法瓶の製造・販売が開始されました。当時はまだ高級品で壊れやすかった魔法瓶を日常のものとして一般の家庭に広めていったと言えるでしょう。
タイガー魔法瓶が有名なエピソードの1つとしてあげられるのが、マグニチュード7.9の関東大震災の際に商店に保管されていたいくつもの魔法瓶の大部分が壊れている中、虎印の魔法瓶100本すべて無傷で残っており災害時でも1本も壊れることがなかったという事実から東京中から注文が殺到するようになり市場の85%を占めるまでの急成長しました。
1930年には病の床にありながらも、販路開拓のために台湾と満州へ海外進出を果たし大成功をおさめます。その後卓上ポットや「タイガー炊飯ジャー♪炊きたて♪」のうたでもおなじみ炊飯ジャーなどの製造販売を行いタイガーブランドとしての確固たる地位を築きました。
タイガーのロゴマークと由来
タイガーといえば可愛らしいロゴマークの印象ですが、実は初代のロゴマークはとっても迫力のある虎さんでした。虎印になったのは2つ理由があり、1つめは創業者の父が寅年生まれであったこと。2つめは創業当時壊れやすいと思われていた魔法瓶のイメージを払拭するためであったそうです。また、世界展開において最強を目指すためにアジアで最強の動物である「虎」をモチーフにしたと言われています。そんな理由で初代のロゴマークはかわいいというよりも強さの感じられるこちらのデザインでした。
画像引用元:タイガーヒストリー
今と比べると、かなりリアルで目力のある虎さんが迫力満点なデザインですよね。確かに強そう、壊れなさそう。無敵というイメージに結び付きそうなロゴマークです。この創業時のロゴマークから商標は登録されていたようで、現在に比べて知的財産に関する知識や意識が高くない時代にブランドを保護するという意識を持たれていたのはすごいですよね。
画像引用元:日本弁理士会関西会「タイガー魔法瓶株式会社 会社ロゴマーク」
そして1951年の2代目となるロゴマークの虎はよりリアルさを強調するような、強さと迫力がパワーアップしたようなデザインとなりました。こちらの制作時には、菊池氏がトラのヒゲの本数や角度まで画家さんに注文したとのことで相当なこだわりがあったようです。こだわっているだけあって、ひげに躍動感があって猛々しさを感じます。
画像引用元:日本弁理士会関西会「タイガー魔法瓶株式会社 会社ロゴマーク」
1961年の3代目のロゴマークから、リアルだった虎のデザインがイラスト調へと変化していくのですが、これは広告の中心がテレビCMに移行していったためだそうです。テレビCMなどの広告ではリアルな虎はあまりフィットしなくなり、よりシンプルにすることで認識性を高め、宣伝効果を高める狙いがありました。
1983年の5代目のロゴマークは、もう私達にもおなじみのロゴマークですよね。こちらのロゴマークは創立60周年を記念してCI(コーポレート・アイデンティティ)を確立することになり、その一環としてロゴマークも新しくなりました。その結果、老若男女に愛される非常に可愛らしいトラのマークとなりました。創業者の菊池氏がこだわっていたとされたヒゲも1本もなくなりましたね。かなり振り幅のあるデザインの変更でしたが、製品のターゲット層が女性であることが明確になっており、可愛らしいデザインである方が効果が高いというマーケティング結果にも基づいたものであるそうです。さすがタイガーさん、可愛いだけじゃないんですね。
ロゴマークを使ったSNS戦略「LOVE TIGER COLLECTION」
タイガーさんでは2018年10月にファッションブランド「LOVE TIGER COLLECTION」を発表しており、タイガーのロゴマークをモチーフにしたファッションアイテムがSNSを中心に注目を集めました。
画像引用元:MERY
画像引用元:lexus NEWS
画像引用元:lexus NEWS
画像引用元:lexus NEWS
ロゴマークを様々なアイテムとして展開することによって、幅広いターゲット層にタイガーというブランドをアピールしています。タイガー魔法瓶のロゴマークであるタイガーフェイスの入ったグッズが身近にあることで、認知度をより高め、幅広い世代に親しまれるブランドへと成長していく狙いがあるようです。ソリューショングループ広報宣伝チームの山本真梨子氏によると「若年層に向けた訴求として、脱プラスチックやサステナブルへの意識の高まりに応じることに加え、ファッションアイテムとしての可能性を見出した」とのことでした。様々な側面からロゴマークをうまく活用した例の一つとして、みなさんも参考にしてみてはいかがでしょうか。FS
参考サイト:
タイガーヒストリー
LEXUS NEWS