画像提供:富山県 ※無断転用禁止
各地のお米のロゴマークをご紹介するシリーズ。今回は日本列島の屋根と言われる立山連峰のふもと、富山県で開発・誕生したブランド米「富富富」に注目します。
「富富富」の誕生まで
日本海に面し標高3000メートル級の山々が連なる立山連峰。ユネスコが後援する「世界で最も美しい湾クラブ」にも加盟し、その富山湾越しに見る山の峰はまさに絶景で、世界的にも高く評価されています。
そんな山と海の恵みを生かして、富山県は古くから「コシヒカリ」など、良質なお米の産地として日本の台所を支えてきました。
しかし近年の猛暑や大雨は富山の生産現場にも大きな打撃を与え、品種改良の必要性が高まりました。
そこで富山県では平成15年から研究開発を開始。3000種もの中から
・高温に強い
・草丈が短い(倒伏に強い)
・いもち病に強い
という3つの特性を持ち合わせた稲の1系統が選別され、平成30年、ついに「富富富」が誕生しました。
「富富富」のロゴに込めた思いと取り入れたいポイント
「富富富」のデザインはクリエイティブディレクターの岡本 欣也氏によるものです。
3つの「富」という文字ですが、よく見るとそれぞれで字体が違っています。これはお米が生まれた古い時代から、「富富富」が生まれた現代までの移り変わりを表しているそうです。
脈々と続いてきた日本のお米文化。この間、気候変動や冷夏や台風など、稲作を取り巻く環境は大きく変化してきましたが、日本人の食の中心にはつねにお米がありました。
そんな日本の歴史にも思いを馳せながら、「富富富」も米作り文化の一端を担う存在になれればという願いも込められています。
また、産地富山県の一文字であり、豊かさを表す「富」には、富山の水、富山の大地、富山の人が作り出した、富山づくしのお米ということも表しています。
そして食べた人に「ふふふ」と喜んでもらいたいという思いも込められているといいます。
作り手や開発者、また産地の人々の思いを感じられるロゴマーク。お米だけではなく、ひとつの商品ロゴとしても、消費者にポジティブな印象を与える秀逸なロゴマークになっています。
そのものの歴史や込められた思いを非常にうまくパッケージしたロゴマークですので、ぜひみなさん参考にしてみてください。
参考サイト:富山県