知っておきたいキャラクター予備情報
LGBTQとキャラクターについて知っておきたい3つのこと
ディズニーによるゲイが主人公の「Out」という短編アニメが誕生するなど、キャラクターにもフラットな対応が見られるようになってきたのをご存知でしょうか。
そこで今回は、LGBTQとキャラクターについてご紹介します。
多様性を認め誰もが自分らしく生きることができる社会のために。「正しく理解する」ことから始めてみませんか。
■そもそもLGBTQって何?
「LGBTQ」や「LGBTQIA」とは、セクシャルマイノリティを示す言葉です。LGBTQIAは各セクシャリティの頭文字を繋げた言葉で、以下の意味を持ちます。
L(レズビアン)→性自認が女性かつ同性愛者の人
G(ゲイ)→性自認が男性かつ同性愛者の人
B(バイセクシュアル)→男性・女性の両方を愛せる人
T(トランスジェンダー)→身体的の性別と性自認が一致していない人
Q(クエスチョニング)→自分の性別が分からなかったり、決めていない・決まっていない人
I(インターセックス)→一般的に定められている「男性」「女性」どちらとも断言することができない身体構造を持つ人
A(アセクシュアル)→誰に対しても恋愛感情や性的欲求を抱くことがない人
▼LGBTQIA(+)とは?
「LGBT」という言葉が長く使われてきましたが、セクシャルマイノリティは上記のように他にもたくさんの形があります。
そのため、全てを総称するために「LGBTQIA」に「+」をつけて、「LGBTQIA(+)」という表現をするケースが増えてきました。
プラスには、「Xジェンダー」と呼ばれる男女どちらにも当てはまらなったり性自認人が揺れている人や、「パンセクシュアル」と呼ばれる相手の性別にかかわらずどんな人も愛せる人などが含まれます。
こうしてみると、セクシャリティは多岐に渡っていることが分かりますね。
▼LGBTQはどのくらいいるの?
株式会社 LGBT 総合研究所(博報堂DYグループ)が行った、「LGBT意識行動調査2019」によると、LGBTや性的少数者に該当する人は約10.0%という比率でした。
つまり、10人に1人の割合です。 セクシャルマイノリティの多くは、自身のセクシャリティをカミングアウトせずに社会生活を営んでいるケースが多くあります。
■「誰も傷つけない」ためにできる配慮がある
LGBTQを扱ったコンテンツは増えており、実際に理解を示しキャラクターに活用する向きもあります。当事者でないと本質を正しく描くことは難しいと言えますが、理解を示し配慮を行うことは必要不可欠です。
ここでは特に配慮すべき3つのポイントをお伝えします。
▼知っておきたい「内在化したフォビア(恐怖症)」
LGBTのキャラクターが、笑われていたり、気持ち悪く描かれているのを見ることで、当事者がそれを内在化してしまい、自分で自分を「気色悪い存在だ」と思ってしまう恐怖症があるのをご存知でしょうか。
例えば男の子を「気持ち悪い存在」として扱っている作品は見られないですし、もしそれを見たとしたら、男の子が傷ついてしまうことは容易に想像できますよね。
しかし、LGBTのキャラクターは時にユーモラスから外れた度を越した表現で扱われることがありました。沢山の人に親しまれるためにも、多角的な視点でキャラクターを考証し、検討することが大切です。
▼「押しつけ」を辞める
内閣府「人権擁護に関する世論調査」では、性的思考に関して「差別的な言動をされる」という回答が49%もありました。
従来は、「男の子は男らしく」などの押しつけをされるケースが多くありましたよね。
しかし昨今では、性別による区別ではなく、その人の持つ本来の魅力や多様性を尊重する姿勢が求められます。
元気でパワフルな女の子のキャラクターが活躍しても良いですよね。キャラクター本来の持つ魅力ではなく、性差に基づいて決めつけた描き方をしないように配慮しましょう。
▼理解を示すために使いたい「レインボーカラー」
大阪市では人権啓発のためにマスコットキャラクターを用いています。キャラクターの「にっこりーな」は、髪の色がレインボーカラーです。
このレインボーカラーを用いたフラッグは、LGBTの活動の中で重要な意味を持っています。美しい6色のフラッグは、サンフランシスコのギルバート・ベーカー氏によって1976年にデザインされました。
そして、1978年6月25日「サンフランシスコ・ゲイ・フリーダム・デイ・パレード」ではじめて使用されたそうです。レインボーカラーを用いることで、LGBTへの理解を示すことができます。
■おわりに
多様性を認める社会が形作られていく中、マイノリティーに属する方への配慮を行うことは、特別なものではなく当然のことになっていくことでしょう。
沢山の人に愛されるキャラクターを作るためにも。多様性を認め尊重する世界観を構築しましょう。