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1.はじめに
ロゴデータだけでなくパンフレットや名刺などを同時に依頼している場合、印刷屋さんへの入稿までをデザイナー側で行うことは珍しくありません。データで納品するのと印刷物として納品するのとでは、かなり勝手が違うもの。刷り上がった印刷物を修正することは容易にはできませんから、初めて印刷屋さんへ入稿する場合は、データ納品以上にさまざまな点に気をつける必要があります。
そこで今回は、印刷屋さんにデータを渡すまでの簡単な手順と、入稿前の注意点についてご紹介します。初めて印刷屋さんへ入稿する方はもちろん、デザイナーに印刷屋さんへの入稿までを一括で依頼しようと思っている依頼主の方も、ぜひチェックしてみてくださいね。
Point:データで納品する場合と印刷物を納品する場合とは注意点が異なる
2.データを渡すまでの手順
まずはデータの完成から、印刷屋さんにデータを渡すまでの簡単な手順をご紹介します。
2-1.スクリーンショットを撮影する
印刷屋さんにデータを納品する前には、必ず制作画面(Illustratorなど)のスクリーンショットを撮影しておきましょう。慣れていない方はつい忘れてしまいがちですが、これは入稿データの状態を確認するための、とても大切な行程の一つ。
万一、刷り上がってきたデータがイメージと違うなどトラブルが発生した場合、入稿前のデータ状態を証明するものになります。また印刷屋さんの多くは、入稿後にデータに不備がないか確認を行うサービスを実施しています。万一不備があった場合、入稿者に電話確認が行われますが、その際の確認用としても利用できるので、必ずスクリーンショットを取っておきましょう。
Point:提出前には必ずスクリーンショットを忘れずに
2-2.入稿ファイルをまとめて圧縮する
入稿に必要なデータを一つのファイルにまとめましょう。まとめたファイルは圧縮し、1つのデータとして入稿します。
2-3.指定の方法でデータを入稿
入稿データが完成したら、各印刷屋さんの入稿方法を確認の上、データを入稿しましょう。印刷屋さんによって入稿方法や入稿規定が異なりますので、必ず入稿する印刷屋さんの入稿規定を確認するようにしましょう。
ここではよく使われる3つの印刷会社とその入稿方法をご紹介します。
- グラフィック(http://www.graphic.jp/)
《入稿方法》WEB入稿、FTP入稿、メール入稿、メディア送付入稿 - ラクスル(http://raksul.com/flyer/)
《入稿方法》オンライン上での入稿 - プリントパック(http://www.printpac.co.jp/)
《入稿方法》WEB入稿、メディア入稿
Point:依頼する印刷屋さんに合わせた方法で入稿しよう
3.渡す前に必ず確認したいことは?
前述のとおり、印刷データを渡す際には、さまざまな点に注意が必要です。印刷物がイメージと異なる場合、デザイナーはもちろん依頼主にも大きな迷惑をかけることになります。納期が迫っている場合は、刷り直しも難しくなりますので、事前にしっかりとデータを確認しておきましょう。
ここではデータ入稿の際、特に失敗することが多いポイントについてご紹介します。
3-1.フォントのアウトライン化がされていない
印刷物に文字(フォント)が入っている場合は、忘れずにアウトライン化を行いましょう。アウトラインとは、フォントを図形化(オブジェクト化)する処理のこと。
フォント表示はデータを開くパソコンに依存します。例えばあなたが、あるデータにメイリオで文字を入力したとします。そのデータをメイリオがインストールされていないパソコンで開くと、別のフォントに置き換わってしまい、印刷物のイメージが大きく変わってしまいます。しかし、フォントを図形化することで、フォント情報が破棄されるため、パソコンの環境にかかわらずメイリオで文字を表示することができるようになります。
意外と忘れがちなポイントですので、入稿前には再度確認を行いましょう。
Point:フォントのアウトライン化は必ず行うこと
3-2.トンボが正しく付けられていない
必ず正しい場所にトンボ(トリムマーク)を付けるようにしましょう。
家やコンビニ、職場などで印刷する場合と違い、印刷屋さんでは大きな用紙にたくさんのデータを印刷し、指定の大きさに裁断していくという方法で印刷が行われます。この時、裁断の位置を決めるのがトンボです。トンボの位置が間違っていると、正確に裁断されないことがありますので、文字が切れたり、印刷用紙の背景色が入ってしまうことも。入稿の前には必ず確認を行いましょう。
Point:提出前にはトンボの位置確認を
3-3.印刷サイズとデータサイズを合わせる
エクセルでデータを印刷した場合、印刷範囲の設定が間違っており、紙を無駄にしてしまった経験はありませんか?同じように、印刷物データを入稿する場合は、印刷サイズに合わせてデータサイズを作成する必要があります。一見当たり前のように思われがちですが、意外と忘れやすいのがこのポイント。サイズが間違っている場合、印刷不可データとして戻されることもありますので、注意しましょう。
Point:提出前には印刷サイズの確認も忘れずに
他にも入稿の際に注意しておきたいポイントがいくつかありますので、各印刷やさんの入稿規定で確認しましょう。
特に今回ご紹介したポイントは、印刷入稿に慣れている方でも、つい陥りがちな失敗ポイントです。せっかく入稿したデータをムダにしないためにも、印刷入稿に慣れるまでは、こうしたポイントをしっかりとチェックしておきましょう。
4.まとめ
■データ入稿の流れや注意点については、必ず印刷屋さんの入稿規定を確認する
■特に「フォントのアウトライン化」「トンボの付け方、つけ忘れ」には注意する