(画像引用元:Wikipedia)
さまざまな企業・商品のロゴマークの由来やこだわりなどを紹介する「独断!粋なロゴマーク」。
今回は、ブルーオーバルが特徴的な「Ford(フォード)」のロゴマークを取り上げます!
1.Ford(フォード)のロゴマークの歴史と由来
フォードが生まれたのは1903年。世界の自動車王として後世にその名を知られることとなるヘンリー・フォード一世によって、米国に誕生しました。
今ではシンプルかつシックなデザインのロゴマークが特徴のフォードですが、創業当初のロゴマークは、下記のような少しファンシーさを感じさせる、アール・ヌーボー風のデザインでした。
(画像引用元:avant-garde more thought Official WEB)
その後、1907年には初代チーフエンジニア兼デザイナーを務めたC・ハロルド・ウィリスの書いた文字が、そのままロゴタイプとして使用されるようになります。フォードのロゴタイプといえば、流れるような形が特徴的ですが、1907年に採用されたロゴタイプは、C・ハロルド・ウィリスが自身の名刺に書いた文字がオリジナルと言われる通り、2015年2月現在のロゴマークよりも、サインに近いフォントが採用されています。
その後何度かの変遷を経て、1928年には現在のブルーオーバルの原案とも言えるロゴマークが完成。フォントも皆さんが馴染みのあるものに近い形となっていきます。
1957年には、一旦丸みを帯びた菱型へと形を変え、フォントもより崩れたものとなりますが、1960年代には再び丸型のロゴマークに変わっています。
2.ロゴマークの標準化を図るために
一見シンプルに見えるフォードのロゴマークですが、標準化を図るために、しっかりとした規定が設けられています。
その一つが、楕円形の幅と高さの比率です。フォードのロゴマークは、幅と高さの比率が8:3になるように作られています。また、使用されている青はパントーン249Cと決められています。
ロゴマークの標準化を図ることで、誰が見てもどこのロゴマークがわかるように規定を設けることの大切さは、「良いロゴマーク 悪いロゴマーク その違いとは」「知らないと損するロゴガイドラインの話」などでもご紹介してまいりました。
車のことをよく知らない方にも、フォードのロゴマークはよく知られています。その認知度の高さの理由は、フォードがこれまで上げてきた業績の数々もさることながら、ロゴマークの規定を設け、標準化を図ったことにあるのかもしれません。
ロゴマークを作成するなら、ぜひこうした点も参考にしてみてください。
※参考書籍
ロゴライフ 有名ロゴ100の変遷(著:ロン・ファン・デル・フルーフト)