キャラクターに関する基本情報
キャラクターガイドラインとは?その意味とチェックポイント
オリジナルキャラクターの使用を、個人や企業に対して許可しているケースは珍しくありません。
その際、どんな使い方をすることができるのかを定めたのが、「キャラクター使用(利用)ガイドライン」です。
そこで今回は、熊本県のゆるキャラ「くまモン」の使用ガイドラインを参考に、キャラクターガイドラインのポイントをご紹介します。
■キャラクター使用(利用)ガイドラインとは
キャラクターガイドラインとは、個人や企業に対して、著作権者がオリジナルキャラクターを使用する際に定めた条件のことです。
▼どうしてガイドラインが必要なの?
オリジナルキャラクターをたくさんの個人や企業に活用してもらうことで、多くの人に親しまれる機会が増え、知名度を上げうことができます。
しかし、キャラクターのイメージにそぐわないサービスや製品に使用されたり、イメージを損なうような使用をされてしまうと、ブランディングに悪影響を及ぼしてしまいます。
そのためキャラクターのガイドラインを定め、使用許諾が必要な範囲などを明確に規定する必要があるのです。
■オリジナルキャラクターを守るために、キャラクター使用(利用)ガイドラインを作成しよう
先ほど触れたように、キャラクター使用(利用)ガイドラインは、キャラクターの権利を守るために欠かせない大切なものです。オリジナルキャラクターを作成したら、必ずガイドラインも作成、公開しましょう。
▼ガイドライン作りのポイント
ガイドラインを作る際には、「適正に利用してもらうためにどんなルールがあると良いか」を念頭に置きましょう。
・利用許可の有無を決める
使用範囲によって利用許可の有無を決めましょう。
例えば、「商用利用の場合には許可が必要」「非商用利用の場合には許可は不要」などです。
・利用許可の範囲を明確に
彦根市のゆるキャラひこにゃんは、グッズ展開に際してキャラクター作家であるもへろんさんと彦根市が係争になりました。
これは、自治体と作者の間で運用についての取り決めが曖昧だっただけではなく、自治体側のキャラクター使用に関しても曖昧な点があったためです。
トラブルを避けるためにも、使用許可の範囲や使用イラストの種類を事前に決めておきましょう。
・利用目的
利用許諾にあたっては、利用目的を必ず規定しましょう。法令又は公序良俗に反する場合や、キャラクターのイメージを損なう場合、反社会勢力との関係が疑われる際などは、許諾を行わない旨を明記しておくのがおススメです。
また、利用許諾にあたり検討した結果「不適切」と認められた場合には、許諾を行わない旨も記載しておきましょう。
・二次創作の規定を作る
キャラクターを育てていくためにも、ファンとの交流は必要な活動です。その中で二次創作は、一定のルールの上で楽しんでもらうことで、普段はリーチできない層にもキャラクターの魅力を届けることができます。
実際に、非商用に限って使用許可が不要としているケースもあります。管理工数との兼ね合いもありますので、事前に検討し、ルールを作っておくのが良いでしょう。
例えば、初音ミクで知られるクリプトン・フューチャー・メディア株式会社では、ピアプロリンク申請をクリエイターが行うことで、実費程度(非営利で有償)の場合でも、二次創作物を利用することができます。
また、規約の範囲内であれば、ダウンロードなどの有償販売も認められています。
・禁止事項を明記する
キャラクターのイメージを守るうえで欠かせないのが禁止事項の設定です。キャラクターの変形や使用許可画像の改変など、禁止事項をしっかりと決めておきましょう。
・具体的な例をあげる
用途や使用したいシーンなどに具体的に触れ、例をあげましょう。どんな風にキャラクターを活用できるかイメージがわきます。
問い合わせを減らす効果もあるので、管理工数の削減にもつながります。
▼キャラクターガイドラインの例:くまモン
くまモンは熊本県のキャラクターで、商標登録をされています。
しかし、熊本県のPRを目的とする場合等には、手続きを行うことで無料で使用することができるのです。
そのため熊本産の特産にはくまモンが起用されたものが多く、熊本県のブランドイメージの向上や認知度UPに役立っています。
くまモンを利用したい場合には、「熊本県のPRにつながる」「県産品のPR促進等につながる」という条件を満たすことで、使用申請を行うことができます。
この際、事業者には「事業者登録」が義務付けられています。これは、暴力団関係者の排除を目的としているだけではなく、次回以降の利用許諾申請手続きを簡素化するためでもあります。
■おわりに
キャラクター使用(利用)ガイドラインは、キャラクターの権利を守るだけではなく、ブランディングの上でも大切なポイントです。適切なガイドラインを設け、必要に応じて修正を行いましょう。
くまモン以外にもたくさんのキャラクターのガイドラインが公開されていますので、参考になさってくださいね。