キャラクターとブランディング
「Kawaii(カワイイ)」文化の今とキャラクターとの関連
せっかくキャラクターを作るのであれば、より多くの方に親しんでもらいたいですよね。国内だけではなく、海外にも目を向けた運用をお考えの方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、「Kawaii(カワイイ)」文化の今とキャラクターとの関連に触れながら、世界で受け入れられるKawaii(カワイイ)キャラクターの作り方のポイントをご紹介します。
■「Kawaii(カワイイ)」は進化し続けている
日本語の「かわいい」は「Cute」とは訳されることなく、オックスフォード英語辞書には「kawaii」がそのまま採用されています。これは「カワイイ」「Kawaii」「Cawaii」の認識が、海外と国内で認識に違いがあるからです。
例えば日本では未成熟なものに対して「カワイイ」を使うことが多くあります。他にも、国内でも個人によって大きな差があります。
また、性別によっても「カワイイ」の使い方が違いますよね。
さらに「ダサカワイイ」「キモカワイイ」などの言葉が生まれ、本来のいとおしさや趣深さを示す言葉から進化を遂げています。カワイイは細分化し、「アキバ系」「原宿系」といった、独特のカワイイが生まれているのです。
進化し続ける「カワイイ」。多くの人に愛されるキャラクターを作るためには、流行を追い続けるのではなく、ベースは普遍的でシンプルなものにするのがオススメです。
■Kawaii(カワイイ)キャラクターとは?
画像引用元:ドラえもんチャンネル「キャラクター紹介 - ドラえもん」先ほど国内外の感性の違いに触れましたが、実は日本発の人気キャラクターが、海外で受け入れられなかったり、人気が大きく入れ替わることはあまりありません。 もちろん個人の趣味や好み、そして漫画やアニメの場合、物語の進行や本人の設定の受け取り方が違うケースは多くあります。
また、国によっても人気のキャラクターが異なります。
しかし、ドラえもんやピカチュウ、ハローキティなどの日本でも人気が高いキャラクターは、順位こそ異なるものの海外でも高く評価されているのです。
■Kawaii(カワイイ)キャラクターを作るには?
グローバルなフィールドで戦えるキャラクターを作るためには、「多様性への理解と配慮」がポイントです。世界中で愛される「kawaii(カワイイ)」キャラクターを作るために、以下のポイントに注意しましょう。
▼kawaii(カワイイ)を言語化する
先ほど触れたように、kawaii(カワイイ)という言葉の認識はあいまいです。まずはチーム内でkawaii(カワイイ)を言語化し、どんなキャラクターがkawaii(カワイイ)のか、イメージの差異をなくしましょう。
そして、どんな人に対して訴求力のあるキャラクターを目指すのか決めておくとスムーズです。
▼ジェンダーにとらわれない
人間は生まれながらに生物学的な性別を持っています。
また、社会通念や慣習などで「男性像」や「女性像」といった社会的性別もあります。ジェンダーは社会的性別を指す言葉で、社会的性別にとらわれないことを「ジェンダーフリー」と呼びます。
「女の子だから女の子らしいキャラクター」「男の子だからヒーロー」ではなく、誰もが自分の性別にとらわれずに「kawaii」を楽しむべきなのです。 こうした風潮は、海外だけではなく日本でも高まりを見せていますよね。
そこで注意したいのが、「内在化したフォビア(恐怖症)」です。自分と同じ属性を持ったキャラクターが笑われたり、気持ち悪く描かれていると、自分を「気色悪い存在だ」と認識してしまう恐怖症があるのです。
キャラクターマーケットでは、LGBTQとキャラクターについて記事にまとめています。「誰も傷つけない」配慮をするために、こちらもぜひご一読ください。
▼多彩な仲間を加える
日本は島国で単一民族がベースになっており、海外ほど多彩な民族が隣り合って暮らしているわけではありません。
そのため、長年「肌色」という言葉が使われてきたように、肌の色や民族の違いに関する認識が、世界的に見て薄いことがあります。肌や髪の色、そして瞳の色は大切なアイデンティティなのです。
一歩日本を出れば、多彩な人種や民族の方々がいますよね。主人公が日本人以外でも構いませんし、多彩な仲間がいた方が世界中の人に寄り添えるキャラクターになるかもしれません。動物や人間以外のモチーフなら、人種を規定することなく共感しやすくなります。
▼異文化の勉強をする
日本では気にも留めないことであったとしても、異文化では失礼に当たったり人を傷つけてしまうことがあります。
特に注意したいのが「身体的な特徴の話題」です。日本では身体的特徴をほめるつもりで話題に取り上げることがありますが、海外ではタブーと考えられています。
また、宗教への理解も大切なポイントのひとつです。異文化の勉強をし、キャラクターのモチーフや設定、言動が違う意図で受け取られることがないよう注意しましょう。
■おわりに
「Kawaii(カワイイ)」文化の今とキャラクターとの関連、そしてKawaii(カワイイ)キャラクターを作るポイントをご紹介しました。
初めから海外戦略を見据えたデザインや設定を考えることで、よりスムーズに展開を進めることができます。グローバルなフィールドで活躍するキャラクターを作成するためにも、しっかりとリサーチして、キャラクター作りのヒントを探してみましょう。