キャラクターに関する基本情報
ノンデザイナーも知っておきたいキャラクターと著作権の話
著作物には、「著作権が発生する」ことは、良く知られている事実だと思います。しかし、「キャラクター自体には著作権が発生しない」ことを知らない方も多いかもしれませんね。
そこで今回は、デザイナーだけではなくノンデザイナーの方も知っておきたい、「キャラクターと著作権」についてご紹介します。
■著作権ってどんな権利?
著作者には、人格的な利益保護を目的とした「著作者人格権」と、財産的な利益保護を目的とした「著作権(財産権)」の2つがあります。
著作者人格権は著作者のみが持つ権利で、譲渡や相続できない「一身専属性」の権利です。
一方で著作権(財産権)は、一部や全部を譲渡や相続することができます。
2020年10月時点の著作権の保護期間は、「著作者の死亡後70年」です。
通常著作物を使用する際には、「ライセンス料」や「許諾料」といった使用料金を払うケースが多くあります。
著作権の保護期間が明けると、許可の取得や使用料の支払いがなくなり、誰でも著作物を自由に利用することができるようになるのです。
▼知っておきたい「法人著作(職務著作)」
次の5つの要件を全て満たす場合には、法人が著作権を所有することができます。例外として、プログラムの著作物については(4)を満たさなくても良いとされています。
(1)法人等の発意に基づき作成されるもの
(2)法人等の業務に従事する者により作成されるもの
(3)法人等の従業者の職務上作成されるもの
(4)法人等の著作名義の下に公表するもの
(5)法人内部の契約、勤務規則等に、別段の定めがないこと
引用元:公益社団法人著作権情報センター CRIC「著作者にはどんな権利がある? | 著作権って何? | 著作権Q&A |」
つまり、企業が主体となってキャラクターを作成する場合には、一定の要件を満たすことで「法人著作」と認められるのです。
法人著作なら、法人が主体となって著作権を管理できます。
■どうしてキャラクターは著作権保護の対象にはならないの?
著作権保護の対象になるのは、著作物と定められています。
例えば、小説の挿絵に描かれたキャラクターや、漫画のキャラクターは著作物なので、保護の対象になります。
一方、キャラクターは独立したイラストのため、それ自体は保護の対象外なのです。
▼著作物のコピーは複製権の侵害になる
ここで注意したいのが、キャラクターは著作権保護の対象外ではありますが、著作物であるイラストを無断で使用した場合には「著作権侵害」にあたる点です。これは、著作権の内の複製権を侵害したことになります。
単にそのままコピーをしただけではなく、ポーズなどのアレンジを独自で加えたりしても、特定のイラストに「依拠」し、類似もしくは同一のイラストを制作した場合には侵害と認定されます。
▼オリジナルキャラクターが著作権侵害をしないためには?
キャラクターを制作する時に、既存のキャラクターを参考にするケースがあります。その際、特徴が似通っていたり、一部をアレンジしただけだったりすると、「翻案権侵害」になる可能性があります。
これは、「同一」ないし「類似」ではないけれども、既存のキャラクターに新たな個性を付け加えたものです。
つまり、複製ほどそっくりではないけれども似通っているということですね。
▼著作者とのトラブルを防止するために
ゆるキャラブームにのって、各自治体では沢山のオリジナルキャラクターを制作し活用しています。
一方、彦根市の「ひこにゃん」は、著作権者(及び商標権者)である滋賀県彦根市と、キャラクターをデザインしたデザイナー(著作者)の間で、紛争が起きています。
著作者から著作権の譲渡を受ける際には、キャラクターの改変について同意を取っておくと、トラブルを未然に防ぐことができます。
■おわりに
キャラクターに関する著作権の話をご紹介しました。キャラクター自体に著作権はありませんので、権利をしっかりと守るためには商標登録をする必要があります。
商標登録については、「キャラクターを商標登録しなければならない4つの理由」という記事がありますので、こちらもあわせて目を通してみてくださいね。
キャラクターマーケットは、商標登録までサービスに入っているので安心です。オリジナルデザインのキャラクターを作りたい方は是非、キャラクターマーケットをチェックしてみてください。