キャラクターの作り方・買い方
オリジナルキャラクターの物語の作り方
オリジナルキャラクターを作るなら、誰からも愛される魅力的なキャラクターになってほしいもの。ただキャラクターを作るだけでなく、世界観や物語も一緒に作ることで、キャラクターに深みが増します。私たちがよく目にするキャラクター達も、生まれてから今に至るまでそれぞれの物語を持っています。
ここでは、愛されるオリジナルキャラクターになるために、どのように物語を作っていくかについてご紹介します。
■テーマを決める
まずはじめにテーマを決めます。テーマがしっかりと決まることで、物語やキャラクターに一貫性を出せるからです。「物語を通して、どんなことを伝えたいか」を考えてみてください。
テーマを設定する時には「最近の流行を取り入れすぎない」ことと、「世間一般の感覚を大切にする」ことに注意しましょう。ブームや流行をテーマに入れると、ブームが去った後に過去のものというイメージが強くなります。
そうなると、時代を経て長く愛される物語(キャラクター)にはなりません。どうしても流行を取り入れたいならば、いくつかの物語を発表してベースを作っておくとエッセンスになります。まずは土台となる物語を作りましょう。
また、世間の感覚とずれたものをテーマにすると、共感を得ることができません。
例えば、「主人公が次々とルールを違反しながら成長していく物語」は、目新しさはあるかもしれませんが、沢山の人に支持されにくいですよね。
ターゲットにもよりますが、オリジナルキャラクターが登場する物語では、「キャラクターの成長」のような前向きでわかりやすいテーマがお勧めです。
■物語の基本「起承転結」
読者を物語の世界に引き込むためには、工夫が必要になります。
起承転結とは、物語を「起」「承」「転」「結」の4つに分けて考える方法です。
「起」物語の発端となる出来事
「承」発端となった出来事が発展する
「転」物語が山場を迎える
「結」物語が完結する
例えば浦島太郎では
「起」浦島太郎が亀を助けて
「承」助けられた亀が浦島太郎を竜宮城へ招待し
「転」竜宮城で浦島太郎は楽しい時間を過ごし
「結」帰宅後おみやげの玉手箱をあけると老人になります
起承転結の割合は、4等分でなくてもかまいません。物語が動き出す「承」や「転」は読者が読みたい部分ですので、割合を多くするとキャラクターへの共感を喚起できます。
「起」には読者を引き込む必要があり、「結」で物語をきれいに終わらせなければ全体がつまらなかった印象になってしまいます。
そのため、丁寧に構成を作る必要があります。はじめから起承転結を意識した構成にすることで、筋の通った読みやすい物語になります。
■アイデアの出し方とは?
テーマは決まり、構成はできたものの中々物語がすすまない。
そんなときは、すでに存在している物語の王道パターンを利用してみましょう。
物語の基本構造は、自分の好きな作品や過去の名作を参考にして「自分ならどうするか」とか、「このキャラクターならどう動くか」を考えてみてください。歴史上の出来事や周りの人の実体験をヒントにすることもできます。
大切なことは、キャラクターや設定にオリジナリティを持たせること。ありきたりな物語であったとしても、魅力的な作品は多くあります。
■盛り上がりを演出するために
物語を盛り上げるために、知っておきたいテクニックをご紹介します。
▼伏線をはる
伏線とは物語の中で後の展開に登場する、もの・ことを前もって忍ばせておくことです。のちに、忍ばせておいた伏線を成立させることを「伏線回収」といいます。
面白い物語には必ずと言って良いほど伏線がはられており、しっかりと回収されています。伏線と伏線回収がうまく設定されていないと、先が見えてしまったり、まとまりがない物語となります。
伏線と伏線回収を効果的に使用して、最後まで飽きさせない物語を作りましょう。
▼感情移入できるシーンを作る
面白い物語は人の心を動かします。読者に感情移入してもらうためには、読者がキャラクターの目標に共感できること、読者が「キャラクターを応援したい」と思えることが必要です。
そのためには、キャラクターがその目標に至った動機が明確でなければいけません。
また、キャラクターが目標を達成するのを見届けたい、応援したいと思われるようなキャラクターであることも大切です。
さらに、読者の想像力をかきたてるようなシーンも効果的です。完結された物語ではなく読者に想像の余地を残すと読者自身の物語に変化していきます。
主人公の人となりを感じられるエピソードで、ファンとの距離を縮めましょう。
■おわりに
物語の作り方についてご紹介しました。せっかく作ったキャラクターを輝かせるためにも、世界にひとつしかない物語を紡ぎましょう。