キャラクターの作り方・買い方
オリジナルキャラクターを購入するなら知っておきたい3つの重要ポイント
競合他社との差別化や顧客と製品やサービスを繋ぐ潤滑油等など、キャラクターには色んな効果が期待できます。「せっかく作るなら、魅力あふれるオリジナルキャラクターが良い」とお考えの方も多いのでは。
そこで今回は、オリジナルキャラクターの作成や購入の際に、知っておきたい大切なポイントを「権利関係」「契約関係」「実務関係」の3つのポイントに分けてご紹介します。キャラクター作成やご購入をお考えの方必読です!
■その1:権利関係
契約の前に学んでおきたいのが権利関係です。
▼著作人格権
キャラクターのイラストは著作物です。そのため、著作者には「著作人格権」があります。これは、譲渡することのできない権利です。
著作人格権には以下の3つがあります。
・公表権
・氏名表示権
・同一性保持権
たとえキャラクターの著作権を、双方で合意の上で譲り受けたとしても、「同一性保持権」が認められているので、同一性を害してしまうような改変をすることはできません。そのため契約時には「著作人格権を行使しない」という一文を加え、使用の際には度を過ぎた改変をしないように注意するのが一般的です。
▼商標権
商標として登録を行うことで、商標上の保護を受けられます。商標登録は先願主義なので、商標登録をお考えの場合には早めに対応するのがオススメです。
▼他のキャラクターとの類似
オリジナリティを保つためにも、他のキャラクターとの類似にも注意したいもの。偶然似てしまうケースもありますが、画像検索等で類似のキャラクターが存在していないかチェックすることもお忘れなく。
著作権や商標権を侵害してしまうと、損害賠償責任を問われる可能性があります。
■その2:契約関係
契約を締結する際には、以下のポイントに注意しましょう。
▼使用目的や範囲
キャラクターの人気が出て、グッズ販売を考えた場合、改めて契約が必要になるケースがあります。キャラクターの使用目的や範囲をしっかりと決めておくと共に、予想される展開も踏まえた契約を締結しましょう。
商品展開を見据えている場合には、「商用利用が可能」なキャラクターを購入してくださいね。
▼納期や修正回数
契約周りでは、納期や修正回数なども事前に取り決めておくことが大切です。最終納期を設定し、修正工数を見込んだスケジュールを立てましょう。
修正は「回数や工数によって追加費用が掛かる」とするケースも。双方が気持ち良く仕事に取り組めるよう、調整することが大切です。
▼スケジュールにゆとりを持つ
キャラクターを購入することになっても、すぐに使えるとは限りません。
・キャラクターの改変には時間が掛かる
色の変更やポーズ・表情の変更が必要な場合、ベースがあったとしても時間が掛かるケースが多くあります。既存のキャラクターを購入するケースでも、スケジュールにゆとりを持っておきましょう。
・契約の締結にも時間が掛かる
忘れてしまいがちなのが、契約の締結にも時間が掛かることです。依頼者・受注者の双方で契約の確認が必要になります。弁護士の確認が必要になるケースもあるので、契約関係にもしっかりと時間を取っておきましょう。
■その3:実務関係
スムーズに仕事を進めるためのポイントは以下の通りです。
▼使用目的やターゲットを明確にする
使用目的やターゲットを明確にすることで、より訴求力のある貴社にフィットしたキャラクターを作ることができます。「なんとなくキャラクターがいれば良いと思って」という理由で購入をお考えになる方も多いですが、せっかく購入するなら効果を期待したいですよね。
使用目的やターゲットを明確にし、商品やサービスに合ったコンセプトを考えましょう。
▼イメージを言語化する
例えば「可愛いキャラクター」と言われた場合、どんなものをイメージがしますか? 幼い少女でしょうか、それともぬいぐるみのクマでしょうか。
「可愛い」のように、多彩な解釈ができる言葉ではなく、イメージをしっかりと言語化しましょう。参考にしたいキャラクターの画像や設定資料などがあるとスムーズです。
▼相場を知る
限られた予算の中で、なるべく安くキャラクターを作成したい気持ちもあるかもしれません。しかし、安易にリーズナブルな価格に飛びつくと、使用期限が短かったり、自社で思うように活用できない契約だったりするケースも。
相場を踏まえたうえで、適正な価格で発注することも大切です。安価でオリジナルキャラクターの作成をしたい場合には、企業ではなくフリーのイラストレータなど、個人で活躍している方のほうが、条件に合う方が見つかりやすいです。
■おわりに
オリジナルキャラクターを購入する際には、権利や契約周りの知識や、実務のコツを押さえる必要があります。
権利関係のことをもっと詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご一読ください。
⇒ノンデザイナーも知っておきたいキャラクターと著作権の話