1.はじめに
小売業のリアル店舗売上が苦戦する中で、文字通りうなぎのぼりで市場が拡大しているEC市場。2014年に経済産業省が発表した「電子商取引に関する市場調査」によると、2013年のEC市場はBtoCだけで11兆1660億円、前年比なんと17.4%増という、驚くべき勢いで成長を遂げています。さらにBtoBやCtoC、CtoBの取引額を加えれば、その額はさらに驚くべき値になるでしょう。
今後ますます成長が期待されている一方、インターネット上には今や数えきれないほどのECサイトが存在しており、ただ商品を提供するだけでは、生き残れない時代になっています。
そんな時に注目したいのが、ロゴマークの存在です。ECサイトにとって、デザインはサービス同様に大事な要素。「デザインが好き」という理由でサイト内を回遊するユーザーは少なくありません。せっかくなら素敵なサイトデザインにあったロゴマークを作ることで、競合と差別化を図りませんか?
そこで今回は、ECサイトのロゴマークの傾向と、参考事例を2点ご紹介します。
Point:ECサイトでは差別化を図る上でデザインがとても大切
2.ECサイトはロゴマークよりロゴタイプ?
今回ECサイトのロゴマークを調査するにあたっては、ECサイトでしか使用されていないもの、またはECサイトが発祥になっているもののみをカウントしました。
さまざまなECサイトを見ていて気づくのが、ロゴタイプに力を入れているところが多いという点です。
筆者が50社調べた結果、およそ8割程度のECサイトが、ロゴタイプのみ、もしくは店舗名やその頭文字をもじったロゴマークを採用していました。
特に、日本のECサイトではこのような傾向が強く見られます。
一方、海外のECサイトに目を向けると、ロゴタイプとは別にロゴマークを作っているところも多く見られました。日本のEC市場は海外よりも数年遅れていると言われていますから、今後ロゴマークの需要が伸びる可能性も高いかもしれません。
Point:日本のECサイトでは、ロゴタイプに力を入れているところが多い
3.ECサイトのロゴマーク・ロゴタイプ事例
ここではロゴマークを採用しているECサイトと、店名をもじったロゴマーク(ロゴタイプ)を1つずつご紹介します。
(画像引用元:チャーム楽天市場店のブログ)
まずご紹介するのは、楽天市場が毎年発表している「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー」の常連でもあるcharm 楽天市場店のロゴマークです。こちらの店舗ではペット用品を中心に、ガーデニング用品やインテリア雑貨などを取り扱っています。
元々はアクア用品や熱帯魚などのエサ・用品などを販売していたこともあり、優しいブルーの色が使われたのではと考えられます。ロゴマークを見ただけで、ペット用品を扱うお店だというのが一目でわかるのもポイントです。
次にご紹介するのは、楽天市場にも出店しているケンコーコムです。
(画像引用元:ケンコーコム)
こちらはロゴタイプですが、販売品目の一つである「薬」の文字や、カプセルをもじった絵柄が挿入されるなど、先ほど同様、何を売っているお店かがわかりやすいものになっています。
ECサイトの多くがロゴタイプに力を入れている理由として、一度しか来店しないかもしれないユーザーに対して、まず店舗の名前を覚えてもらうことが大切であること、そして、WEBサイトを必ず持っているという性質上、お店の看板として利用できるものが求められているという点が挙げられます。
ECサイトでロゴマークを作成する場合は、ひと目で何を売っているのかわかるもの、お店の名前を覚えてもらうことを重点に作成したほうがいいかもしれません。
Point:
4.まとめ
■日本のECサイトでは、ロゴマークよりもロゴタイプに力を入れているところが多い ■ロゴマークでもロゴタイプでも、ひと目で何を売っているかがわかるもの、店名を覚えてもらいやすいものが選ばれている |