画像引用元:岩手県 ※無断転載禁止
ロゴマークのデザインが商品そのもののイメージとは遠いものの、商品価値さえも高める結果をもたらしてくれたという優れたロゴマークがあります。それが岩手県のブランド米「銀河のしずく」のロゴマークです。
詳細なポイントをご紹介しているので、ぜひロゴ作成のヒントにしてください。
県内の生産者や研究者が約10年の歳月をかけて育てた新品種
日本の米どころと言えば東北地方や北陸地方を思い浮かべる人は多いはず。中でも秋田県や新潟県はコシヒカリやあきたこまちの産地として有名です。
岩手県も、その気候や土地もお米の生産に非常に向いている場所ですが、これまではお米の産地としての知名度がそれほど高くはありませんでした。
そんな岩手県で県のお米として自信を持って全国に発信することができる、ブランド米の生産を目指して開発を始めたのは2006年のことでした。
味わいの良さと病気に強い稲を作ろうと研究が始まり、2012年から3年間をかけて現地試験を実施。適応性や栽培適地を確認した上で、2015年には県の奨励品種に採用されたのが「銀河のしずく」です。
栽培マニュアルや栽培研究会などがしっかりと行われ、お米の食味ランキングでも最高位の特A評価を獲得しています。
モチーフ、ロゴタイプそれぞれに想いを凝縮したロゴマークが誕生
きらきらと光る星空から、お米の一粒一粒が輝いているようなイメージと、岩手県出身の作家、宮沢賢治の作品タイトルにもある「銀河」という言葉を使い、岩手県のイメージを想起させるようにと名付けられた「銀河のしずく」。
そのロゴマークにはとても詳細な意味が込められています。
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また9つのカラーにも、おいしさを生み出す10のポイントからそれぞれの意味がつけられています。
◉赤 ➡ 稲の生長を促す輝く「太陽」
◉茶 ➡ たい肥や稲わらなどによる「土」づくりの徹底
◉水色 ➡ 清らかな「水」をたたえるたくさんの川
◉銀色 ➡ おいしいお米を育む「銀河」の夜空
◉ピンク ➡ お米づくりに関わる人々の「愛情」
◉金色 ➡ 黄金色に輝く稲穂の波「豊かな稔り」
◉濃い青 ➡ 澄んだ空気、さわやかに広がる青空「空」
◉緑 ➡ 元気な稲がすくすく育つ豊かな「大地」
◉紫 ➡ おいしいお米を育てる「肥料」設計
ポイント10のうちの1つめは「改良」です。それはお米の白さと味わいの良さを追求した品種改良のことを示しています。この10のポイントが揃って、「銀河のしずく」のおいしさが引き出されるということを表しています。
ロゴタイプにもこだわりが
飽きのこない、お米として「かろやかな口あたり」と「ほのかな甘み」を表現したロゴタイプ。ここにも、製作者たちのこだわりが見えます。
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生産者の強い想いを込めたロゴマーク。それに相応するおいしいお米「銀河のしずく」が誕生しました。
お米のロゴマークとしてはスタイリッシュなイメージで、人目を引くことは間違いありませんし、モチーフやロゴタイプの細かな部分からも深い想いを感じることができ、とても興味深いロゴマークになっています。消費者に対しても、ロゴマークから商品に関心を持ってもうように促す効果があると考えられます。
「銀河のしずく」のように、作り手の想いをきちんと再現し、かつ見た人にちょっとした関心を引くようなロゴマークは、非常に高いブランディング力を持っているといえるでしょう。
参考サイト