フォントのサンセリフ体は今、人気でよく使われています。印刷物や電子文書、動画で使っても見やすく、インターネット時代に適した使いやすいフォントです。そのサンセリフ体について、魅力を細かく見ていきましょう。
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サンセリフ体とは?
サンセリフ体は、文字の先端に装飾がないタイプのフォントのことです。(https://unsplash.com/photos/iOF6Vy0C8lE)
フォントには文字の先端にセリフと呼ばれる、文字に飾りがあるセリフ体と、飾りがないサンセリフ体の2種類に分けられます。サンはフランス語で「無い」、という意味があります。つまり、サンセリフはセリフ(飾り)がないものです。
飾りのあるセリフ体は和文フォントでいえば明朝体に、飾りのないサンセリフ体はゴシック体に相当するといえるでしょう。
セリフ体とは?
一方でセリフ体は、装飾性が高く伝統的で、クラシカルな雰囲気をまとわせたいときに用いられています。定番フォントとして知られるTimes New Romanなどは可読性に優れており、長文でも目が疲れにく、視認性が優れているとされています。
また「伝統」「上品」「知的」「高級」「真面目」なイメージを表すのに向いているのもセリフ体の特徴です。
一方、サンセリフ体は縦画横画ともに太さが均一で飾りがありません。遠くから見ても何を書いているか判別しやすく、看板広告やロゴに使われることが多くあります。目立ちやすい書体であることから、「カジュアル」「親しみやすい」「楽しい」「新しい」といったイメージをもたらします。
サンセリフ体がロゴデザイナーに選ばれる理由
紙のメディアが主流だった時代は、視認性の高さに加え、ロゴイメージも伝わりやすかいセリフ体が、サンセリフ体よりも多く使用されてきました。
しかし近年のロゴマークは、セリフ体よりもサンセリフ体のほうが、ロゴマークのフォントとして選ばれやすい傾向にあります。その理由は、オンライン、特にモバイルデバイスでの視認性が高いことや、動画の中で使用してもつぶれにくことにあります。特にYoutubeでは、解像度の問題でセリフ体を用いてもひげの部分は消えてしまいがちです。デバイスの変化に伴い、太く力強いサンセリフ体がが求められるようになったのです。
サンセリフ体にする場合の注意点
多くのロゴマークにサンセリフ体が使われるようになってしまった結果、見た目の印象が他社と似通ってしまうという弊害が起こっています。ぜひ一度、サンセリフ体のロゴを並べて見てみましょう。いずれも似たような印象に感じませんか?
そのため、特に競合他社がサンセリフ体を使用している場合、印象が重なってしまったり、同一視されたりして差別化が図りづらくなるリスクがあります。
参考にしたい!サンセリフ体の企業ロゴ
実際にロゴマークにサンセリフ体を採用したイメージをつかむため、採用企業のロゴマークを挙げてみましょう。
UNIQLO
赤字に白文字のロゴマークが印象的なユニクロのロゴマークは「DIN」というサンセリフ体のフォントをベースに作られています。
鮮やかな赤色と共に使用されることで、視認性が高く、ひと目でユニクロのロゴだとわかるデザインになっています。
DINはドイツで生まれたフォントです。型番などを表記する際のフォントを統一するために作られたものですが、今では東京五輪を始めとしたさまざまなロゴマークにも多用されています。
※ユニクロのロゴについて、もっと詳しく知りたい方はこちらの記事を御覧ください。
Toyota Motor Europe
トヨタのヨーロッパ現地法人であるToyota Motor Europe。実は2020年から日本とは異なるブランドロゴを採用しています。
ここで使用されているのは、トヨタのオリジナルフォント「Toyota Type」で、こちらもサンセリフ体です。視認性の高さが特徴で、これまで以上にトヨタのブランドを印象づけるデザインとなっています。
※Toyota Motor Europeのロゴについて、もっと詳しく知りたい方はこちらの記事を御覧ください。
まとめ
視認性が高いことから、インターネットなどの多様なメディアに対応できるサンセリフ体ですが、競合他社と似たようなイメージを与える可能性もあります。他のフォントの良さも考慮しながら、使用するかどうかを選ぶようにしましょう。