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【ブランド米】福島県が誇る「天のつぶ」のロゴタイプは際立つ存在感

福島県のブランド米「天のつぶ」のロゴマーク

画像引用元:福島県 ※無断転載禁止

ロゴマークラボでは、さまざまなロゴマークの事例を通して、ロゴ作成のヒントをご紹介しています。今回は福島県のブランド米「天のつぶ」です。

こちらはロゴマークの中でもロゴタイプだけに特化して制作され、なかなか印象深い作品となった一例です。どのような作成のヒントが隠されているのでしょうか。

15年もの歳月をかけて誕生した期待のお米「天のつぶ」

もともとコシヒカリやひとめぼれなどのお米産地として実績のある福島県。他の産地と同様に、お米の生産は非常に難しく同一種だけをたくさん生産する体制では、一度の自然災害や病気の蔓延によって、ほとんどの稲が影響を受けることになってしまいます。

そんな状況を是正するためにも、各地で新しい品種の開発が進められており、福島県でもコシヒカリとひとめぼれとの間にあたる収穫時期の、新たなお米の誕生が待たれていました。
そして15年もの時間をかけて2011年に登場したのが「天のつぶ」です。

「天のつぶ」は稲の丈が短いため、台風などで稲が倒れて収穫できなくなる「倒伏」が起りにくく、いもち病にも強く栽培しやすいため、生産者からも作りやすい稲であると評判です。

また「ひとめぼれ」の系統で、粒が揃い硬くしっかりとした食感で、お米の存在感を十分に楽しめる味わいです。
コシヒカリやひとめぼれにも劣らない味わいのバランスも評価されています。

天(自然環境)と人とが作り出し、天(空)に向かってまっすぐに伸びる稲を象徴

「天のつぶ」のロゴマークは公募によって募集されました。全国から83点の応募があり、その中から京都府の居関孝男さんデザインのものが採用となりました。

居関さんが作品に込めた思いについて、次のようにコメントしています。

「天に向かう力強さを筆書きにして描きました。分割した『天』の文字の『人』を強調し、人とお米の絆を表しています。『ぶ』に米粒、そして天を意とする紺色、福島県民の熱い心を赤色、実りの黄金色で組み上げました」

ロゴタイプの中にさまざまな想いや意味を込めるタイプのロゴマークは、シンボルマークを持たないために主張が弱くなりがちです。しかし、「天のつぶ」では極太で筆のかすれ部分まで生かした勢いのある文字を堂々と存在させたことで、意図をはっきりと伝えることを可能にしています。

また色の使い方も斬新!天(空)と人と稲穂をイメージする3色と、プラスしてあしらわれたその場所にも意味を見出すことができます。

天の恵みをもらい、大地から伸びるお米(稲)を人が中心となり栽培していく。古くから続く日本のお米の歴史を、一文字で伝えてくれています。

文字だけを使ったロゴマークでは、文字の大きさや位置、色の使い分けなどで与える印象は大きく変わります。

一方、シンボルマークがあることで情報が多すぎて伝わりにくくなるケースもあり、文字の力だけで作るロゴマークは、今後も一定の存在感を持ち続けることでしょう。

参考サイト:福島県

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