キャラクターの作り方・買い方
キャラクター制作で主に活用するデータ形式とは?
キャラクターを発注する前に、「どのように利用するか」を考えておかないと、納品データの形式を決めることができません。
せっかく制作したオリジナルキャラクターを有効利用するためには、活用しやすい形式を指定して納品してもらうのがベストですよね。けれども、画像ファイルにはいろいろな形式があり、どの形式を選べば良いか迷ってしまうことも。
そこで、キャラクターで主に活用するデータ形式をご紹介します。それぞれの特徴を知ることで、最適なデータ形式を見つけてください。
■Aiデータ
AiデータとはAdobe Illustrator形式のデータのことを指します。ファイルの拡張子は「.ai」です。画像編集ソフトAdobe Illustratorで作成された画像ファイルで、同様のソフトを使って編集することができます。
Aiデータの最大の特徴は、「納品後に画像の編集や加工ができる」点です。しかし、Adobe Illustratorがインストールされていなければ、ファイルを展開することができません。
また、ソフトのバージョンが異なると表示内容が変わってしまう点にも注意が必要です。ソフトが正しくインストールされていれば、修正や編集を行なうことができます。
画質を劣化させることなく拡大や縮小を行えるのは嬉しいポイントです。さまざまなサイズ変更に対応でき、キャラクターをより有効的に利用できます。
納品後にキャラクターのサイズを変更をしたり、追加で編集をしたい方はAIデータがおすすめです。
■JPG
JPGとは、デジタルカメラやスマートフォンの写真データにも採用されている一般的な画像データ形式です。拡張子は「.jpg」です。写真など色鮮やかで色数が多いものを表示するのに向いていてます。しかし、イラストなど輪郭がはっきりしているものは、色と色の境目にノイズが生じてしまいます。
画像の不要なデータを削除しながら圧縮するので、サイズを小さくして保存できますが、圧縮したものを元のサイズに戻すことはできません。つまり画像の拡大や縮小を行う度に画質が悪化するということです。
また一度悪化したものは元に戻らないので、頻繁に画像を編集する際には注意が必要です。せっかく素敵なキャラクターを作成したのに、画像が荒いと魅力は半減してしまいますよね。
更に、「透明色を表示できない」というのもデメリットのひとつ。背景が白の枠で表示されるので、「背景が白以外の時に使いづらい」と感じることもあります。
画質は落ちますがサイズを小さくできるので、大容量の資料作成やホームページ上で利用する際に向いている形式です。色数が多いキャラクターを作成する予定の方はJPG形式が良いかもしれません。
■透過PNG
主にウェブサイトに使用される画像データ形式です。拡張子は「.png」です。JPG形式とは画像の圧縮方式が異なり、イラストなど塗りつぶしの多い画像に適しています。
PNGは、画像の透過や半透過が表現できます。背景が透明なので、写真や模様など色柄がある背景の上にのせても、すんなり馴染み扱いやすいのが利点です。
データを保存する際に、色情報を削除しないので画質が劣化することはありませんが、色数が多い写真のような画像ではデータ量が大きくなる点に注意してください。
逆に言うと、色数が多くないイラストなどでは、JPGデータと比べて小さいサイズで保存することが可能になります。
透過をいかした画像や、色変化が少なく、輪郭がはっきりとしたキャラクターを考えている方には、PNG形式をおすすめします。
PDFとは「Portable Document Format」の略です。パソコンやスマートフォンなど、どんな端末でも閲覧することができるファイル形式です。拡張子は「.pdf」です。
デザイナーはIllustratorなどのソフトを使ってキャラクターを作成しますが、依頼主に同じソフトが入っていなかったり、バージョンが違うと画像の確認が正しく行えません。その点、PDFを利用すれば、ソフトのバージョンやパソコンに入っているOSの違いに関係なくできあがりを確認することができます。
また、PDFはデータを圧縮することができるので、メールでデータを送受信する際に便利です。データにパスワードやセキュリティをかけ、保護することができる点もポイントといえるでしょう。
ただし、納品後に編集や加工を行うことはできませんのでご注意ください。
■おわりに
キャラクター展開において活用されている画像データ形式についてご紹介しました。どのようなキャラクターを作るか、またどのように活用するかによって、適切なデータ形式が異なります。それぞれの特徴を正しく理解し、使い分けることで、キャラクターを有効的に利用しましょう。