(画像引用元:Wikipedia)
さまざまな企業・商品のロゴマークの由来やこだわりなどを紹介する「独断!粋なロゴマーク」。
今回は、CMでお馴染みの「ヤマトHD」のロゴマークを取り上げます!
1.ヤマトHDの歴史とロゴマークの由来
ヤマトHDの前身である大和運輸株式会社が生まれたのは1919年。実はこの年は、カルピスが発売された年でもあります。名前の由来となったのは、設立準備をしていたところが「山登屋」だったことと、日本の古称でもある「大和」からと言われています。
4台のトラックから始まったヤマトHDでしたが、1930年には日本で初めて路線トラック事業を開始。この事業が大成功を収め、ヤマトHDは大きく成長することとなります。
そんなヤマトHDにロゴマークが誕生したのは1957年のこと。その由来は、当時業務提携を行っていたアライド・ヴァン・ラインズ社の「子猫をくわえて丁寧に運ぶ猫」のロゴマークと言われています。
(画像引用元:ebay)
ロゴマークに込められた精神を当時社長だった小倉康臣が気に入り、使用許可をもらって同社でアレンジしたものが、現在も使用されている、黒猫のロゴマークなのだそうです。
ちなみに、ヤマトHDのロゴマークの猫が黒になったのは、広報担当のお子さんの黒猫の落書きがヒントとなっているそうです。
現在も丁寧な接客と運送で知られるヤマトHD。その所以はロゴマークにもあったんですね。
2.ヤマトHDと「魔女の宅急便」
実は「宅急便」と言う言葉は、ヤマトHDの登録商標であり、一般的には「宅配便」と言う言葉が使われます。しかし、1985年に発売され、1989年にはジブリ作品として人気を博した「魔女の宅急便」には、この「宅急便」と言う言葉が使われています。
一見すると、ヤマトHDの宣伝用作品のように思われるかもしれませんが、実は「魔女の宅急便」の作者である角野栄子氏が、「宅急便」と言う言葉が商標登録されていることを知らなかったために、そのまま使用したというのが本当のところのようです。また、作中に黒猫が出てくることも、偶然の一致だったとか。
ジブリアニメ「魔女の宅急便」の制作側が、ヤマトHDへスポンサー契約を打診した際には、この偶然の一致がきっかけとなって、スポンサーを承諾したそうです。
登録商標については問題の火種になることも多いですが、ロゴマークを通して新しいつながりが生まれるというのは喜ばしいニュースではないでしょうか。